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小さな工場ができるIoT、既存設備の利用と少ない購入で見える化を実現する(前編)

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#背景
私が昔勤めていた会社は山奥にある小さな工場でした
その工場でIoT化設備を内製し、直ぐに結果を出して業務改善を図ったときのノウハウを書こうと思います

内容としまして、

1、目標
2、電子回路設計
3、ソフトウェア設計
4、設置とその効果

の4本立てで進みます

本当に直ぐに効果が出るかは保証しませんが、何か一つやってみて動いたものを見ると別のアイディアが浮かぶかもしれません。

特に上の管理職の方は社員が楽ができる方向に考えていただけると幸いです

#1,目標
少ない社員数で沢山の設備を抱え日夜生産している工場を想定します
常に社員が機械に張り付いて確認する回数を減らし、生産数のカウントとアラームを表示するシステムを考えます

図面1-1.png
図1、システム案

生産設備は一定サイクルで吐き出される成形機を想定します
古い成形機や生産設備を使用しており、最新機種のようなネットワーク機能がない機械をIoT化させます。

各機械の生産数とアラームは1台の既存のPCで集計し表示します。
開発ソフトも多くの企業で利用されているExcelのVBAを利用します。

#2,電子回路設計
##2-1,どうやって機械の動きを見るか?
案として二つ方法があります。

1、パトライトにセンサーをつけて状況を確認する
2、機械の出力リレーの接点を入力として確認する

この二つのメリットデメリットを以下の表にまとめます。

メリット デメリット
1案  取付けが簡単、仕組みが単純 パトライトの3色の動き以外はわからない
2案 出力リレーの数だけセンサーをつければ、機械の詳しい状況がわかる 電気配線が煩雑

特に1の場合はすでに製品化して販売されているものがあります。
あくまで私見ですが、1の方法は製品として買うと既に感度が調整済みだったりして直ぐ動きますが、センサーを自作して自分で調整するとなるとかなり時間がかかります。
トリガーとなるリレー1個に配線するのとセンサーの調整時間を考えると配線するほうが早いと私は感じました。

なので今回は2案で進めます。

もちろんですが、これ以外も方法があったりするのでいろんなアイディアでやってみましょう。
##2-2,どうやってそれぞれの機械の情報を集めるか?
大事なことは、接点やセンサーがONやOFFになったらそれを発信することです。

いくつか方法はありますが、ここも方法を二つ提案します。

1、PCを各機械において社内LANなど用いて情報展開する
2、小型の無線ボードを利用して情報展開する

この二つのメリット・デメリットを下記の表にまとめます。

メリット デメリット
1案 既存のネットワークを利用できる PCの用意にコストがかかる、この後のソフト作成が大変
2案 仕組みが単純、部品点数少なくコストが低い 無線が届くように配慮が必要

そもそも機械の台数分PCを用意するのにお金がかかり、その台数の分だけ電気代がかかるため1案はあまり現実的ではないかもしれません。
なので2案を採用します。

使用する無線ボードは秋月電子などで安く手に入るDigi社のxbeeを用います
使用方法などに関してはここでは触れないため、ご了承ください
##2-3,仕様と回路図
機械の取り付ける発信側と画面表示する受信側の2つを用意します

発信側は成形機の24V電源から給電し、機械の出力リレーの接点をフォトカプラを持ちいて取得します。
xbeeのAPI機能を用いて接点がONやOFFに切り替わったときに信号を投げる仕様にします。

受信側はPCとシリアル接続で通信し、受信したデータをPCに送ります。
以下が回路図です。
図面2-1.png
図2、回路図

かなり大雑把に書いたので細かところは各自必要に応じて修正してください。
発信側のTLP(フォトカプラ)の先についている抵抗値はTLPのLED側のIF値と定格電圧から求めてください。

次回、ソフトウェア開発

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