概要
MagicPodの画面は、左側にテストステップ記述UI、右側にブラウザという構成で、特に、稼働中のブラウザと、その画面から要素抽出した画面とを、タブで切替えながらテストステップを作成できるという、かつて、Seleniumを使って、Chromeのデベロッパーツールから要素抽出しながらテストコードを書いていた筆者にとっては、すごい時代になったものだと、つくづく思うのですが、それだけでも十分お薦めのMagicPodには、他にも今回紹介したような気に入った機能がいくつかあります。
お気に入り、その1:部分実行
React等が使われている画面の自動テストを、例えばマウス・ホバーで出現するような要素を指定しようとすると、Chromeデベロッパーツールでは、難しいです。ホバー状態で、要素を調べるというのが、まず無理な話で、MagicPodだと部分実行してマウスホバー状態のブラウザからキャプチャして要素取得するということができます。
お気に入り、その2:ブラウザへの再接続で、直近に起動済みのブラウザに接続
テストステップ編集作業をしていると、クラウドで起動中のブラウザ画面から離れてしまうことが多いのですが、再び、編集作業に戻った時、短い中断時間ならば、さっき使っていたブラウザを呼び戻してくれます。再ログインとかしなくても作業継続できて便利です。
お気に入り、その3:テストケースのラベル
動作確認済み / 仕掛かり中 / 要修正 / 非現用
のラベル定義してテストケースに貼っています。特に、スケジュール実行に移す時、どのテストケースなら動作確認済みでスケジュールに入れていいか判るようにしています。
お気に入り、その4:共有ステップにマウスオーバーで、共有ステップの説明が表示される
共有ステップ名から判るように工夫したいところですが、テストステップ編集作業中に、共有ステップの説明がエディタにマウスオーバーすると表示されるのは助かります。
お気に入り、その5:ブラウザのバージョンとWebDriverの更新作業が不要
ローカル環境だと、久しぶりに動かそうとして、まずDriverの更新から着手しないと進まなくて、心が折れそうになったことがありますが、MagicPod社の人たちが、やってくれているのでしょう。
そういうのは、気にしなくてテストに専念できます。
お気に入り、その6:コメントステップ
必要に応じて、テストステップにコメントステップを入れることができます。
可読性を少しでも高めるために、コメント入れるのをお薦めします。
とても簡単に自動テストを構築できてしまう反面、テストステップの可読性が悪いと、維持がつらくなるのを避けたいものです。
お気に入り、その7:クラウド実行なので、ローカルPCは他の作業に使える
SaaSなので、当たり前だし、MagicPodに限ったことではないのですが、ローカル実行だとPCが自動テストに占有されてしまい、issueの確認作業やチームのメンバーから頼まれた仕事をすることができません。
もう1台作業環境を用意することも可能ですが、たまに、Sleepモードに入ってしまい、覚醒させた時点から再実行など、とかく、面倒な世話をする必要もあり、クラウドで自動テストが実行されるのは、とてもありがたいです。
総括
MagicPodでは、今回紹介した機能以外にも、操作のカテゴリーでは、大抵の操作はカバーされていて、検証で使うものも、確認のカテゴリーでカバーされていました。
さらに、MagicPodのgitHubを見てみると、今後の実装予定にも期待したいと思います。
SaaSで自動テストが簡単に利用できる恩恵はテスト担当者にとっては大きいと思います。
その分、テスト担当者は、プロジェクトにおけるテストの本質的な意義や役割について考察し、有効な品質保証活動について、その役目を果たしていけているかが問われていくのだと思います。