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【UiPath】無償で Studio Web を使い倒す!!

Last updated at Posted at 2023-10-22

はじめに

  • 本記事では、無償アカウント(Community)で Studio Web がどこまで使えるのかを説明します。
  • 読者は UiPath の基礎知識をお持ちの方を対象としています。(UiPath の用語(略語)の説明がない点、これから UiPath をはじめて触る方にはわかりにくい部分があるかとおもいます。)
  • 記事の内容は、個人の見解または確認結果であり、UiPath の公式見解ではありません。
  • 製品仕様や参考画像は 本日(2023年10月19日)時点のもので構成しています。

Studio Web を使えるようにするには

まずは Automation Cloud にアカウントを登録しましょう

image.png

わたしはたまたま昔つくった Community ライセンスがあったので、本日はそちらをもちいて Studio Web をアクティベートしたいとおもいます。

Communityの動き.JPG

Studio Web は最初からサイドメニューに表示されていますが、サービス画面を起動すると「テナントを有効化してください」とアラートが出ます。
「管理」画面を起動し、『DefaultTenant』をクリックしてください。
キャプチャの黄色で囲ったあたりに有効化のボタンがあるのでクリックします。(※キャプチャは有効化した後のもの)

有効化ボタンが黄色で囲ったあたりにあった.JPG

テナント有効化後に再度サービスにアクセスすると

テナント有効化後のアクセスでのぐるぐる.JPG

環境準備のぐるぐる画面となり、1,2分待つと以下のトップ画面が現れます。

トップ画面.JPG

そもそも Studio Web とは

今年(2023年)の6月に一般向けにリリースされた Studio Web は、GSuite、Office 365 などのオンライン アプリケーションについて、ツールを跨いでプロセスの自動化をしたいユーザー向けの、ブラウザベースの自動化開発ツールです。
ローカルファイルの操作はおこなえないものの、実行もクラウド上で可能
なので、とりあえず UiPath を試したい方にはアカウント登録だけで使えるうれしいツールです!!

以下は一般向けにリリースされた際に、書いたサンプル利用体験記事です↓↓

Studio Web の画面には主に以下のサービスがあります↓

トップ画面_日本語切り替え後.JPG

  • テンプレート:目的にあったテンプレートを選んでワークフローの作成を開始できます。
  • プロジェクト:新規または既存のプロジェクトを選択してワークフローの作成を開始できます。
  • オートメーション:クロスプラットフォームのプロジェクトで作成されたオートメーションを実行できます。※自身がアクセス可能なオートメーションがすべて表示されますが、実行可能なオートメーションはクロスプラットフォームのものに限定されます。詳細や実行履歴の確認はすべてのオートメーションで可能です。
  • 実行:ジョブの実行履歴を確認できます。
  • コネクション:作成済みのコネクションの確認、修正ができます。※コネクションの細かい設定やトリガーの設定等は Integration Service 側でしか確認、修正できません。

テンプレートから適当に一つ選んでみます。

テンプレートを試してみる.JPG

「テンプレートを使用」ボタンを押下すると実行可能なワークフローが出現します。

テンプレートを試してみる2.JPG

「実行」ボタンを押下

テンプレートを試してみる4.JPG

画面右側の「出力」パネルに実行結果が表示されます。

先の実行結果(履歴)をみてみようと『実行』タブをのぞきましたが、こちらはパブリッシュ済みのプロセスの実行結果のみ表示されるようです。(※Studio Web で開発中の実行履歴は残りません)

テンプレートを試してみる5.JPG

無償で何がどこまで使えるんだろう

Studio Web で最初に気になる部分がロボット実行だとおもいます。
クラウド上で動く訳ですが、無限に動くのか?動かしていいのか? という疑問
これも以前、記事化しました↓↓

詳細は上の記事をみていただければとおもいますが、
1分くらいの処理ロボットであれば
無償でも1月あたり150回以上は利用できる計算になります。

※上のロボットを5回以上実行してもRU(ロボットユニット)はゼロのままです。

image.png

ビジネス利用でなければ特に使用量は意識せず使えそうですb

では、次に自動化をサポートするサービスがどこまで使えるかをみていきます
(以下、 Community 版のメニュー参考)

Communityのサービス一覧.JPG

Studio Web × Orchestrator

OC画面.JPG

アクセスしてみると「MyWorkspace」のダッシュボードにアクセスできました。
(個人用ワークスペースが有効化されている状態)

タイムトリガーで1行ログするだけのワークフローをつくり

テスト1_5.JPG

パブリッシュしてみます

テスト1_7.JPG

ちゃんと1件プロセスが作成されました

テスト1_8.JPG

トリガータブも同様に設定が作成されています
が、しかし「次回の実行時間」が9時間後になっている...

テスト1_9.JPG

タイムゾーンの設定を変更していなかったので、初期値の「(UTC)世界協定時」のままでした

テスト1_10.JPG

プロセスも編集画面からタイムゾーンを修正します

テスト1_11.JPG
テスト1_12.JPG

時間になったらプロセスが開始します

テスト1_13.JPG

ちゃんと実行されてます

テスト1_14.JPG

Orchestrator にパブリッシュしたので、もちろん Assistant でも実行できます

テスト1_15.JPG
テスト1_16.JPG

以上の結果から、次に挙げることはできそうです!

  • きめ細かなオプション設定にてロボットのスケジュール実行ができる
  • つくったロボットは Assistant で手動実行できる(UR実行も当然できます)
  • ストレージバケット(※)をつかえばドキュメントファイルをアップロードしてロボットで操作可能
    ※:
    [空のテストファイルをアップロードした際のキャプチャ]
    テスト1_17.JPG
    [ストレージ ファイルの操作アクティビティ参考]
    テスト1_18.JPG

おまけ:プロジェクト一覧の三点リーダー>「共有」から、名前 or メールアドレスを指定してのプロジェクト共有も簡単にできます!
共有もメアドを選ぶだけ.JPG

Studio Web × Apps

テスト3.JPG

Apps サービスでは、カスタム作成したアプリ画面にイベントを設定することでロボットを簡単に起動できます。

やり方は超簡単。起動ボタンを配置して「イベント」>「ルールを編集」>「リソース」の「+」ボタンから対象プロセスを選ぶだけ

テスト3_1.JPG

プロセスが Apps に追加されると次の様な画面表示になります。

テスト3_2.JPG

この段階でパブリッシュすると、イベントとプロセスが紐づいていないためエラーとなります。

テスト3_3.JPG

先の「ルール編集」画面の開始するプロセス欄に実行したいプロセスを指定しましょう。

テスト3_4.JPG
テスト3_5.JPG

設定が正しくできていれば、ボタンクリックでロボットは動きます↓

テスト3_6.JPG

Studio Web で開発したロボットは Apps から実行できる

Studio Web × Actions

テスト4_1.JPG

「フォーム タスクを作成」は選べたものの、『Studio Web ではフォーム設計の設定はできません。』とのこと...
それならば、とデスクトップの Studio を起動しましたが

テスト4_1_2.JPG

『フォームデザイナーを有効化するには UiPath.FormActivity ライブラリをインストールしてください。』の警告

テスト4_2.JPG

「パッケージを管理」でインストールしようと試みたが、クロスプラットフォームでは利用できないという...

テスト4_3.JPG

クロスプラットフォームではフォームデザイナーが使えない
→ オリジナルのインターフェースでロボットを操作したい場合、Apps で工夫する必要がありそうです。

Studio Web × Ops

テスト5.JPG

無償版で、かつ、個人向けのサービスにガバナンス機能の用意があるとは恐れ入りました。
ちゃんと製品ポリシーの追加ボタンを押すと「Studio Web」が選択できます!

テスト5_1.JPG

こちらが Studio Web で利用可能な項目です↓

テスト5_2.JPG
テスト5_3.JPG
テスト5_4.JPG

Studio Web の開発およびロボット実行時にはポリシーを適用できる
ロボットポリシーで Google.com をブラックリストに入れて試験した際のキャプチャ↓↓
テスト5_5.JPG

Studio Web × Document Understanding

テスト6.JPG

利用にあたって『AI Center を有効化』をクリックしますが、
選択(追加)可能なサービスは以下の4つのみで AI Center は有効化できませんでした(※)

  1. Test Manager
  2. Integration Service
  3. Data Service
  4. Task Mining

テスト6_1.JPG

Document Understanding を利用したい場合、ProTrialライセンスを申請してください。
ProTrialライセンスも無償です!!

※:Community ライセンスの初期状態では Integration Service は利用できません。
[サービス追加前]
テスト1_4.JPG
[サービス追加後]
テスト7.JPG

Studio Web × Integration Service

テスト7_2.JPG

サービスを有効化できていれば問題なく利用できました!
パブリッシュ後は Integration Service のトリガーに設定が追加されます。(イベントトリガー)

テスト7_3.JPG

Integration Service で作成したコネクションをもちいて、イベントトリガーでロボットを実行できる

Studio Web × Marketplace

テスト2.JPG

Studio Web で検索をかけると 91件のコンポーネントがヒットします。
テンプレートを選択し、「Studio Web で編集」ボタンを押下します。

テスト2_1.JPG

コネクションを作成し、「テンプレートを使用」ボタンを押下すれば Studio Web の開発画面が起動しそうです(コネクションがつくれないので起動キャプチャは省略)

テスト2_2.JPG

Marketplace に掲載されているテンプレートをもちいて開発できる

Studio Web × Processes

テスト8.JPG

こちらは、URの実行権限を持つユーザー(ロボット)が居ない場合、実行エラーとなります。

テスト8_1.JPG

ユーザーの「無人オートメーションの設定」でUR実行を有効化し、対象フォルダのマシンタブで Cloud Robot - Serverless を割り当てることで Processes からも実行できました!

image.png

まとめ

■ Studio Web × Orchestrator -> 〇

・きめ細かなオプション設定にてロボットのスケジュール実行ができる
・つくったロボットは Assistant で手動実行できる(UR実行も当然できます)
・ストレージバケットをつかえばドキュメントファイルをアップロードしてロボットで操作可能

■ Studio Web × Apps -> 〇
Studio Web で開発したロボットは Apps から実行できる

■Studio Web × Actions -> ×
クロスプラットフォームではフォームデザイナーが使えない
→ オリジナルのインターフェースでロボットを操作したい場合、Apps で工夫する必要がありそうです。

■ Studio Web × Ops -> 〇
Studio Web の開発およびロボット実行時にはポリシーを適用できる

■ Studio Web × Document Understanding -> ×(ProTrialを申請すれば〇)
利用にあたって『AI Center を有効化』をクリックしますが、
選択(追加)可能なサービスは以下の4つのみで AI Center は有効化できませんでした(※)
Document Understanding を利用したい場合、ProTrialライセンスを申請してください。ProTrialライセンスも無償です!!

■ Studio Web × Integration Service -> 〇
Integration Service で作成したコネクションをもちいて、イベントトリガーでロボットを実行できる

■ Studio Web × Marketplace -> 〇
Marketplace に掲載されているテンプレートをもちいて開発できる

■ Studio Web × Processes -> 〇
ユーザーの「無人オートメーションの設定」でUR実行を有効化し、対象フォルダのマシンタブで Cloud Robot - Serverless を割り当てることで Processes からも実行できました!

いかがでしたでしょうか。
無償でこれだけのサービスが利用できるオートメーションプラットフォームはさすがに UiPath だけではないでしょうか。
次回は Studio Web を使い倒すためのアイディアを考えてみたいとおもいます。
最後までお読みいただきありがとうございますm(_ _)m

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