26
20

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

Android BLE ScanSettingsの使い方

Last updated at Posted at 2018-08-16

AndroidのBLEスキャン設定(ScanSettingsクラス)についてまとめてみました。

注意点

BLEスキャン設定で注意したほうが良いことをまとめるとこんな感じです。

  • Bluetotohのチップに依存するスキャン設定があります。
  • Bluetoothチップは機種によって違うのでBLEスキャンの設定によっては機種毎に動作が異ります。
  • 機種依存を回避したいなら、ハードウェアに依存する設定はしないほうが良さそう。
  • BLEスキャンモードはなるべく省電力なモードを選ぶと良さそう。

setCallbackType(int callbackType)

概要

BLEスキャン結果を通知するコールバックの通知方法を設定します。
何も設定しない場合のデフォルト値はCALLBACK_TYPE_ALL_MATCHESです。

APIレベル

23 (Android 6.0 Marshmallow)

パラメータ

説明
CALLBACK_TYPE_ALL_MATCHES スキャンフィルタにマッチするすべてのスキャン結果を通知します。スキャンフィルタが設定されていない場合は、すべてのスキャン結果が通知されます。
CALLBACK_TYPE_FIRST_MATCH フィルタにマッチした最初のスキャン結果だけを通知します。
CALLBACK_TYPE_MATCH_LOST CALLBACK_TYPE_FIRST_MATCHで通知したスキャン結果が、スキャンで見つけられなくなった時に通知します。

注意事項

Androidの公式ドキュメントに以下に記載があります。

アプリで Bluetooth Low Energy スキャンを実行する場合は、新しいsetCallbackType() メソッドを使って、設定された ScanFilter に一致する広告パケットが最初に見つかったときと、長時間経過した後に見つかったときにコールバックを通知するようにシステムに指定します。このスキャン アプローチでは、以前のプラットフォーム バージョンで提供されていたアプローチよりも電力が効率的に使用されます。

これは、CALLBACK_TYPE_FIRST_MATCH、CALLBACK_TYPE_MATCH_LOSTを使った時に省電力になるという意味かと思います。
Android OSのソースを見るとこの省電力機能はHWレイヤーで行われています。
なので、Android端末がこの動作をHWレベルでサポートしていない場合はBLEスキャンがエラーになります。
サポートしている場合は、その動作はHW依存なのでAndroidの機種によってはスキャン結果が通知されたりされなかったりする可能性があります。

Nexus 5XでCALLBACK_TYPE_FIRST_MATCHを試してみましたが、スキャン結果は2件通知されることがありました。必ず1件通知されるわけではなさそうです。
(2018/10/11 追記)
Galaxy S8(Android 8.0)でCALLBACK_TYPE_FIRST_MATCHを試したところ、必ず1件通知されました。やはり、機種によって動作に違いがあるようです。

(2018/10/12 追記)
Galaxy S8(Android 8.0)でCALLBACK_TYPE_FIRST_MATCHを試したところ
BLEスキャンがエラー(SCAN_FAILED_OUT_OF_HARDWARE_RESOURCES)になることがありました。

setLegacy(boolean legacy)

概要

Bluetooth 4.2以前のAdvertiseだけをスキャン結果として通知するかどうかを設定します。
Bluetooth 5のAdvertiseをスキャンしたい場合にfalseにする必要があります。
デフォルト値はtrueなので、Bluetooth 4.2以前のAdvertiseしか考慮しないのであれば
何も設定する必要はありません。

APIレベル

26 (Android 8.0 Oreo)

setMatchMode(int matchMode)

概要

BLEスキャンフィルタのマッチモードを設定します(ハードウェアマッチ)。
デフォルト値はMATCH_MODE_AGGRESSIVEです。

APIレベル

23 (Android 6.0 Marshmallow)

パラメータ

説明
MATCH_MODE_AGGRESSIVE Bluetoothの電波が微弱でも検知すればスキャン結果として通知します。
MATCH_MODE_STICKY 電波強度が一定以上(HW依存)のスキャン結果だけを通知します。

注意事項

MATCH_MODE_STICKYは電波がしっかりと捉えられたAdvertiseだけをスキャン結果として通知しますが、その判定はハードウェアに依存します。
機種依存を避けたい場合、何も設定せずにデフォルト値のままにしておくのが良さそうです。

setNumOfMatches(int numOfMatches)

概要

フィルタにマッチした時にスキャン結果として通知する数を設定します(ハードウェアマッチ)
スキャン結果をもらう時に1個だけとか、2、3個あれば十分といった時に使用するものと思われます。
何も設定しない時のデフォルト値はMATCH_NUM_MAX_ADVERTISEMENTです。

APIレベル

23 (Android 6.0 Marshmallow)

パラメータ

説明
MATCH_NUM_ONE_ADVERTISEMENT スキャンフィルタにマッチした1件のスキャン結果を通知します。
MATCH_NUM_FEW_ADVERTISEMENT スキャンフィルタにマッチした数件のスキャン結果を通知します。件数はHWに依存します。
MATCH_NUM_MAX_ADVERTISEMENT ハードウェアリソースの許す限り多くのスキャン結果を通知します。

注意事項

setCallbackType()と似ている設定です。どのように使い分けるのか不明です。
ハードウェア依存する設定なので機種依存を避けたいのであれば設定を変えないほうが良さそうです。

setPhy(int phy)

概要

BLEスキャンで使用する物理層(PHY)を設定します。
Bluetooth 5仕様のBLEスキャンを使いたい時に設定します。
何も設定しない時のデフォルト値はPHY_LE_ALL_SUPPORTED。

PHYは以下の図の緑色の枠の部分です。
mm170914_bluetooth3.jpg

APIレベル

26 (Android 8.0 Oreo)

パラメータ

説明
BluetoothDevice.PHY_LE_1M Bluetooth 4.0から使われているPHYです。
BluetoothDevice.PHY_LE_CODED Bluetooth 5で追加されたPHYです。Bluetooth 4に比べて、距離が約4倍になります。
ScanSettings.PHY_LE_ALL_SUPPORTED 全てのPHYを使ってBLEスキャンをします。

setReportDelay(long reportDelayMillis)

概要

BLEスキャン結果が通知されるまでの待ち時間を設定します。
何も設定しない場合の初期値は0です。0の場合、スキャンはすぐに通知されます。
ディレイを設定した場合、設定した時間が経過した後か内部バッファがいっぱいになった時にスキャン結果が通知されます。

APIレベル

26 (Android 8.0 Oreo)

setScanMode(int scanMode)

概要

BLEスキャンモードを設定します。
何も設定しない場合のデフォルト値はSCAN_MODE_LOW_POWERです。

APIレベル

21 (Android 5.0 Lollipop)

パラメータ

説明
SCAN_MODE_LOW_POWER 0.5秒スキャン→4.5秒待つを繰り返します。
SCAN_MODE_BALANCED 2秒スキャン→3秒待つを繰り返します。
SCAN_MODE_LOW_LATENCY ずっとスキャンします。
SCAN_MODE_OPPORTUNISTIC 特別なモードです。他のアプリがBLEスキャンを実行するとスキャン結果が通知されます。

動作イメージ

ble_scan.png

スキャン結果をなるべく早く通知して欲しい場合はSCAN_MODE_LOW_LATENCYを使いますが
バッテリーの消費量が多いので要注意です。
ペリフェラル側の仕様にもよりますが、SCAN_MODE_LOW_POWERでも5秒以内には検出できるのでなるべくバッテリー消費量の少ないモードを選択したほうが良いと思います。

参考

26
20
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
26
20

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?