近年、ITエンジニアのフリーランス転向が増えており、多くのエンジニアが独立して働く選択肢を選んでいます。しかし、その背景には現状とリスクが存在します。本記事では、フリーランスとして働くITエンジニアが抱える現状やリスクについて解説します。
現在のフリーランスエンジニア市場は?
まず現状についてですが、ITエンジニア需要は非常に高く、フリーランスとして働くエンジニアは案件の獲得が容易であることが挙げられます。また、企業側から見ても、ITエンジニアの不足を補うために、フリーランスエンジニアと契約することが増えています。さらに、コロナ禍により在宅勤務が一般化したことで、フリーランスエンジニアに対する受け入れも進んでいます。 しかし、リスクも存在しています。以下に主なリスクを挙げます。
1)安定した収入が得られない可能性
フリーランスエンジニアは収入が安定しないことがあります。案件が続かなかったり、競合他社との価格競争が激しくなると、収入に影響が出ることがあります。案件がないと収入がゼロになります。もちろん残業代も出ません。
2)自己負担が増える
フリーランスエンジニアは、社会保険や確定申告などの手続きを自分で行う必要があります。また、税金や手続きの負担も増えることがあります。(これが意外と多い…)健康診断も全て自分で受けることになりますよ!
3)働く環境が整わない
在宅勤務が主となるフリーランスエンジニアは、自身で働く環境を整える必要があります。自宅で集中できない場合や、適切な設備が揃っていない場合、効率的に働けないことがあります。また、大手企業の案件ではセキュリティ対策が必須であるため、設備や業務環境の制約が求められます。また最近ではフルリモート案件はコロナ当時の半分以下に減っています。2~3年後には30%以下に減少すると言われています。
3)スキルの維持・向上が難しい
フリーランスエンジニアは、自己研鑽が求められます。業務に追われるうちにスキルの維持や向上が疎かになり、市場価値が下がることがあります。
フリーランスエンジニアは自己スキルが唯一の稼ぐ手段であり、生活していくための生命線です。スキルが向上しないと単価も上がりません。
4)フリーランスエンジニアが飽和状態
ここ最近のフリーランスブームは活況を帯びています。ここで注意喚起ですがフリーランスエンジニアを煽るSNSやネット広告は鵜呑みにしないで下さい。未経験や経験の浅いエンジニアが高単価案件を獲得するのはまず無理です。供給過多(飽和状態)でスキルがないと案件すら獲得が困難な状態になります。よく言う「フリーランスエンジニアはやめとけ」状態です。
5)社会的信用度が低い
一部のクレジットカードや自動車ローン、住宅ローンなどの審査が通らないケースがあります。結婚して家族ができてフリーランスを続けられますか?
6)50歳を超えると急激に案件が少なくなる
残念ながらプロ野球選手やサッカー選手のように、ITエンジニアの賞味期限はあります。50歳を超えると案件がなくなるため収入が厳しくなり、その分転職もしにくくなるためニッチモサッチもいかなくなります。
7)トラブルによる損害賠償は個人で責任を負う
案件や顧客とのトラブルなどで損害賠償が発生した場合、個人責任となり、誰も守ってくれないので人生に詰みます。例えば、個人のPCがセキュリティの脆弱性を突かれ、案件情報や個人情報はおろか、プロジェクトの機密情報など流出したケースや、客先や案件に損害を与えてしまうトラブルが生じた場合は損害賠償を免れることはできません。
8)休んだら収入減額と場合によっては契約解除
休んだら収入減額になります。多くは140-180hの契約となっていると思います。インフルエンザやコロナウイルスに感染した場合は少なくとも最低3日間(24h)のロスになります。体調不良による休みが度々続く場合は最悪のケースとして契約解除になります。
以上がITエンジニアのフリーランス転向の現状とリスクです。フリーランスエンジニアとして働くことにはメリットもありますが、今回はあえて厳しい現実をご紹介しました。独立を検討する際は、リスクを十分に考慮した上で判断することが重要です。でもあえて言います。「フリーランスエンジニアはやめとけ」
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