LoginSignup
1
0

不具合を多く見つけるテスターの思考術

Last updated at Posted at 2023-12-03

ソフトウェア製品のブラックボックステストにおいて、どのような条件・状況でも、他のテスターよりも多くの不具合を見つける凄いテスターがいます。その違いがどこから生じるのかについて、思考術をご紹介します。

使用しているテスト技法という点では、JSTQBのシラバスにも書かれている「エラー推測」や「探索的テスト」が近いと思います。(※詳細を知りたい方はシラバスをご確認ください)そして、それらを有効に活用するために、対象製品やテストに関する知識や経験と、これまでに発生した不具合情報を使用します。

これらはもちろん重要な要素です。しかし、不具合をより多く見つけるテスターはそれらだけではなく、テストに対する構え方にも違いがあります。

一例としてのご紹介になりますが、よく不具合を見つけるテスターは以下のような着眼点(チャーター)を使います。

  • 開発者が想定しきれないことを考えてみる
  • 利用者の観点で、使いやすいかどうかを考える
  • 違和感があれば、深堀してみる
  • 変更された機能により悪影響が出そうな箇所を確認する

このうち、「違和感があれば、深堀してみる」以外は、テスターがActiveに動くことで不具合を見つける着眼点です。さきほどのエラー推測や探索的テストも含めて、着眼点の多くがActiveなものになります。

テスターは目の前で起きている不具合を不具合として正しく検知し、見逃さないようにしています。多くの不具合を見つけるテスターは、操作中・動作中の振る舞いを様々な角度でウォッチし、その中で違和感を覚えたら、その違和感の正体が何かを探り、それが本当の不具合かどうかを確認する、というPassiveな着眼点(と調査分析)も使っています。

つまり、「違和感があれば、深堀してみる」は間違い探しというよりも、間違いに気付くための心構え+不具合かどうかの調査分析、と捉えた方が正しい解釈になります。この違和感の覚え方は、テスターにより工夫しています。例えばあるテストでは、全体を見渡しながら「いつもより動きがもたついた」や「見慣れないログが出た」などの事象から違和感を覚え、そこから不具合があるかどうかを切り分けます。

このようなActiveとPassiveの両方の思考を使って、不具合を見つけています。

なお、仕様を理解したうえで、その知識を使って不具合を検出するという思考が一般的です。しかし、仕様すら信じない状態で、動作確認結果により頭の中に「仕様」を組み上げていき、そこから問題点を検出するという、一歩進んだ概念で不具合を見つけるテスターもいます。

1
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
0