はじめに
Hello, World!!
はじめましての方ははじめまして。
3年半ほどTalendというETLツールの技術者をやっています。
先日、8月に受講したアンガーマネジメントのセミナーについての所感を投稿しました。
「アンガーマネジメントはどういったものか」といった内容は前回記事にてすでに記載済のため、今回の記事では割愛します。
こちらのセミナーですが、基礎講座/応用講座①/応用講座②といった感じの3部構成にわかれており、前回の記事は基礎講座に関するものとなります。
今回は「ハラスメント防止」をテーマとしている応用講座①を受講してきましたので、そちらに関する所感を備忘録として記載していこうと思います。
セミナー受講の前に
今回は、「ハラスメント防止」をテーマにしたセミナーであるため、そもそもハラスメントとはどういったものかを、あらためて調べてみました。
英単語の"harassment"は「嫌がらせ」という意味を持っています。
私自身の主観とはなりますが
「嫌がらせ」=「相手の嫌がることを、悪意を持って実行する」
だと考えており、悪意がなくても成立しうる (日本語で言うところの)「ハラスメント」とは若干ニュアンスが違うように感じます。
職場において問題となるハラスメントは、主に
- パワーハラスメント (パワハラ)
- セクシュアルハラスメント (セクハラ)
- マタニティハラスメント (マタハラ)
などがありますが、今回はアンガーマネジメントのセミナーということもあり、
「ハラスメント」=「パワーハラスメント」のことを指す
と考えてまず間違いないでしょう。
ということで、パワーハラスメントの定義について記載します。
パワーハラスメントとは
厚生労働省の関連サイトである「あかるい職場応援団」では、パワーハラスメントは以下のようなものと定義されています。
職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。
定義で「優越的な関係を背景とした言動であって」とされる通り、一般的には、上司が部下に対して行うハラスメントです。
部下が上司に対して行う「逆パワハラ」という言葉もありますが、パワハラの定義には役職の上下は含まれないため、定義上はこれもパワハラの一種です。
実際に受講してみた
セミナー自体が、どちらかというと管理職の方向けに企画されたもののようです。
セミナーの概略は以下のような感じでした。
- アンガーマネジメントとは
- ハラスメントとは
- 怒りを感じる理由
- チーム内の価値観の共有
アンガーマネジメントとは
こちらについては、初回と重複する内容であったため、割愛。
興味のある方は、私の過去記事に定義について記載していますので、ご参照ください。
ハラスメントとは
こちらも、厚生労働省の定義の紹介が主でした。
本記事のパワーハラスメントとは とほぼ同様の内容でした。
この辺までは定義のお話なので、「まぁそうですよね」という感じです。
怒りを感じる理由
ここも基礎編とほぼ共通の内容でした。
要約すると、
- 怒りを感じるのは、自分の中にある理想と、実際に起きている事実の間にギャップがあるからである
- この「理想」の内容や程度は、人によって差がある
ということでした。
基礎編ではこの後に、
- アンガーマネジメントにおいては、この理想と現実のギャップのアウトプットが重要
- アウトプットしたギャップのうち、コントロールできるものはコントロールする
といった話が続いていくのですが、今回はその辺の話はありませんでした。
チーム内で価値観を共有する
基礎編ではなかった内容です。グループワークを通じて、
チーム内のメンバーがどこに重きを置いているのかを明らかにし、内容に優先順位をつける
といった内容でした。
ここでは、チーム内のメンバーによって、重要視する項目が異なることは前提として、価値観の違いを是正することが目的ではなく、価値観の違いを認識したうえで、チームが重視する価値観を可視化し、ルールを明確にすることが目的とのことでした。
サンプルケース
あくまで、チームとしての共通の価値観を浸透させることが目的のものですので、以下は複数人で実施していただくのがよいと思います。
ご自身のみで実施する場合は、私自身の結果も掲載しておきますので、「読者のあなたがリーダーで、筆者の私が部下」の想定で実施してみてください。
ワーク
以下の8項目について、あなたの中で優先順位をつけてください (同率は不可)。
- 数値目標を達成すべきである
- 同僚や上司とは積極的に交流し、よりよい関係を構築すべきである
- 自身の経験や知識は積極的に周囲に共有すべきである
- 自身への連絡には迅速に反応すべきである
- あらゆるツールを有効利用し、徹底的に作業効率化を行うべきである
- 自分の行った作業には責任を持つべきである
- 作業期日はどんなことをしてでも守るべきである
- 同僚が困っているときは積極的に手を貸すべきである
実際のセミナーの際のものからは一部内容を変更しています。
また、若干IT屋向けの内容となっておりますので、別の業種の方は適当に読み替えて実施してください。質問の内容自体には特に意味はありません。
分析
ご自身の中での順位付けができましたら、私の結果と比較してみてください。
# | 項目 | 優先度 (ご自身) | 優先度 (筆者) | 平均値 |
---|---|---|---|---|
1 | 数値目標を達成すべきである | 4 | ||
2 | 同僚や上司とは積極的に交流し、よりよい関係を構築すべきである | 7 | ||
3 | 自身の経験や知識は積極的に周囲に共有すべきである | 6 | ||
4 | 自身への連絡には迅速に反応すべきである | 5 | ||
5 | あらゆるツールを有効利用し、徹底的に作業効率化を行うべきである | 3 | ||
6 | 自分の行った作業には責任を持つべきである | 2 | ||
7 | 作業期日はどんなことをしてでも守るべきである | 1 | ||
8 | 同僚が困っているときは積極的に手を貸すべきである | 8 |
記入が終わったら、チーム内もしくは私とご自身の優先度の数値を算出してください。
平均値の数値が低いものほど、メンバーの多くがその項目を重要視している。つまりチーム内で優先すべき事柄となります。
たとえば、リーダーを含めたチームメンバー5人の結果が以下のような内容だったとします (項目は割愛します)。※データはExcelで適当に作りました。
# | リ | メ1 | メ2 | メ3 | メ4 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 5 | 8 | 5 | 7 | 5.8 |
2 | 7 | 8 | 4 | 7 | 8 | 6.8 |
3 | 6 | 1 | 3 | 2 | 4 | 3.2 |
4 | 5 | 2 | 2 | 8 | 1 | 3.6 |
5 | 3 | 6 | 1 | 3 | 3 | 3.2 |
6 | 2 | 3 | 6 | 1 | 2 | 2.8 |
7 | 1 | 7 | 7 | 4 | 6 | 5 |
8 | 8 | 4 | 5 | 6 | 5 | 5.6 |
このチームでは、項目6の平均値が一番低いので、チームとして「自分の行った作業には責任を持つべきである」がチーム内で優先すべき事柄となります。
次に、各メンバーの数値を見てみてください。主には平均値との比較になります。
私自身は「特にお客様との約束はどんなことをしてでも守るべき」と、対外的なことを非常に重要視しており、「作業期日はどんなことをしてでも守るべきである」は最重要の1を付けました。ただ、この結果を見ると、各メンバーはそこまで強くは思っていないようです。
逆に、チームメンバーは「自身の経験や知識は積極的に周囲に共有すべきである」を重要視しているようですが、私自身は「情報は資産なのだから、むやみやたらと公開したりすべきではない」と考えている節があり、優先順位は低めにしています。
この結果を見ると、リーダーとメンバーの価値観の軋轢で組織が崩壊しそうに見えてしまいますが、「上司のこいつが気に入らないから従わない」では仕事になりませんし、「メンバーのこいつが気に入らないから仕事を振らず、人事評価を下げる」なんて、それこそパワハラですよね。
この場合、考え方が2つあって
- リーダーの価値観を公示したうえで、メンバーにはそれに従ってもらう
- メンバーの価値観に寄り添う努力をした組織運営を行う
のいずれかが必要となってきます。
いずれにしても、自分の中での怒る基準を明確にし、メンバーにもそれを認識してもらうということが重要になってきます。基準を明示したうえで度を越した行為に対して怒る分には、ハラスメントではありませんからね。
雑感
私自身は現時点で管理職ではありませんが、管理職でなくとも社内に持ち帰りたいと思えるような情報をいくつも得ることができて、非常に有意義なセミナーでした。
メンバーやリーダーの価値観を知ることで、その人が何を重視して仕事をしているのか、チームがどこを目指すべきなのかを理解し、よりよい仕事の進め方ができるようになるとよいな、と思いました。
以上。