はじめに
機械学習分野の数学を文系人間がゼロから頑張ろうとすると、まず高校数学が課題になります。
二次関数でさえ、すでに逃げたくなるレベルで難しい要素が出てきます。
特に解の公式の証明などを各サイトで見ると、唐突な割り算などが多く、ますます数学が嫌いになります。
そこで、高校数学の理解の第一歩として、解の公式の証明をなるべく省略せず、わかりやすく書いてみました。
解の公式の最終目標
$ ax^2 + bx + c = 0 $を$ x = ? $の形にすること
平方完成(途中で必要な概念)
平方完成の目的
ax^2 + bx + c = 0 \\
のうちの、
x^2 + bx
を
(x + α)^2 + β
にすることを考える。
式の展開
(x + α)^2 + β
を展開すると、
x^2 + 2αx + α^2 + β
となる。
以下の2つの式の、xの係数が同じ部分を見比べる。
\begin{align}
1)\ & x^2 + bx \\
2)\ & x^2 + 2αx + α^2 + β
\end{align}
係数x^2の部位
どちらも$ x^2 $
係数xの部位
2αx = bx
なので、
\begin{align}
2α &= b \\
α &= \frac{b}{2} \\
\end{align}
係数xがない部位
- には存在しないので0と等しいと考える。
α^2 + β = 0
の等式になる。
これを解く。
\begin{align}
α^2 + β &= 0 \\
β &= -α^2 \\
&= -(\frac{b}{2})^2 \\
\end{align}
当てはめる
αとβをそれぞれ当てはめる。
\begin{align}
x^2 + bx
&= (x + α)^2 + β \\
&= (x + \frac{b}{2})^2 -(\frac{b}{2})^2
\end{align}
解の公式の証明を行う
平方完成を使う
ax^2 + bx + c = 0
xの係数をaでくくる ($ a \times \frac{b}{a} = b $なのでbをaで割る)
a(x^2 + \frac{b}{a}x) + c = 0
$ (x^2 + \frac{b}{a}x) $を平方完成して$ (x + α)^2 + β $の形にする。
先ほどの平方完成の公式を当てはめる
a\{(x + \frac{b}{2a})^2 -(\frac{b}{2a})^2\} + c = 0
定数項の移行、通分する
大かっこを外す
※ちなみに、$ a(\frac{b}{2a})^2 = a(\frac{b^2}{4a^2}) = \frac{b^2}{4a}$
a(x + \frac{b}{2a})^2 - \frac{b^2}{4a} + c = 0
左辺のxの係数のない項を右辺に移項する
a(x + \frac{b}{2a})^2 = \frac{b^2}{4a} - c
右辺の項目を通分する
\begin{align}
a(x + \frac{b}{2a})^2
&= \frac{b^2}{4a} - \frac{4ac}{4c} \\
&= \frac{b^2 - 4ac}{4a} \\
\end{align}
二次式を一次式にする
両辺をaで割る
\begin{align}
\frac{1}{a} \times a(x + \frac{b}{2a})^2 &= \frac{1}{a} \times \frac{b^2 - 4ac}{4a} \\
(x + \frac{b}{2a})^2 &= \frac{b^2 - 4ac}{4a^2}
\end{align}
両辺とも平方根を取る(二次式は一次式になる、一次式は平方根を取る)
x + \frac{b}{2a} = \pm\sqrt{\frac{b^2 - 4ac}{4a^2}}
$ 4a^2 $ は2aの二乗なので平方根を外せる
x + \frac{b}{2a} = \frac{\pm\sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}
左辺の$ \frac{b}{2a} $を右辺に移項する
x = -\frac{b}{2a} \frac{\pm\sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}
左辺を通分して完成
x = \frac{-b\pm\sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}
課題
- 数式を「```math」で囲った場合でも左寄せにする方法がわからなかった
- 省略しないで書いたつもりですが、よくわからないところがありましたら質問ください。(こうしたほうがいいなども歓迎です)