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Location Tech Advent Calendar 2021 by LBMA Japan 🛰Advent Calendar 2021

Day 1

超基礎:Python Firebase Admin SDKによる位置情報データの取り扱い データの登録編

Last updated at Posted at 2021-11-30

Location Tech Advent Calendar 2021 by LBMA Japan 🛰 Advent Calendar 2021の1日目ということで、Firestoreのデータベースに位置情報データを投入するというごく基本的な記事を書いていきます!

対象

Firebase Firestoreを使い始めた人
位置情報データを扱いたい人

背景

Firebase Firestoreは、JSONのようなスキーマでデータを出し入れできるGoolge Cloud Platformのデータベースで、極めて高速・柔軟にデータの処理ができます。

一方で、制約条件も多くあります。例えば、Firestoreに登録されたデータを2つ以上のフィールドを用いて検索することは基本的にはできません。SQLでいうと、「Where句で2つ以上のフィールドを使った条件分が書けない」というようなイメージです。このようなリレーショナル・データベースだとあまり考えられないような制約条件が、Firebaseには他にもいくつかあります。

こうした制約条件は一見厳しいように見えますが、通常の場合、クライアント側で解決が可能です。例えば、「1つのフィールドしか検索できない」という制約条件については、「1つのフィールドで検索して、結果をクライアント側に持ってきて、クライアント側でより細かく絞る」ということが可能なので、大きな問題にはなりません。

しかし、位置情報データを取り扱う場合には、大きな問題が生じます。というのは、緯度と経度で定義される「位置情報」は、「緯度だけ」や「経度だけ」のように、片方だけで利用するケースがほぼ無いからです。仮に緯度だけで絞ったとしても、ものすごくたくさんのデータがヒットしてしまい、たいてい、クライアントでの処理が大変遅くなってしまいます。つまり、Firebaseで緯度と経度を

スクリーンショット 2021-11-30 12.50.18.png

というように登録してしまうと、パフォーマンス上色々問題が出てしまいます。

そこで、FirestoreではGeoPoint型と呼ばれる型を導入することで、この問題に対処しています。これは、緯度と経度が一緒になったフィールドです。 緯度と経度を同時に持つので、GeoPoint型で検索すれば、Firestoreの「1つのフィールドでしか検索できない」制限をクリアすることができるように思えます。

しかし、ここでも1つ問題があります。それは、FirestoreではGeoPoint型を直接指定してクエリを打つことができないという問題です。例えば、「このGeoPoint型のデータの半径50m以内のドキュメントをもってきてください」というようなことが、現状のFirestoreではできません。そのため、ちょっとした工夫が必要になります。

こうした点を背景に、以下では、Python Firebase Admin SDKを用いた位置情報データの登録方法について解説していきます。検索方法については次の記事にて。

位置情報データの登録

バージョン情報

本記事では以下のバージョンで実施しています。

[tool.poetry.dependencies]
python = "^3.9"
firebase-admin = "^5.0.3"
google-cloud = "^0.34.0"

型やクライアントの準備

主として利用するのはFirebase Admin SDKですが、型ヒント(type-hint)を使うために、google-cloud側のfirestoreライブラリも利用します。

from firebase_admin import initialize_app, firestore
from google.cloud.firestore import AsyncDocumentReference, AsyncCollectionReference, GeoPoint

initialize_app(options={"projectId":"Your_GCP_PROJECT_ID"})
db_client = firestore.AsyncClient()

コレクションの定義

コレクションへのリファレンスを定義します。ここではlocationsというリファレンスを作ります。

locations_ref: AsyncCollectionReference = db_client.collection('locations')

これで準備は終了です。

位置情報データの追加

最後の位置情報データを追加する処理について書きます。locationsコレクションにgeopointというフィールドを持つドキュメントを追加していきます。

# GeoPoint型のデータをもつdataを定義
data = {"geopoint": GeoPoint(38.1233, 139.7548968)}
# 追加
result_doc_ref: AsyncDocumentReference
_,result_doc_ref =  await locations_ref.add(data)

print(result_doc_ref.to_dict()['geopoint'].latitude)
# >> 35.7018944

格納した結果(値は異なっていますが)

スクリーンショット 2021-11-30 12.58.29.png

上記の手順により、Firestoreに追加することはできました。しかし、背景で説明したとおり、FirebaseにはGeoPointで検索をする機能がありません。そこで、実用的に使うためには、もうひと工夫が必要です。こうした検索の工夫については、次の記事で書きますね。

参考

firestore client 公式ドキュメント
https://googleapis.dev/python/firestore/latest/client.html

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