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データ・インフォームドな組織のつくり方 - Part 2 : 組織の特徴

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先週からの続きで、今回は第2弾です。

先週から、セコイア・ベンチャーというアメリカのベンチャー・キャピタルが出していた、「データ・インフォームドな会社の作り方」の紹介を3回に分けてやってます。

先週は第1回目として、データ・インフォームド企業のコアになる、プロダクト・アナリティクスという機能が組織の中でどのように作られていくのかに関する話をしました。

  • データ・インフォームドな組織のつくり方 - Part 1 : プロダクト・アナリティクスができるまで - Link

今週は第2回目として、データ・インフォームド企業とはどういう組織なのか、プロダクト・アナリティクスがどうビジネスの成長を推進力となっているのかに関しての話をします。

それでは、さっそく行ってみましょう。

以下、要訳。


The Building Blocks of a Data-Informed Company - Link

データ・インフォームド企業は次のような特徴を持っています。「インパクト」と「計測して真実を求め続ける文化の構築」の2つです。

インパクトとは何か

優れたデータ・インフォームド企業は統一された指標のもとに組織され、運営されています。統一された指標とは、行動を起こすことができる、トップラインの1つの指標のことで、それはプロダクトのビジョンを内包しているものです。

それは簡単に計測することができビジネスの重要なエンジンとはっきりとした関係を持っているものであるべきです。

統一された指標を持ち、それに関連するゴールを設定することなしに、企業がほんとうの意味でデータ・インフォームドとなり、その可能性を最大限に実現するのは難しいでしょう。

ゴールを考慮した上でインパクトとは何を意味するのかが確認できれば、次はインパクトをどう計測するかです。インパクトを計測するための仕組なしには、目隠しで空を飛んでるようなもので、ゴールに向かってどれだけ進んでいるのか、わかりようがありません。

インパクトを計測する

インパクトは一般的に次の3つに分けて考えることができます。

1. 指標を動かす

例えばあなたのチームがMAU(月のアクティブ・ユーザーの数)をゴールにするとします。チームがMAUを増加させるための独創的なやり方を見つけ、それを実行に移しているとすれば、彼らは指標を動かすことでインパクトを作り出しているということになります。

2. プロダクトまたはビジネスの変化に影響を与える

例えばあなたのチームが深い探索的データ分析を行った結果、インド国内のアンドロイドのスマホ向けにSMSの通知機能の改善を行なうことでMAUを増やすことができることがわかったとしましょう。このようなプロダクトの変化を起こすことはインパクトを作り出していることになります。

3. プロセスの変化に影響を与える

例えば、あなたのチームがより少ないリソースを使ってより多くを成し遂げるための自動化またはスケールするための新しいやり方を見つけたとしましょう。これはプロセスを変えることに対して影響を与えることでインパクトを作り出していることになります。

これらはそれぞれが独立したものではなく、ものによっては関連している場合もあるでしょう。しかしこれらはインパクトを計測するときのガイドラインとなるものです。

さて、指標の動きを計測するためには「柔軟な基盤」と「実験の文化」が必要になります。

柔軟な基盤を作る

優れたアナリティクスのチームには定量的に考えることのできる人達(アナリスト、データサイエンティスト)が必要になりますが、それと同時にデータ・エンジニア(DE)とデータ基盤エンジニア(DI)も必要になります。エンジニアの人材はスケールする基盤を構築し、スピード、信頼性、使いやすさを提供することになります。よい基盤とは将来の需要に柔軟に応えていくことができるものです。

たいていのデータ基盤はデータの獲得(プロダクトのイベントの記録、売上データ、外部・サードパーティからのデータ、など)、データを使えるものするための加工、レポート、ダッシュボード、アド・ホックな分析のためのシステムへデータを移すことを含みます。

レポートやダッシュボードの中でのデータの可視化は現在のビジネスの状況を把握するためのものです。アナリティクス・チームによるアド・ホックな分析は、指標の値が期待値から離れていった時に何が起きているのかを理解するために行われます。

データ基盤のグループはコンピュータ処理を支えるシステムに責任を持ち、データ・エンジニアリングのグループはこうしたシステム間のデータの移動と、アナリストたちといっしょに何度も繰り返される分析作業をシステム化することに責任を持ちます。

よく考えられ、しっかりと構築された基盤なしには、チームは自らのビジネスに影響を与えている現象を理解するのに時間がかかり、最悪の場合は全く理解すらできないということにもなるでしょう。

実験の文化を作る

プロダクトを作るのに直感は素晴らしく価値のあるものですが、それはスケールしません。データ・インフォームドな企業は強力な「テストと学び」という文化を作り、直感を仮説として定義しそれを実験するための環境を作る必要があります。

この「テストと学び」の手法が重要なのは、毎週の小さな改善が最終的には大きなインパクトにつながるからです。

AmazonとFacebookは実験の文化によってデータを使ってプロダクトに関する意思決定を行っていくいい例です。次のジェフ・ベゾスとマーク・ザッカーバーグによるコメントがプロダクトを作ることにおける実験の重要さを物語っています。

Amazonでの私達の成功は1年を通して、1ヵ月を通して、1週間を通して、1日を通して、どれだけ多くの実験を行っているかにかかっているのです。- ジェフ・ベゾス

私達の成功に貢献してきた重要なもので私が最も誇りに思っているものの1つは、このテストのフレームワークです。どんなときでも、1つのバージョンのFacebookが走っているということはありません。どんな時でもたいていは1万バージョンほどのFacebookが走っているのです。 - マーク・ザッカーバーグ

アナリティクス・チームは全てのステージに関わるべき

ほんとうにデータ・インフォームドな企業を作るためにはアナリティクスがプロダクト開発のすべてのステージに関わっている必要があり、プロダクト・チームの一部であるべきです。

一般的には、プロダクトのコアとなるチームはエンジニアリング、デザイン、プロダクト・マネージメント、アナリティクス、そしてユーザー・エクスペリエンスのリサーチからなります。

多くの企業ではプロダクトチームは以下のように機能します。

  1. エンジニアリングがコードを書く。
  2. デザインがプロダクトを使いやすくし、見かけを良くする。
  3. プロダクト・マネージメントがビジョン、戦略、そして実行に責任を持つ。
  4. アナリティクスがゴールを設定し、ロードマップを作り、戦略を定義する。
  5. ユーザー・エクスペリエンス・リサーチがユーザーの行動を理解することにつとめる

精密なロードマップのプロセスを持つということ

プロダクト開発、テスト、そしてその繰り返しを速いスピードで行なっていくには効率的なロードマップのプロセスが必要になります。例えば、Facebookのグロース(成長)チームは10週間からなるプロダクト開発のプロセスがあります。それは理解、認識、実行の3つのフェーズからなります。

理解のフェーズでは、アナリティクスチームがロードマップを作成するという主なゴールをもとに様々な現象(例えば広告主の離脱)に関する深い探索的データ分析を行います。この分析の主要な点は問題の認識と大きなインパクトにつながるであろう機会を見つけ出すことです。チームがインパクトが最も大きいであろうエリアを理解できたらプロダクトチームの全員がいっしょにロードマップを定義していくことになります。

いい人材を雇って、力を与える

プロダクト・アナリティクスは始まったばかりで、まだまだ進化の途中です。最も進んでいる企業ですら、データサイエンスとデータ・エンジニアリングのそれぞれの役割と可能性を探索している最中です。

世界クラスな組織を作ることこそがそのご何十年も生き残るための唯一のやり方です。殆どの会社は、野心やビジョンがないからうまく行かなくなるといったことにはなりません。うまくいかなくなる本当の理由は業務をうまく実行できていなかったからです。

世界クラスの組織を作るにあたって3つの重要なことがあります。それは、人、文化、そしてプロセスです。A+の人材を雇うことでインパクトを起こし、彼らに力を与えることで素晴らしい仕事をするのを可能にし、将来のリーダーとなるように育てていき、そうした人材が下からはい上がっていけるような文化を作り、説明責任、オーナーシップ、信頼を中核となる価値とし、会社を第1に考え、ビジネスのユニットを第2、チームを第3、そして個人を最後に考えれるような強く透明な組織を作っていくことになります。

最後に

例え、すばらしい基盤があり、実験の文化があり、正しいプロセスがあったとしても、リーダー達がデータ・インフォームドの文化を作ることを両手を挙げてサポートすることができないのであれば、アナリティクスが進化を発揮するのはとても難しいこととなるでしょう。

例えば、Facebookの場合、彼らがデータ・インフォームドと進化していく過程で、「コードが議論を制す」という態度が「データが議論を制す」というものに変わっていきました。プロダクトのレビューは、以前はホワイト・ボードにユーザーのワークフローを書いていたのが、その後、問題の定義のための議論を行い、成功を定義する指標を決めるというものに変わっていきました。

「データを使って問題を発見し、デザインによって解決する」ことでプロダクトを改善し進化させていくことができるのです。

アナリティクスはダッシュボードを作るために数字を数え上げるものから、ダッシュボードを作るものへ、そして実験へ、さらにプロダクトのためのゴール、ロードマップ、戦略を設定するものへと進化していきました。

こうした事が可能だったのはリーダー達がアナリティクスをプロダクトの中心に位置づけるための努力を全力で進めたからです。

この進化の間、仮説検定というサイエンス的な手法が試され、ゴールを設定し、ロードマップと戦略を作るためのサイエンス的な手法は継続的に発展していっています。この継続的な改善はすばらしいプロダクトを作るための心臓部となるものです。そしてこれを支えるデータの文化は必要不可欠です。

プロダクト・チームのメンバーはデータを効率的に使いこなせるべきです。そういう意味ではすべてのメンバーに、データインフォームドなプロダクトを作るためのベスト・プラクティスをもとにしたトレーニングを提供するべきです。


要訳、終わり。

あとがき

本文の中にもありましたが、実験の文化を作るというのは、強調してもしきれないほどに重要ですね。データ分析というのはサイエンスですから、そこから得られるものは絶対なものではなく、仮説に過ぎませんし、またその解釈も確率ベースのものとなります。そこで実際にテストして検証していくことになります。

そしてそのためには、しっかりとビジネスにとって重要な指標を定義しておくことが重要になります。これなくしては、テストをしてもその成果を計測するときの判断材料がないということになってしまいます。

指標をもとにビジネスの意思決定を行なうにしても、また「テストと学び」にしても、こうしたデータ・インフォームドな文化を組織の中に作っていかなくてはいけません。

しかし残念ながら、こうしたことは口で言うのは簡単ですが行なうのは大変です。トップによるコミットメント(やり抜くという意思)なしには難しいでしょう。これをボトムアップで行おうとしても、まずうまくいきませんし、そのことによってせっかく作ったアナリティクスやデータサイエンスのチームの中にあきらめ・ムードのようなものができ始め、せっかく雇った素晴らしい人材も逃げ出していってしまいます。

しかし逆に考えると、トップによるコミットメントによって、もともとはデータ・インフォームドな文化がなかったような組織でも、そうした文化を作っていくことが出きるということなのです。

これは、シリコンバレーの中でもそうした文化のある企業とない企業があるように、日本とアメリカの文化の違いと言うよりは、トップにそういったコミットメントがあるかないかの違いです。

そこで、日本でもスタートアップのような比較的動きが軽く、リーダーシップのある人たちがトップにいる企業こそ、世界に通用するデータ・インフォームドな組織を作っていきやすいのではないかと思います。


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