なんとなく脳トレがてら1日1問解説しようと思っただけです.飽きたらやめます.
問題
y^{\prime} = y\cos x.
ポイント
- $\displaystyle\frac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x}=P(x)Q(y)~$ の変数分離型です.
- 両辺を $Q(y)$ で割って $x$ で積分したくなるのですが, $Q(y)\neq 0$ に注意しましょう.
- つまり,$Q(y)\neq 0$ と $Q(y)=0$ で場合分けが必要です.
解答
① $y\neq 0$ のとき.
\begin{align}
y^{\prime} &= y\cos x, \\
\frac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x}&=y\cos x,\\
\frac{1}{y}\frac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x}&=\cos x.
\end{align}
両辺を $x$ で積分して,
\begin{align}
\int\frac{1}{y}\frac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}x} \mathrm{d}x&=\int\cos x\mathrm{d}x,\\
\int\frac{1}{y}\mathrm{d}y&=\int\cos x\mathrm{d}x,\\
\log|~y~|&=\sin x +C_1~~~(C_1:任意定数).
\end{align}
ここで,両辺の指数をとると,
\begin{align}
e^{\log{|~y~|}}&=e^{\sin x +C_1},\\
|~y~|&=e^{C_1}e^{\sin x},\\
y &=\pm e^{C_1}e^{\sin x}.
\end{align}
また, $C_1$ が任意の実数値を取るとき, $\pm e^{C_1}$ は0以外のすべての値をとるので($y=e^x$ および $y=-e^x$ のグラフの漸近線が $y=0$ であることをイメージしよう),解は
y =Ce^{\sin x}~~~(C\neq 0),
と書き換えることができる.
② $y=0$ のとき.
$y=0$ のとき $y^\prime = 0$ であるから,関数 $y=0$ は方程式 $y^{\prime} = y\cos x$ を満たす.
よって $y=0$ も解である.
また, $y=0$ は,①の解 $y =Ce^{\sin x}~~~(C\neq 0)$において,$C=0$ としたものと一致する.
よって,①と②の解を合わせれば,
y =Ce^{\sin x}~~~(C: 任意定数),
が微分方程式 $y^{\prime} = y\cos x$ の解である.
【参考】 Wolframalpha
非常に便利なので皆さん積極的に使っていきましょう.