第19回RPAクリニックの参加レポートを書いてみたよ😘😄✨
全体の印象としては、今回のテーマ「RPA全社展開」を行うの必要な条件として各社が話していることは、どれもそんなに違いはなく、中央集権型 (COE) とユーザー主導型 (Federated)はうまく使い分けたハイブリッドモデルで進め、サーバー型ツールの導入、期待値設定、ROIの定義、それをうまく可視化する、といったことが重要になってくるということだったよ😄😚
1. brue prism (BP) 社
- 日本のRPAはちょっと変?個人の生産性、働き方改革?といったネタでRPAが広がり、BPのRPAの考え方と異なっている。
- RPAやっている1000人以上の会社は去年11月の段階で85%超。いまは90%超えているはずだが、ROIが見えないというのが40.5%。あまり本格展開されていない。
- RPAの悩み
- 精度が低い。10回中8回くらいしか動かない。基幹システムには使われない?
- 稼働率が上がらない、人が働いていてボタンを押すだけ。個人の持ち物となってしまい、その人しかわからない。
- 使い捨てのものという認識、減価償却もされない。
- ビジネス効果につながるRPAへ。世界ではROIを求めて入れている。
- 3つの壁が立ちはだかる。セキュリティ、稼働率、ROI。
- 方法論
- 画像マッチングはどんなシステムでも使える?多用されている。しかし、解像度の違いやWindows Updateで動かなくなる。画像マッチングは避けてマウスキー操作とアクセシビリティAPIを使う仕組みに乗り換えたお客様がいる。この二つを使うことが重要。自動化対象が多いほど、アクセシビリティAPIを使うべき。
- 推奨としてはユーザーPCではなく切り離した環境で動かすべき。集中管理して、従業員のPCには何も残さないのが良い。
- 部門横断の中央管理組織が必要。「自由度とスピードが失われるのでは?人がいない。範囲がわからない。」といわれるが、成功しているところはこれをやっている。導入方法論の中ではこれが重要。
- 中央管理組織 (IT?) 主導かユーザー主導か、は二者択一ではない。作成はユーザー部門で、管理とインフラは専任組織で。RPAにする案件の選定、合意形成。Q&A、ユーザー教育。役割分担をどこであるかを決める。決め方はひとつではない。CoEモデル (専任組織が請負型、管理部門向け)、Federated モデル (ユーザーが自分で作る、事業部門向け)のハイブリッド。Federatedが増えている。
- 楽天事例
- その他耳よりの情報
- BPは本番環境の同時実行するだけライセンス課金するため初期コストが下がる
2. TIS社
- 専門部門による集中ロボ開発、現場ユーザーによる分散ロボ開発。どっちがいいの?
- 集中開発型は業務適合性が課題となりやすい。ユーザーとの定期的コミュニケーションを定義してやる
- 現場開発型は品質確保が課題、レビュープロセスを定義する。
- どちらか一択ではなくハイブリッド方式も多い。高リスクと難易度が高いところは専門部隊、低リスク低難易度は業務部門。
- 気を付けるべきこと
- PoCでパターンの洗い出しができるかどうかが課題。メインパターンは結構やる。レアケースは忘れがち。これに気付くべし。課題の明確化。
- 自社のツールやRPAツールごとに特性があるのでそれを把握すべし。
- ユーザー展開では社内トレーニング、教育を実施すべし。
- 推進部門はユーザー部門の期待値コントロール、過度な期待をさせない、やる気をそがない、をする。まずはプロにお願いして作ってもらい、少しずつ進める。
- 社内の成果発表会はやったほうがいい。社外の事例だけだと実はやっていることが違うのでユーザー部門はぴんと来ないことがある。社内事例発表だとわかりやすい。内部で広がりやすい。
- 本番化にはルール決め、開発標準が重要。野良ロボット対策が必要。過去のEUCツールでの教訓。サーバー型ツールを入れるのが良い。仕組み x 仕掛けで解決。
- 分かりやすいのが重要。少人数開発こそ属人化してしまう。
- ドキュメント化/コメントが必要。
- 全社展開するにあたっては運用を十分考える必要あり。ロボットはすぐ動かなくなる。共通部品化により対応。部品だけ直せばよい。
- 現場に任せると部品化はしづらい?定期的な棚卸をしてロボットをチェック。
- 社内ポータル、コミュニティが必要。社内コンテストをすると競争意識も芽生える。
- 管理統制と運用負荷のトレードオフ。
- その他耳寄りな情報
- UiPathは簡易版の開発環境を年内に出す。ライセンスは全従業員に配布すると費用が高くなるので、環境を必要に応じて貸し出す運用をするのがよい。
3. コニカミノルタ社
- 全社展開の躓き、導入検討、トライアルの後、体制構築から本格展開あたりの話をする。自社実践してきたならではの話。
- 3つのポイント
- 体制はハイブリッドをやっている。
- 仕組み。RPAのフル活用の仕方。タッチポイントをユーザーとどう増やすか。
- ツールと運用
- 業務改革、業務改善の視点。汚いままの業務は整理。これはまたの機会。
- RPA活用の概要
- コニカミノルタは会社統合、カメラからの撤退、デジカメの台頭とスマホ登場による衰退など経験してきた。
- 課題提起型デジタルカンパニーなので、社内でもROIとか働き方改革を強く言われている。44,000人。国内1万人。RPAユーザーは600人。
- 現在は2万時間以上、200以上の業務が自動化されている。
- Global COEを2-3人で運用している。実行環境は最近まで2つ、稼働率はとても高い。
- RPAで効率化された時間をいいじかん設計で活用。
- 間接部門でも使っているが、メーカーのバリューチェーンでも使っている。やる気があるところであればどこでも始められる。
- 仕組み、体制
- 体制は正式な組織ではなく仮想組織。(組織をちゃんと作ると稟議に1年とかかかってしまうので)仮想組織がお勧め。
- ハイブリッドにしているのは、スピード感、業務の実態理解、ガバナンス/一元管理/プロセスOwnerの3つが必要なので。
- 継続的な仕組みも重要。プロジェクトは期限が有限。ツール導入で終わるとその後盛り上がらなくなる。いかに現場を盛り上げるか。
- ツール: automation anywhereを選定した。これは後ろのセッションで詳細の説明がある。
- 運用の実際
- 最初に経営陣に数字の報告をして満足してしまうとその後しぼんでしまうこともある。
- 社内ポータル、社内認定制度などのタッチポイントで継続的に火をともし続ける。
- Office 365のTeamsで問い合わせる仕組み。いまは現場同士でQ&Aをしている。ユーザー同士で勉強会をしていたりする。
- ナレッジデータベースも最初みんなで作っていたが、作りが汚くなったので、事務局がまとめて見やすく書く方式に変更した。数を集めるには最初はユーザーに書いてもらう。
- 半年に一回かつ活用度診断を社内で実施している。RPA認知度、業務改革スキル、上長のRPA理解度、などについてアンケートを取る。
- 社内ユーザーのエキスパートによろず屋になってもらって、各サイトをまわって技術相談会をやっている。
- 稼働状況のモニタリングがとても重要。アーキテクチャ。他にはないくらい。90%稼働。あまり詰め込みすぎるのはお勧めしない。エラーが出ると他が遅れてしまう。
- 使うツールだけでなく人が重要。
- 部門の中で進めるRPAの業務選定には口を出さないが、実行環境への移行時に依頼書を使っている。業務仕様、リカバリーリスク、など。
- 責任部署はプロセスOwner、環境維持はCOE。無限ループチェックなどはやる。
- どういうエラーが起きるか想像できない初心者には、よくあるエラーリストをナレッジに持っている。プロセスOwnerの意識は持ってもらう。ロボットがトラブった時の対応はプロセスOwnerが管理すべき、というのは同意してもらう。新入社員や派遣社員の管理と同じ。
- RPA適合業務かどうか
- 結局RPAじゃないものも2-3割出てくる。RPAはツールだけでなくて、業務のとらえ方やRPAへの乗せ方が重要。RPAだけが解ではない。
- 紙の自動化はRPAだけだと難しいこともある。社内業務のうちRPA単体でできるものは5-12%くらい。10%だと40,000人のうち4,000人分の業務削減なので意外と大きい。しかし、効果はRPA単体で考えると限界もある。
4. automation anywhere (AA) 社
- RPAの現実
- 約8割が30%しか業務削減できていない。
- トライアル時には導入成果の算出が難しい、スキルを持った人がいない、という課題。期待したROIが出ない、管理が煩雑。
- ROIと管理が課題。
- 業務を選ぶときに、RPA化することによる効果を意識してほしい。最初に洗い出すことが重要。ROIを見積もることが重要。
- ツールによる効果
- 業務プロセスを録画できる。スクリーンショットで業務内容を認識できる。ドキュメント作成時間を削減。業務の棚卸。
- 入力画面も記録すれば1分で作成できる。
- 記録した内容はプログラムに見えるかもしれないが、保守性が良い。数百行でもわかる。図やフローチャートだとわからなくなる。もうすぐフローチャート型のUIも出てくる。
- Bot Storeというものもあり、SAP連携でログインから資産登録をしてくれるBotがすぐにダウンロードできる。
- 運用、ROI、分析をシングルプラットフォームで使うことで一元管理できる。
- ボットの一元管理、バージョン管理ができる。 ロールベースのアクセス制御、暗号化、監査ログもある。部門ごとに他から見えないようにする。ロールの運用は考えていただく必要がある。