コレナンデ商会
この記事は、私がプロダクトマネージャーとしてチームで開発を進めることになったときに感じた
「メンバーから共感を得られていない」
「チームに一体感がない」
「チーム開発による価値が十分に出せていない」
といった課題を何とかしたいと思ったときに読んだ書籍の紹介です。
チームビルディングの考え方を学ぶ
チームが機能するとはどういうことか
昔いたチームで感じていた課題に「チームのメンバーが失敗を失敗と認めず、そこから学びをえることができていない」というものがありました。
振り返りをやっても意見が対立したまま議論が終わってしまう、そういった状態のときにチームとしてのスタンスを学んだ本です。
この本には、失敗から学び実行し続けられるチームの価値と具体的な方法である「失敗の種類を分類すること」「自己防衛ではなく学習志向でモノを見ること」などが書かれています。
チームが漠然と失敗を良くないものと思っている場合は、まずその認識を変えることが大切だと思います。
また、リーダーも意識的に失敗しやすい環境づくりをするべきだということを学びました。
あなたのチームは機能してますか?
とある架空のチームのエピソードから、チームが機能するためにはいくつかのルールがあるとしています。
・お互いを「信頼」すること
・遠慮なく「衝突」すること
・決定した行動計画に「責任感」を持って取り組むこと
・お互いに「説明責任」を追求すること
・何よりもチームの「結果」を重視すること
チームの機能不全を避けるために、リーダーとしてどういった指標を見ておくべきかという点で参考になりました。
成功を収めた企業の組織力から学ぶ
ピクサー流創造するちから
クリエイティブな組織作りに完成形はなく常に学び続けることで組織の硬直化を避けるべき、ということをピクサーのエピソードを追いかけながら学ぶことができます。
ピクサーで伝統的に行われている「ブレイントラスト」と呼ばれる、作品に対する問題の発見と解決を目的としたイベントには非常にモダンな印象を受けます。
他にも
・いいアイデアと良いスタッフ、どちらが大切か
・恐れを排除するには、信頼が最も有効なツール
・組織には、野獣も必要
・創造するリーダーのメンタルモデル
などチームビルディングにおいての学びが得られる教訓がエピソード中にたくさん散りばめられていますし、読んでいてテンションが上がる本です。
組織に問題をもたらす不確実性とは?
エンジニアリング組織論への招待
エンジニアリングの目的を不確実性を削減することと定義し、その正体を環境不確実性・通信不確実性・目的不確実性・方法不確実性に分類することで明らかにしていきます。
特にページを割いて語られているのは、人と人の間で起こる通信不確実性の問題でしょうか。
メンタリングの手法・アジャイルなチームづくりの価値はそういった問題への対処しやすいことだと思います。
目的に向かって自己組織化された強いチームをつくっていきたいですね。
メンバーにビジョン、ミッションを指し示す
ミッションからはじめよう!
他ではあまり見ない、ミッションづくりのためのフレームワークを紹介しています。
「ミッションとは、エビデンス(証拠)によって支えられた、ファンクショナル(機能的)なベネフィットと、その機能によってもたらされるエモーショナル(感情的) なベネフィットに基づく」という考え方とミッションコーンという手法を使ってミッションを策定していきます。
ミッションは型どおりにやってつくれるものでもないとは思いますが、何かとっかかりが欲しい場合や考えを整理したい場合には参考になる本ではないでしょうか。
OKR
ミッションを定めたあとにそれを短期的(かつメンバーがワクワクする)な目標にし、それを定量的に測定するためのフレームワーク。
弊社のとあるチームでも試験的に導入してみようというプロジェクトを進めています。
OKRは評価システムではなく、開発メンバーのモチベーションアップや維持に効くのだと思います。
会社のビジョン、ミッションを再確認しながらボトムアップで自分たちの目標を設定すること、そのプロセスに納得感を持って取り組むことに価値があるのでは。
メンバーとのコミュニケーション
マンガでやさしくわかるコーチング
チームビルディングにおいて、1on1をする機会がありますが、メンバーと対話する際にコーチングという技法を知っていると有効だと思います。
・相手と向き合うときにどういったスタンスでいるべきか
・傾聴のレベルとその解説
・相手に気づきをもたらす拡大質問の例
などが記載されています。
昔、コーチング資格を持っている職場の同僚から借りパク(あとでちゃんと返しましたが)して読んだ本。
やりっぱなしにせずにチームで振り返る
これだけ!KPT
これだけ!シリーズには何冊かあるようですが、自分が読んだことがあるのはこれだけ!
スクラムでもよく取り入れられる人気イベントKPTです。
KPTをやってもなんかいまいちだな、と思うときがあるなら読む価値ありです。
この本では、まるまる一冊を使ってKPTの価値と実践方法、チームビルディングへの用い方を紹介しています。
KPTでしっかり振り返り、PDCAを回せばチームメンバー同士がお互いに助け合い、業務が改善され成果が出る、という正のループが回り始めるでしょう。
まとめ
色々書きましたが、本から学んだことを普段から実践できているかと言われれば、まだまだまだ。
今までいくつかのチームを見てきましたが、企業やサービス、そのフェーズによってチームの課題は様々です。
これからも学習を続け、チームとともに成長していく姿勢を持ち続けていたいと思います。
最後に、現在二児の父親として子育てから学ぶことも多いなあと思っているので、子育てとチームビルディングをかけて終わりにしたいと思います。
・子供は成長のプロ(開発メンバーはスペシャリスト)
・親が方針を持って(リーダーがビジョンとロードマップを描き)
・道をそれないように見守る(目指すゴールに近づいているかの達成度合いを示す)
・本当に必要なときだけ手を差し伸べて(開発に専念してもらえるよう障害を取り除けば)
・あとは好き勝手やらせる(細かい実現方法まで口出しは無用)
・あとは自分で成長していく(そうすればチームは前に進む)