#1.概要
2021年4月のバージョンアップで、iRICソフトウェアで河川定期縦横断データ作成ガイドラインで指定されている横断測量データを直接インポートできるようになりました。
国土交通省は、横断測量成果のデータ・フォーマット等を「河川定期縦横断データ作成ガイドライン」の中で指定しています。このガイドラインが発行されたのは平成20年5月なのでそれ以降の横断測量成果は、このガイドラインに指定されたフォーマットで納品されているはずです(サンプル)。
これまでiRICソフトウェアはiRIC独自に設定した横断測量フォーマット(*.riv)のデータのみ、読み込み可能でした(サンプル)。そのため、ユーザーは、rivフォーマットの横断測量データを作成する必要がありましたが、その必要がなくなりました。
※なお、平成20年以前のデータについては、各河川、年代でフォーマットが微妙に異なっており、統一されたものはありません。
#2.準備するデータ
以下2種類のデータを準備します。
(1)横断測量成果(*.csv)
「河川定期縦横断データ作成ガイドライン」の中で指定されているフォーマット(csv)で整理された、横断測量成果データ。1断面1csvファイルとなっているはずです。
(2)左右岸 測量基準点(csv形式として)
「河川定期縦横断データ作成ガイドライン」の中には、横断測量成果のデータ・フォーマットについては指定されているのですが、なぜか測量基準点データの形式が指定されていません。そのため、各河川管理者が独自フォーマットで測量基準点のデータを管理しています。
そのため、iRIC独自に左右岸測量基準点のデータ・フォーマットを定めました。定めたといっても非常に単純なデータです。各河川管理者が利用しているフォーマットの多くも類似した形式になっていると推測します。サンプルデータを取得し確認してください。
※不要なコンマ(,)は入っている行、列は削除してください。
参考
2021年9月現在、横断測量成果のデータはオープンデータになっていません。データは各河川の管理事務所等で管理されています。業務で必要な場合は貸与されると思いますが、一般的には「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」(情報公開法)に基づき、開示請求手続きを行いデータを提供してもらう流れになります。詳しくは国土交通省のホームページをご確認ください。
「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」(情報公開法)は、行政機関の保有する全ての行政文書を対象として、誰でもその開示を請求することができる権利を定めています。この開示請求権を手段として、政府が国民に対して持つアカウンタビリティ(説明責務)を全うすることと、行政の在り方を最終的に決定するのは国民であることを明確にして、民主的な行政の推進に資することを目的にしています。
~ 国土交通省 情報公開制度の概要より抜粋 ~
#3.データ読み込み手順
横断測量データを読み込む
[オブジェクトブラウザ>地理情報>地形を右クリックし、[インポート>横断測量データ]をクリック。
ファイル指定
左右岸の測量基準点データのファイルを指定する。ファイルはサンプルデータと同じフォーマットで準備する。
横断測量データ格納フォルダを指定
「河川定期縦横断データ作成ガイドライン」で指定されるフォーマットの横断測量データが格納されているフォルダを指定する(サンプル)。
エラー・警告メッセージ表示
読み込み時にデータ状態が確認され、以下のエラーまたは警告メッセージが表示される。
警告メッセージが表示される状態 | エラー or 警告 | メッセージ表示後の動作 |
---|---|---|
左右岸測量基準点データで指定されたKP(断面)に対応する横断測量データが存在しない場合 | エラー | 読み込み停止 |
左右岸測量基準点データで指定されていないKP(断面)の横断測量データが存在する場合 | 警告 | 読み込み停止 |
横断測量データに左岸から同じ距離の標高データが複数存在する場合 | 警告 | 左岸から距離が重複しないよう1mmずつ移動させてすべてのデータを読み込み |
横断測量データが左岸からの距離順に並んでいない場合 | 警告 | 自動ソートして読み込み |
読み込みオプション
読み込みオプションとして、「河川中心点の定義位置」と「横断線の並び順」を指定できる。
河川中心点の定義位置
通常、「左岸と右岸の中点」を指定する。CSVで指定することもできる。フォーマットはここを参照。
###横断線の並び順
通常、「下流側から上流側」に並んでいる。
このインターフェイスは、iRIC独自の横断測量データ・フォーマット(riv形式)のファイルを読み込む場合にのみ利用されるオプションです。そのため、ここでは無効になっています。
読み込み完了
正しく読み込みが完了すると、以下のようにデータが表示される。