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ブロックチェーン基礎の基礎:ブロックチェーンのイメージを理解する

Last updated at Posted at 2018-03-09

#ブロックチェーンとビットコインの関係

はじめに、ブロックチェーンとビットコインにはどういう関係があるのか説明します。

一言でいうと、**「ブロックチェーンの1つの応用例がビットコインである」**ということになります。ビットコイン以外にも、金融をはじめとして、サプライチェーン、医療、著作権管理など様々な分野でブロックチェーンの技術が使われていたり、使われようとしていたりします。

したがって、ビットコインの仕組みを理解するだけで、ブロックチェーン全体を理解することにはならないのですが、まずは、イメージがしやすいビットコインでブロックチェーンの基礎を理解し、必要性に応じて個々のブロックチェーン技術の応用例を理解していけば良いのではないでしょうか。

#ブロックチェーンのイメージ

ブロックチェーンは下図のようにブロックが鎖のように繋がった構造になっています。
後に繋がったブロックほど新しく、前のブロックほど古いブロックになります。

blockchain_image.png

トランザクションとは、ビットコインの場合**「取引履歴」**になります。
「AさんからBさんへ○BTC支払われました」というような内容が記録されています。

このように、ブロックチェーンは取引の内容が含まれたブロックが鎖状に次々と繋がっていく構造になっているのです。

ナンス値、ハッシュ値については次のブロック生成の節で説明します。

#新しいブロックの生成
では、この取引内容を入れていくブロックはどのように生成されるのでしょうか。無条件にブロックを生成するというわけにはいかないので、特定の条件を満たすハッシュ値を持つブロックのみを正しいブロックであるとみなすようになっているのです。この条件というのが、ビットコインの場合、**「ハッシュ値の先頭に、一定の数以上の0が並んでいる」**というものなのです。

ここで、前節にでてきたナンス値とハッシュ値の関係について説明します。ハッシュ値はナンス値からハッシュ関数というものを使って求めることができます。しかし、ハッシュ関数の性質により、このハッシュ値からナンス値を求めることは極めて難しいものとなっています。したがって、ブロックを生成するために必要な条件を満たしたハッシュ値を探すためには、ナンス値を変えていって総当りで探すしか方法がないのです。

この、条件に合ったナンス値を探す行為を**「マイニング」と呼び、ブロック生成に一定の条件を与えるこのような仕組みのことを「PoW(Proof of Work)」**と呼びます。

#ブロックチェーンの全体像
ブロックチェーンは**「分散型台帳」**とも呼ばれ、下図のように各ノードが同一のブロックチェーンを保持する構造になっています。ここで、ノードとは個々のコンピュータだと思ってもらって構いません。

この構造の特徴は、既存の金融機関のように特定の組織が集中的に情報を管理するわけではなく、ネットワークの参加者全員で管理しているということです。また、個々のノードが直接相互の情報をやり取りすることができるという点もポイントです。

#ブロックチェーンのメリット
前節のブロックチェーンの構造を踏まえると、ブロックチェーンの主なメリットは以下のようなものになります。

  • データの改ざんが困難である
  • P2Pでのやり取りが可能である
  • すべての取引を全ノードが確認できる

一つ目の**「データの改ざんや複製が困難」**というのは、ブロックチェーンのとあるブロックを改ざんするためには、それ以降のすべてのブロックの内容を改竄する必要があることからきています。トランザクションが格納されたブロックは、前ブロックのハッシュ値を持ってチェーン状につながっています。そのため、あるブロックを改ざんすると、後続のすべてのブロックのハッシュ値を再計算する必要があり、改ざんが困難になっているのです。

二つ目の**「P2Pでのやり取りが可能」というのは、現行のシステムと異なり、仲介者を経由せずにカネ、モノをやり取りできるので、仲介手数料がかからないということになります。また、これまで中央集権的に管理するのに必要であった人件費や設備費などのコストも不要であるということになります。ちなみにP2P**とはPeer to Peerの略で、個々が対等の立場で通信ができる通信方式を指します。

三つ目の**「すべての取引を全ノードが確認できる」**というのは、一部のノードがダウンしても、他のノードが情報を持っているため、全体が影響を受けることは少なく、障害に強くなるということです。さらに、サプライチェーンなどの取引の透明性が重要になってくる様々な分野にも応用できるということになります。

#ブロックチェーンの将来

ブロックチェーンの技術はビットコインをはじめとする仮想通貨だけでなく、個人間取引から公的サービスまで様々な用途に応用されています。また、それぞれが固有の課題を抱えている状況でもあります。これからのブロックチェーンがこれらの問題をどのように解決していき、進化を遂げるのかとても興味深いものがあります。

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