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IoTの基礎:IoTの意味、実用例、構成要素

Last updated at Posted at 2018-03-30

IoTとは

IoTとは「Internet of Things」の略で、自動車や家電製品、ウェアラブルデバイスなど、ありとあらゆるモノをインターネットにつなぐ技術です。日本語では「モノのインターネット」と訳します。モノをつないで様々なデータを収集、分析し、状態を最適化しようとするものです。

IoTのおおまかな流れは以下のようになります。

  1. センサでデータを収集する
  2. 収集したデータをクラウドにアップロードする
  3. 人工知能を用いて収集データを分析する
  4. モノがアクチュエートする

センサはすでにご存知だと思いますが、色々な情報を集める装置です、これを用いてモノに関するありとあらゆる情報を収集します。

クラウドはインターネット経由でソフトウェア、サーバーなどのサービスを利用する形態を指します。IoTでは、膨大な量のデータが得られるので、これらのデータを効率よく利用するためにクラウドが必要なのです。

続いてこれらのデータを分析するのですが、必要があれば人工知能を用います。ここで、人工知能とは何を指しているのでしょうか。本来、何を人工知能とするかというのは難しい問題なのですが、ここでは、「人間が知能を使って行うことをコンピュータに模倣させようとする技術」程度に理解しておけば良いでしょう。人工知能は膨大なデータからパターン・ルールを見つけ出すことを得意としているので収集データを分析するのによく利用されます。

最後に、分析したデータを元にモノを最適に動かす必要があります。この「モノを動かす」ことをアクチュエートといいます。

IoT_image.png

IoTの実用例

様々なモノがインターネットにつながることでどのような価値が生み出されるのでしょうか。IoTが各分野でどのように利用されているか、もしくは、されようとしているか見ていきます。

IoT × 自動車

現在の自動車には様々なセンサが搭載されています。今の自動車でも車間距離を測定し、衝突しそうになると警告してくれるものもあります。これをさらに進化させ、あらかじめ収集した障害物のデータを元に衝突を未然に防いだり、リアルタイムに走行データをクラウドに収集し、安全に、省エネに車を制御したりすることができるようになるかもしれません。

IoT × 家

現在の家の中にも、人をセンサで検知して自動で点灯や消灯する電灯や、時間を設定しなくてもセンサで温度を測定し、程よい温度まで温めてくれる電子レンジなど自動で様々なことをやってくれる賢いモノは増えてきています。しかし、これらのモノはネットワークに接続されて相互に効率化を図っているわけではありません。家とIoTを結びつけると、例えば、自分がどこにいるかを把握しており、自分が家に近づくと空調を最適に調整してくれていたり、自分が見たいテレビを自動で推測してつけてくれいていたり、さらには、冷蔵庫が冷蔵庫内の食品を自動で識別し、必要性の高さそうな食品を自動でECを通じて購入してくれていたりというようなことも可能かもしれません。

IoT × 医療

IoTと医療、また、IoTとヘルスケアについて、今後どのような可能性が広がっているのかみていきます。まず、医療についてですが、病院に行く前の初期診断を家でできるサービスがあります。聴診器や体温計をスマートフォンと連携して発熱、咳、喘息などの初期症状を家で診断することができます。さらに、ヘルスケアの分野では、着用型ウェアラブルデバイスを用いて自分の健康状態を記録・管理し生活習慣の改善に役立てることができます。

IoTの構成要素

最後に、IoTを構成する要素として重要なセンサクラウドについて少し詳しく見ておきましょう。

センサ

センサは、温度・圧力・音などの様々な情報を収集する装置です。温度センサや加速度センサなどももちろんセンサですが、車のレーダーやマイク、カメラなども立派なセンサです。

変位センサ

変位センサには以下のようなものがあります。

センサ 説明
光学式変位センサ LEDやレーザーを用いた三角測距を利用したセンサ
リニア近接センサ コイルのインダクタンス変化を利用したセンサ
超音波変位センサ 投射した超音波が被測定物で反射して戻ってくるまでの反射時間で測距するセンサ
接触式変位センサ 差動トランスやダイヤルゲージを利用し直接接触することで測距するセンサ

加速度センサ

最も単純には、加速度センサは重り付きのバネを考え、バネの移動距離を計測することで加速度を得ることができます。特に、IoTでよく用いられる小型の加速度センサはMEMS技術を用いて作られます。MEMS型加速度センサは以下のようなものがあります。

  • 静電容量検出方式
  • ピエゾ抵抗方式

静電容量検出方式は、静電容量の変化を、ピエゾ抵抗方式は電圧の変化を検知し加速度を計ります。

ちなみに、MEMSとは「Micro Electro Mechanical System」の略で、機械要素部品、センサ、アクチュエータ、電子回路を一つのシリコン基板、ガラス基板、有機材料などの上に集積化したデバイスのことです。ざっくりいうと、「すごく小さな機械」です。

回転速度センサ

回転速度センサには主に以下のようなものがあります。

  • タコジェネレータ
  • ロータリー・エンコーダ

タコジェネレータは、フレミングの右手の法則を原理とする直流発電機であり、回転速度に比例した電圧を出力します。ロータリー・エンコーダは発光ダイオードで光をスリット円盤に照射し、フォトトランジスタで受光します。この受光パターンにより回転速度を検出します。

角速度センサ

いわゆる「ジャイロセンサ」で、物体の回転を検出します。振動する物体に加わるコリオリの力から角速度を検出します。コリオリの力は、

f = 2m\omega v

となります。

温度センサ

温度センサには、主に以下のようなものがあります。

  • 測温抵抗体
  • サーミスタ
  • 熱電対

測温抵抗体サーミスタは、金属の電気抵抗が温度によって変化することを利用したセンサです。サーミスタは高感度ですが、温度範囲が狭く、測温抵抗体は感度は低いですが、温度範囲が広いといった特徴があります。熱電対は、2種類の金属を接続し閉回路を作ると、両端の温度差に応じて電流が流れることを利用したセンサです。

光センサ

光センサは、物質に光を当てたとき、電子の変化が起こる「光電効果」を利用しています。光電効果には、光を当てたときの電子の挙動により2種類に分けられ、電子が物質の表面から放出される現象を「外部光電効果」といい、物質内部の伝導電子が増加する現象を「内部光電効果」といいます。光センサは、光電効果の種類によって以下のように分類されます。

  • 外部光電効果
    • 光電管
    • 光電子倍増管
  • 内部光電効果
    • 光起電力形
      • フォトダイオード
        • CCDイメージセンサ
        • CMOSイメージセンサ
      • フォトトランジスタ
    • 光導電形
      • フォトレジスタ
        • CdSセル
        • PbSセル

クラウド

クラウド「クラウドコンピューティング」の略で、インターネット経由でソフトウェア、サーバーなどのサービスを利用する形態を指します。クラウドは、どういうサービスを利用するかによって以下の3種類に分類することができます。

  • IaaS
  • PaaS
  • SaaS

IaaS(Infrastructure as a Service)

IaaS「Infrastructure as a Service」の略で、サーバーやストレージなどのインフラを提供するクラウドサービスです。実際のサービスでは、Amazon Elastic Compute Cloudがこれにあたります。アプリをかなり自由に開発できる一方、開発や管理には専門的なスキルが必要です。

PaaS(Platform as a Service)

PaaS「Platform as a Service」の略で、ハードウェアやOSなどの開発環境を提供するクラウドサービスです。実際のサービスでは、Microsoft Azureがこれにあたります。サーバ、OS、データベースやミドルウェアなど必要な環境がすでに揃っているので、プログラムを作ることに集中できる一方、環境を自由に選択することは難しいです。

SaaS(Software as a Service)

SaaS「Software as a Service」の略で、ソフトウェアを提供するクラウドサービスです。実際のサービスでは、Google Appsがこれにあたります。サーバーやプログラムの知識がなくても使えますが、すでに用意してあるサービスなので、自由度は低いという欠点があります。

各クラウドサービスが提供するものをまとめると、下のようになります。

IaaS PaaS SaaS
アプリケーション
ミドルウェア
OS
ハードウェア
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