スマートフォンで操作できる錠を自作するにあたり、最も重要なパーツとなるサーボモータの選定について学習したことをまとめておきます。
サーボモータ選定の3大ポイント
モータを選ぶ際の重要な指標は以下の3点です:
- トルク(回転力)
- 動作速度
- 動作角度
トルクについて詳しく解説
単位の理解
トルクの単位には主に「kgf・cm」(キログラムフォース・センチメートル)と「N・m」(ニュートン・メートル)が使われます。
例えば、1.5kgf・cmのトルクは、モータの回転軸から1cm離れた位置で1.5kgの重さに相当する力を発生できることを意味します。
重要な用語の整理
- kgf(キログラム力): 1kgの質量に地球の重力加速度(約9.807 m/s²)が作用したときに生じる力
- kg(キログラム): 純粋な質量の単位
- ストールトルク: モータが完全に停止した状態での最大トルク(カタログ値)
- 定格トルク: 継続的に使用可能なトルク(一般的にストールトルクの約40%)
動作速度の理解
サーボモータの動作速度は、60度回転するのに要する時間(秒)で表現されます。これは「秒/60°」という形式で記載されることが一般的です。
動作角度の重要性
動作角度はサーボモータの最大回転範囲を示します。用途に応じて必要な角度が変わってくるため、余裕を持った選定が重要です。
実際に購入したサーボモータのスペック分析
主要スペック
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ストールトルク:
- 4.8V時: 2.0±0.20kg・cm
- 6.0V時: 2.2±0.20kg・cm
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動作速度(無負荷時):
- 4.8V時: 0.09±0.01秒/60°
- 6.0V時: 0.08±0.01秒/60°
- 動作角度: 200°±1°
スペック評価
- トルク面: 定格トルクは約0.8kg・cm(ストールトルクの40%)となり、鍵の操作に十分な力を確保
- 速度面: 90度の回転に約0.15秒という高速性能。実用上は問題なし
- 角度面: 目標の180°を上回る200°の動作範囲を確保
まとめ
選定したサーボモータは、スマートロックの要件を十分に満たすスペックを持っています。特に動作角度に余裕があるため、様々な鍵のタイプに対応できる柔軟性を確保できました。