デジタル名刺(NFC名刺カード)を作成した話
背景
仕事での名刺交換は、通常、会社が支給する紙名刺を使用することが一般的です。
多くの企業では、内容が変わるたびに新しい名刺が支給されます。
しかし、個人で勉強会や趣味の集まりに参加する際には、SNSや個人サイトの情報を記載した名刺を作成して交換する人も多いでしょう。
問題は、個人名刺の作成にはコストがかかること。
情報を更新するたびに新しい名刺を発注すると負担が大きくなります。
さらに、SNSのアカウント情報は頻繁に変わることがあり、一定期間でQRコードが無効になることもあります。
このような背景から、紙の名刺よりも柔軟に情報を更新できるデジタル名刺に興味を持ちました。
気づき
勉強会やイベントでの名刺交換の主な目的は、相手とSNSでつながることです。
しかし、実際には名刺を交換した後に紙の名刺を見返すことはほとんどありません。
重要なのは、相手のアカウント情報が分かり、簡単にフォローできることです。
この点を考えると、紙の名刺は必須ではなく、デジタル名刺を使えば効率的に情報を共有できるのではないかと思いました。
デジタル名刺サービスの選定
現在、デジタル名刺サービスは複数存在し、プロフィールページを作成し、そのページにリンクするNFCカードを作成できるものもあります。
どのサービスも「プロフィールページへのリンクを設定したNFCカードを届ける」という形式でした。
つまり、NFCカードを自分で用意し、リンクを書き込めば同じものが作れるのでは?と気付き、自作することにしました。
デジタル名刺(NFCカード)の自作
デジタル名刺の作成は、以下の2ステップで完了します。
- プロフィールページの作成
- NFCカードにプロフィールページのURLを設定
1. プロフィールページの作成
プロフィールページを作成するにあたり、ホスティングサービスを以下の3つに絞りました。
- lit.link
- Gravatar
- 自分でサーバを用意
最終的に、手軽さと日本での認知度を考慮して「lit.link」を選びました。
2. NFCカードにプロフィールページのURLを設定
プロフィールページが完成したら、そのURLをNFCカードに書き込みます。
手順は以下の通りです。
- NFCカードを用意する
- スマホのNFC書き込みアプリを使い、プロフィールページのURLを登録
- スマホで実際に読み取れるかテストする
これで、NFCカードをスマホにかざすだけでプロフィールページにアクセスできるデジタル名刺が完成しました。
デジタル名刺の活用と今後の展開
デジタル名刺の利点は、SNSアカウントの変更やメールアドレスの更新があっても、プロフィールページを修正するだけで済むことです。
すでに作成したNFCカードは変更不要なので、コストの面でも優れています。
また、次のような活用も考えられます。
- NFCシールを活用する
シンプルな紙名刺(名前やアイコンだけ等)にNFCシールを貼り、スマホで読み取れるようにする。 - アクセス制限付きのプロフィールページを作る
自分でホスティングし、デジタル名刺経由でアクセスした場合のみ追加情報(電話番号やメールアドレス等)を表示する。