はじめに
「チ。-地球の運動について-」第1話でラファウが天動説の軌跡を描くシーンがあるんですけど,実際にグラフで表すとどうなるのかと疑問に思いまして,考えてみました.
そこまで深くやりません.
以下の表は,太陽を中心とした惑星の平均軌道半径(AU)と公転周期(年)です.
惑星 | 軌道半径 | 公転周期 |
---|---|---|
水星 | 0.387 | 0.241 |
金星 | 0.723 | 0.615 |
地球 | 1.000 | 1.000 |
火星 | 1.524 | 1.881 |
地動説の運動
まずは地動説の運動について考えてみましょう.
地動説では,太陽を中心に各惑星がそれぞれ一定の速度で円運動していると考えます.
惑星の座標は以下のように表せます.$$(x,y)=\Bigl((軌道半径)cos\Bigl(\frac{t}{(公転周期)}\Bigr),(軌道半径)sin\Bigl(\frac{t}{(公転周期)}\Bigr)\Bigr)$$地球と火星を例に挙げてみましょう.
地球,火星のそれぞれの座標は,$$Earth(t)=\bigl(cos(t),sin(t)\bigr)$$$$Mars(t)=\Bigl(1.524cos\Bigl(\frac{t}{1.881}\Bigr)-cos(t),1.254sin\Bigl(\frac{t}{1.881}\Bigr)-sin(t)\Bigr)$$となります.
このようにして,太陽を中心とした円運動が表されます.
GeoGebraでグラフにしてみましょう.
曲線は以下のように記述します.$$X=Curve(Rcos\Bigl(\frac{t}{T}\Bigr),Rsin\Bigl(\frac{t}{T}\Bigr),t,0,2π*30)$$ここで,R=惑星の軌道半径,T=惑星の公転周期とする.また,あとで天動説の運動のグラフを作成するときに値を変えるのが面倒なので t を0から2π*30まで動かす.
地球の座標は原点なので$$Sun=(0,0)$$です.
天動説の運動
天動説では,地球が中心となっています.
そのため,天動説の運動を考える時は,地球から見た地動説の相対的な動きを考えればいいのです.
どうやって表すのか?惑星の座標から地球の座標を引けばいいのです.$$x=(惑星の軌道半径)cos\Bigl(\frac{t}{(惑星の公転周期)}\Bigr)-cos(t)$$$$y=(惑星の軌道半径)sin\Bigl(\frac{t}{(惑星の公転周期)}\Bigr)-sin(t)$$
これで天動説における惑星の座標が表せます.
GeoGebraでグラフにしてみましょう.
曲線は以下のように記述します.$$X=Curve(Rcos\Bigl(\frac{t}{T}\Bigr)-cost(t),Rsin\Bigl(\frac{t}{T}\Bigr)-sin(t),t,0,2π*30)$$ここで,R=惑星の軌道半径,T=惑星の公転周期とする.また t を0から2π*30まで動かす.
t の上限を変更すると曲線の長さが変わります.
地球の座標は原点なので$$Earth=(0,0)$$です.
参考サイト
・【火星の逆行】地動説を使って天動説の動きを作ってみる【チ。】
https://www.youtube.com/watch?v=zPqwf4m6uQ0
・天動説v2
https://www.desmos.com/calculator/xeewqk9zoh?lang=ja
まとめ
これを手描きは無理があるでしょ.