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[AWS]Tag Editor 概要

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機能概要

  • AWS Tag Editorは、AWSアカウント内に存在する様々なリソースを横断的に検索し、タグの一括管理(追加・削除・編集)が可能な機能。
  • 通常、EC2やS3など各サービスごとに個別にタグ付けする必要があるが、Tag Editorを使えば単一の画面から複数のサービスおよび複数のリージョンにまたがるリソースを検索し、まとめてタグ操作できる。
  • これにより、タグ付け漏れの解消やタグの一貫性維持が容易になり、リソースの整理やコスト管理を効率的に実施できる。

主な機能

  • リソース検索

    • 指定したリージョン、リソースタイプ、タグ条件でリソースをフィルタリングして一覧表示できる。

    • タグ条件では、特定のタグキー・値を持つリソースや「タグ無し(not tagged)」のリソースを検索可能である。

  • タグの一括操作

    • 検索結果から複数のリソースを選択し、一度に同じタグを付与したり、既存のタグをまとめて編集・削除できる。

    • 必要に応じて、タグキーだけを一括追加し、各リソースごとに個別の値を入力するなど、柔軟な操作が可能である。

  • クロスリージョン対応

    • 単一リージョンに限定せず、全リージョンを対象に一括検索できるため、アカウント内の全リソースを横断的に確認できる。

    • 検索結果はCSV形式でエクスポートでき、リソースのインベントリ作成にも役立つ。

概念

  • タグ (Tag)

    • AWSリソースにメタデータとして付与するキーとバリューのペアである。

    • リソースを目的、所有者、環境、プロジェクトなどの属性で分類・識別するために利用する。

    • 例えば、キーEnvironmentに対してProductionDevなどの値を設定する。タグはリソース作成時に指定するか、後から追加でき、1リソースあたり最大50個まで付与可能である。

    • タグのキーおよび値は大文字小文字が区別される。

  • リソースグループ (Resource Group)

    • 複数のAWSリソースをまとめて管理するための論理的なグループ化機能である。

    • 特定のタグ(キーと値)の組み合わせやその他の条件に基づいてグループを定義し、関連するリソースを一括表示・操作できる。

    • 例えば、タグProject: Alphaを持つリソース群でグループを作成すれば、コンソール上でそのプロジェクトの全リソースを一覧表示し、一括操作が可能となる。

  • コスト配分タグ (Cost Allocation Tag)

    • AWSのコスト管理において、リソース利用料金をタグ別に集計・分析するための特殊なタグである。

    • ユーザーが定義したタグを「コスト配分タグ」として有効化すると、AWSの請求レポートやCost Explorer上でタグ単位のコスト表示が可能になる。

    • コストセンター、プロジェクト、チーム名などのビジネス視点のタグを指定することで、どのリソース群にどれだけのコストが発生しているかを可視化できる。

    • ただし、コスト配分タグとして有効化できるのは、実際にリソースに付与されているタグキーのみであり、利用前にタグをリソースへ設定しておく必要がある。また、有効化は管理アカウント(請求管理者)の権限で行い、一度有効にしても過去の請求に遡って適用することはできない。

  • リソースインベントリ (Resource Inventory)

    • アカウント内の保有リソースを一覧し、各リソースの属性情報を把握することを指す。

    • AWSにはConfigやResource Explorerなど、インベントリ管理のためのサービスが存在するが、Tag Editorを使ってタグ情報付きのリソース一覧を取得・エクスポートすることで、簡易的なインベントリ管理が可能となる。

    • 例えば、全リージョン・全サービスから特定のタグキーを持つリソースを検索し、CSV出力すれば、「現在どのリソースが存在し、どのようなタグが付与されているか」の台帳として活用できる。

    • タグを活用したインベントリ管理により、ガバナンス強化や、意図しないリソースの放置防止といった運用の抜け漏れチェックが実現できる。

ユースケース

  • 未タグ付けリソースの特定

    • タグ付けポリシーに漏れたリソースを洗い出すために利用する。

    • Tag Editorの検索条件でタグキーを指定し、値に(not tagged)を選択することで、そのタグが付与されていないリソースを一覧表示できる。

    • 例えば、すべてのリージョンを対象にEnvironment (not tagged)で検索すれば、環境タグが設定されていないリソースが一目で把握できる。

    • これにより、タグ未設定のリソースを特定し、後から適切なタグを付与することで、リソース管理の抜け漏れを防ぎ、コスト配分や運用管理の精度を向上できる。

  • コストセンター別の可視化

    • 各リソースにCostCenterProjectなどのタグを付与しておけば、Tag Editorでその値ごとにリソースを一覧化し、どのコストセンターまたはプロジェクトがどのリソースをどれだけ保有しているかを整理できる。

    • そのタグをコスト配分タグとして有効化すれば、AWSの請求レポート上でタグ別のコスト集計が可能となり、「プロジェクトAの月間費用」や「チームBのリソース利用額」といった視点でコストを可視化できる。

    • 無駄なリソースの発見や費用負担の明確化といったコスト最適化アクションが促進される。

  • 運用チーム別のリソース分類

    • OwnerTeamといったタグでリソースに所有チーム情報を付与しておけば、Tag Editorでチームごとにリソース一覧を抽出できる。

    • 各運用チームの担当リソースを可視化することで、責任範囲が曖昧なリソースの是正や、変更影響範囲の把握が容易になる。

    • また、チーム別にリソースグループを作成すれば、コンソール上でフィルタ表示したり、AWS Systems Managerなどと連携して一括操作することも可能となる。

    • タグ分類を活用することで、運用管理の効率化と明確な責任分担が実現できる。

設定方法

AWSマネジメントコンソール上でTag Editorを利用し、リソースにタグを一括付与する手順は以下の通り。
(前提:事前に適用するタグのキーと値、および対象リソースの条件を決定しておく)

  1. Tag Editorの起動
  2. 検索条件の指定
  3. 検索結果の確認とフィルタリング
  4. タグ付け操作の実行
  5. 結果の検証

タグ付け戦略とベストプラクティス

  • 命名規則の統一

    • タグキーおよび値のフォーマットを統一し、全チームで一貫して使用する。

    • 例:「環境」を表すタグキーはEnvironmentに統一し、大文字と小文字が区別されるため、表記ゆれや類義語の乱立を避ける。

    • 必要に応じて、AWS Organizationsのタグポリシー機能を活用して強制ルールを適用する。

  • 必須タグの定義

    • リソース作成時に必ず付与すべきタグ(例:所有者、用途、環境、コストセンターなど)をあらかじめ定め、運用プロセスに組み込む。

    • Tag Editorやカスタムスクリプトを活用して、定期的にタグ漏れリソースを検出・是正する仕組みを導入する。

  • コスト配分タグの活用

    • 部門やプロジェクトなど金銭管理に関わるタグは、必ずコスト配分タグとして有効化する。

    • 月次のコストレポートやダッシュボードでタグ別集計を確認し、異常な出費や不要なリソースを迅速に検知する。

    • タグキーは、有効化前にリソースへ設定しておく必要がある点に注意する。

  • タグの制限把握

    • AWSのタグ付与に関する技術的仕様(1リソースあたり最大50タグ、キーは最大128文字、値は最大256文字、aws:プレフィックスはAWS予約済み、機種依存文字の使用不可など)を理解し、無理のない運用を心がける。

    • 機密情報(例:パスワードなど)は、AWSのログや請求情報に残るため、タグに含めないようにする。

料金体系

  • AWS Tag Editorは、AWSマネジメントコンソールの一部として提供されており、追加料金は発生しない。
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