存在すら無視された gen_server:start_link の返り値

最初に断わっておくが、無視し続けても何も困らない可能性があるので、このページを見ても、内容は直ぐに忘れてもらっても構わないと思う。

gen_server:start_link/3, 4 の返り値に ignore がある。
これはどういう時に返ってくるかというと Module:init/1 で ignore を返した時である。

If Module:init/1 returns {stop,Reason} or ignore, the process is terminated and the function returns {error,Reason} or ignore, respectively.

Module:init/1 が {stop, Reason} または ignore を返すと、プロセスは停止し関数はそれぞれ {error, Reason} か ignore を返す。

さて、この ignore 、何に使うかというと supervisor のページを見れば理由がわかる。

• If the child process start function returns ignore, the child specification is added to the supervisor (unless the supervisor is a simple_one_for_one supervisor, see below), the pid is set to undefined, and the function returns {ok,undefined}.

• 子プロセスの start 関数が ignore を返した場合、子の仕様は supervisor に加えられるが pid は undefined に設定され、( start_child ）関数は {ok, undefined} を返す。

つまり、プロセスは起動させないが ChildSpec を登録するというようなことができる。

この影響で supervisor:child() の型には pid() だけでなく undefined が含まれるので注意しなければならない。

ちなみに、 simple_one_for_one の時は子の仕様は追加されない。

For a simple_one_for_one supervisor, when a child process start function returns ignore, the functions returns {ok,undefined} and no child is added to the supervisor.

simple_one_for_one の supervisor においては、子プロセスの start 関数が ignore を返した時、（ start_child ）関数は {ok, undefined} を返し、子は supervisor に追加しない。

もちろん、 supervisor:start_link/2, 3 も ignore を返せる。

ただ、めったに使うことがないと思われるので、皆さん ignore しておいてもいいのではないでしょうか。