これからの現代の日本や資本主義社会の課題に取り組むためにデータ分析や機械学習を活用できないだろうかと会社で話題となったので、具体的に 「日本国全体、およびこれからの日本の国民・住民の課題や障害は何なのか」を 学習しました。 太田比路氏の 「政治的に無価値なキミたちへ」 という若者向けの本にそれらが分かる良い章があったので、簡潔にまとめてみました。
日本国全体の課題や障害とは何か?
①財政問題
日本の中央銀行は 大量の国債 を発行している。政府債務の対GDP比はG20中最悪で、特にこの問題をどう解決するのかという長期的視点を示したリーダーがいない。政府債務を返すため、増税・年金支給引き上げなど現役の労働者階級、および労働引退階級へのしわ寄せが強まっている。政府債務を返しつつ、生活水準を改善するにはどうすればよいのか?
②人口問題
出生率が低水準となり、特に2050年までに人口が1億人を下回ると予測されている。2050年頃には、65歳以降の労働引退人口が人口の40%を占めると推測される。
労働者階級へのしわ寄せが増え自由に使える資産・過ごせる時間が大幅に減少する。また労働引退人口の健康と経済・余生を人間らしく生活するという基本的な人権が脅かされる。 人口自体が減り、人口ピラミッドの均衡が崩れる という問題にどう対処するべきか?
③自然災害・原子力問題
日本はたびたび地震や津波・台風等による 自然災害による甚大な被害 を受ける。とくに2011年は自然災害に伴う人災=原発による放射能汚染が大きな問題となった。その上、昨今ではウクライナ戦争に伴う エネルギー危機 を受け政府は更に稼働する原発を増やす方針を表している。天災と人災・環境汚染や核のゴミに日本は耐えられるのか?
④経済の低迷
日本国の一人当たりのGDP=労働生産性は1990年あたりからほぼ上昇しておらず、 「失われた30年間」 と呼ばれている。アメリカ・中国の企業が成功しているAI・クラウドソーシング等の新技術の社会実装を手掛ける企業が少ないのと、昭和的な上下下達式の非効率的な組織構造が温存されていることが原因であると考えられる。経済低迷からの脱却のため、官公庁や民間企業にはどんな工夫ができるか?
⑤国民主権の実体性
日本国の国民は国政選挙・地方選挙に立候補するのに莫大な資金を用意しなければならない。とくに小選挙区で立候補するには300万円の供託金に加え、党の運営に最低約1000万円ほどの資金を用意しなければらならない。日本の労働者階級にそんな余裕はない。また国民が政党運営に参加するには学問を学ぶ機会・余暇を使った自由研究が求められるが、平日をほぼ労働に使っている労働者階級にその両立は不可能である。 国民が政治に参加するためのハ―ドルを低し、その機会を広くする にはどうするべきか?
政治の世界で求められるリーダーシップ
リーターシップとは、 「自己の理念と価値観に基づいて魅力ある目標を達成・またはその実現に必要な体制を構築し、人びとの意欲を高め成長させながら課題や障害を解決する行動」 と定義されています。
今日本が求めているリーダーや人材には、保守かリベラルなのか、リバタリアンなのか共産主義者なのかといった 価値観がしっかりしている ことが重要です。 目標がしっかりしていて実力があり、人々をやる気にさせる人間 がこうした課題解決に成功する人であると考えられます。
理念による結集
意志や目標をなるべく多くの人と共有して一緒に行動するには、まず 多くの人の間で共感できるような 理念(Idea, Ism) に仕上げていくことが不可欠 です。そのためには、理念を 「自由・平等・民主主義」のような抽象的な言葉で表現する 必要があります。人類が行ってきた政治とは、こうした 抽象的理念の下に具体的現実を造る活動 であると言うことができます。
エンジニアやデータアナリストが日本国の課題の課題に取り組むためには、このような日本国の課題とは何かを具体的に知ること、そのうえでリーダーシップを発揮するのと 「何のために自分の能力と職業を活かすか」 という理念を自発的に考えることが肝要であると考えられますね。