#Recovery Servicesコンテナのリソース移動対応の概要
##はじめに
2019年4月16日、Azure Backupの保存領域となるRecovery Servicesコンテナーのリソース移動機能がGAされました。
Announcing Azure Backup support to move Recovery Services vaults across subscriptions and resource groups
Azureリソース管理に関連する機能なので技術的な機能更新ではありませんが、せっかくなので紹介します。
##Azure Resource Move
多少話がそれますが、現在のAzure ARM環境では、リソースグループにネットワークや仮想マシン、ネットワークインターフェースなど個々のリソースを格納し管理しています。その中で、リソースを別のリソースグループやサブスクリプションへ移動する機能があり、それがAzure Resource Moveと呼ばれています。
新しいリソース グループまたはサブスクリプションへのリソースの移動
このResource Move、移動できるサービスや構成に制限が多々あり、Recovery Servicesコンテナーは移動不可のサービスだったのかと思います。(リソース移動を使う機会がないため把握しておらず。。。)
##利点
話を戻して、タイトルのとおりなのですが、Recovery Servicesコンテナーのサブスクリプション/リソースグループ間移動がGAとアナウンスされました。
Microsoft社がこの機能による利点として挙げているのは以下です。
〇Key Benefits
1.柔軟に移動可能
古いサブスクリプションの失効、EA契約からCSP契約への移行、組織的な変更、本番/検証環境の分離に役立ちます。
2.コンテナー内のバックアップデータには影響なし
すべての設定やポリシー、バックアップデータは維持されます。
3.旧サブスクリプションVMのリストアが可能
コンテナー移動後も、バックアップ対象のVMを一緒に移動しているかどうかによらず、バックアップからのVMリストアが可能です。
そもそも移動の機会がないので、如何とも言い難いところはありますが。。。
##方法
ポータルから2~3クリックなので非常に簡単です。
1.折り畳みを展開
3.コンテナー以外の移動対象があればチェックを入れ、移動先のサブスクリプション/リソースグループを指定すればOK
※最後のチェックは、移動完了まで対象リソースの操作ができなくなるため、その確認です。
##注意
注意点としては、やはり制限事項でしょうか。
以下のサイトを確認すると、Azure FilesやFile Sync、VM内のSQL Server DBをバックアップしているコンテナーの移動はサポートされていないようです。
Azure Site Recovery用コンテナーの移動は「まだ」できないという書き方なので、今後可能となるかもしれません。
Move a Recovery Services vault across Azure Subscriptions and Resource Groups
##終わりに
コンテナーの移動がGAされたため紹介しましたが、リソース移動自体をしたことがない、もしくは機能の存在を知らない方も少なからずいるのではないでしょうか。
1つのサブスクリプション/リソースグループに環境が混在していれば使用できますが、日本では初めから明確に分類する方が多いように思うため、使用機会はあまりないかもしれません。(私も顧客環境で実施したことはありません。。。)
とはいえ、Microsoft社が述べるようEAからCSPへの契約変更時など、何かしらで役に立つこともあるかもしれないので、記憶に留めておいて損はないかもしれませんね。