本記事は Japan AWS Top Engineers Advent Calendar 2024 シリーズ 1 の18日目の記事です。
こんにちは。
私は普段 AWS Direct Connect や Transit Gateway などのネットワーク関連のサービスを中心に触っているので今年の re:Invent で発表されたネットワークの新サービスについて書こうと思ったのですが、すでにいろんな人が投稿されているので違うネタにしてみます。(ちなみに re:Invent 中は日本でお留守番してました)
実は先月AWS CN-UG(China User Group)のイベント Amarathon のプレイベントにて登壇する機会をいただいたので、今回はそちらのイベントの参加レポートの記事にしようと思います。
Amarathon とは?
Amarathon は AWS CN-UG(China User Group)が主催する12時間のオンラインイベントで、世界中のAWS HERO、AWS Community Builder やその他AWSタイトルホルダー、AWS社員の方が交代でAWSに関するトピックについて発表を行うイベントです。メインイベントではリアルタイム翻訳がついていて、イベントのテーマにも「No Border」とあるように、発表者も視聴者も国境を超えて参加できるイベントになっています。
▼ Amarathon イベント案内ページ
日本でも2021年・2024年にJAWS-UG(AWS User Group – Japan)主催で24時間イベント JAWS PANKRATION が開催されており、こちらのイベントのCN-UG版といった方がJAWS-UGの方には伝わりやすいかもしれません。
私は今年の6月に 2024 Japan AWS Top Engineers に選出していただき初めて JAWS PANKRATION の存在を知ったのですが、最初は様子見みたいなところもあり PANKRATION 2024 は一視聴者として参加していました。(今思えば通らなくても良いのでエントリーするだけしてみれば良かったとも思いますが・・・)
せっかく登壇資格を得たので次に同じような機会があれば何かチャレンジしてみようかなーと考えていたところに、AWS CN-UG Amarathon の案内が来たので初の社外での登壇でしたが思い切ってエントリーしてみました。
CfPからプレイベントでの発表にいたるまで
Amarathon の登壇も全体で12時間、1枠20分(セッション15分+交代5分)なので登壇者は合計36名分と枠が限られています。CfP(Call for Proposals)の募集が出ており、登壇希望者は事前にセッションサマリーを提出して、CN-UG の運営メンバーによる選考に通ればメインイベント登壇することができます。セッションサマリーの提出は英語なので、ChatGPTの助けを借りながら何とか書き上げて提出しました。
CfPの締切から1週間ほど経って運営メンバーから連絡が来ました。
結果は・・・・
落選しました!!
36名の枠の中には CN-UG のメンバーの登壇枠も含まれており、また海外枠もいろんな国から登壇者を募っているのでさすがに枠は狭かったようです。というわけで11月23日(土)のメインイベントでの登壇はダメだったのですが、ありがたいことにメインイベント1週間前の11月16日(土)にプレイベントが開催され、その中で5分間のLTの機会をいただけると連絡があったので、急でしたがチャレンジしてみることにしました。
発表した内容
Amarathon プレイベントの登壇資料はこちらです。
私は業務でよく Direct Connect などのネットワーク関連サービスを中心に触っているのですが、ネットワークの長年の課題としてグレー障害があります。(半死障害と呼ばれることもあります。)通信が完全にダウンするのではないのですが、リンクダウンアップを繰り返したり間欠的なパケットロスが発生したりすることで実際にはほとんど通信できないような中途半端な状態のネットワーク障害を指します。完全にダウンすれば勝手に待機系にフェイルオーバーしてくれるのにそうもいかない厄介なヤツです。
Direct Connect 等のハイブリッドネットワークの通信をend-to-endで監視をするサービスとして CloudWatch Network Synthetic Monitor があります。(2024/12/01に CloudWatch Network Monitor から名称が変更になりました)
2023年にこちらのサービスが発表された際にいろいろと検証をしていたこともあり、今回の発表テーマではこちらの CloudWatch Network Synthetic Monitor を使って Direct Connect でのグレー障害を検知し、Lambda や Direct Connect のフェイルオーバー機能と組み合わせることで障害検知から復旧までの処理を自動化してみましょう、という話をしてきました。
セッション内容は本記事のメインテーマではないのでこの程度にしておきます。詳細はスライドをご確認ください。
当日のイベントの様子
私が登壇したプレイベント当日(11月16日)は複数のプラットフォームで配信が行われ、3000人超の視聴者が参加していたとのことでした。
またその翌週11月23日(土)のメインイベントの結果は↓の通りだったそうです・・・!
- 13 Livestreaming Platforms
- 566,886 total views
- 146,787 unique viewers
- 31,833 peak concurrent viewers
- 3,762 interactions, including comments and challenges
- Viewers from 16 countries and regions
中国は人口が多いだけあってAWSコミュニティの規模もすごいですね・・・。
メインイベントのセッションサマリーは Amarathon イベントページ の "Speech Agenda" のところから確認できます。やはり生成AI関連のセッションは多かったですが、それ以外のサービスについても満遍なくいろんなカテゴリーから選ばれているようでした。
また当日の発表時間は限られているので、セッション内容に関するQ&Aは基本的にCN-UGのSlackで行われていました。
余談:CN-UGイベントならではのルール
なんと中国では「AWS」という商標は中国の別のソフトウェア・データサービス企業に属するということで、「AWS」というロゴや略称の利用を中国で使用されていることが禁止されています。今回のイベントで運営から登壇者向けにも事前に案内があり、資料中の全ての「AWS」の記載を「Amazon」に変更したり、AWSコンソールのスクリーンショットからは「AWS」の文言を隠したりしました。(登壇スライドの中でところどころ不自然な表現があるのはそのためでした)
感想
今回私が登壇したのは残念ながらAmarathonのメインイベントではなくプレイベントでのLTでしたが、それでも海外のAWSコミュニティのメンバーとの繋がりができ、チャレンジしてみて良かったと思っています。JAWS PANKRATION のときもそうでしたが、世界中のAWSタイトルホルダーが登壇するイベントということもあり発表内容のレベルも高く、とても良い刺激になりました。(英語ももうちょっと頑張ろうと改めて思いました)
またこのような機会があれば、次は是非メインイベントで登壇できるようにチャレンジしていきたいです!
おまけ(SWAG)
CN-UG Amarathon のスピーカーSWAGはこちらでした。パンダが可愛いですね!
(イベントのロゴ入り帽子、CN-UGのロゴ入りTシャツ・バッグ・ステッカー、パンダのブロックパズル)