WSLでUSB認識をしよう

この記事で結局使うコマンド

powershell:administrator

#wsl起動済み
usbipd wsl attach --busid 2-1

WSL

sudo chmod 777 /dev/ttyACM0

この記事の主題

• WSLでUSBを認識するための手順
• WSLがうまくいかなくなった場合の処置

環境

windows11 22H2
WSL2

最近はWSLのインストールもずいぶん簡単になり、powershellでwsl --installするだけでできるようになりました。Microsoft StoreでUbuntuをインストールしても同じ動作をするようです。

USBを認識させる手順

上記ページを参照してください。以下に簡単に解釈、要約したものを書きます。
まずwindowsにusbipdをインストールします。

powershell

winget install --interactive --exact dorssel.usbipd-win

その後WSLにusbipdの設定をしてあげます。ここでUnable to locateとか出た人はとにかく動かないWSL-Ubuntuをどうにかするを参照してください。僕はここでエラーが出ました。

WSL

sudo apt update
sudo apt upgrade
sudo apt install linux-tools-5.4.0-77-generic hwdata
sudo update-alternatives --install /usr/local/bin/usbip usbip /usr/lib/linux-tools/5.4.0-77-generic/usbip 20

そうしたら、powershellの方からUSBデバイスの接続をしてあげましょう。powershellを管理者モードで開きます。現在接続されているUSBデバイスをまず確認します。

powershell:administrator

usbipd wsl list

以下のようにデバイスの一覧が表示されます。

レスポンス

BUSID  VID:PID    DEVICE                                                        STATE
2-1    2341:0043  Arduino Uno (COM5)                                            Not attached
2-5    13d3:56eb  USB2.0 HD UVC WebCam, USB2.0 IR UVC WebCam, Camera DFU De...  Not attached
2-10   8087:0026  インテル(R) ワイヤレス Bluetooth(R)                           Not attached

今回はArduino Uno (COM5) というデバイスをWSLに認識させます。このデバイスのBUSIDである2-1を使います。

powershell:administrator

usbipd wsl attach --busid 2-1

これで接続が完了しました。確認してみましょう。

WSL

lsusb

レスポンス

Bus 002 Device 001: ID 1d6b:0003 Linux Foundation 3.0 root hub
Bus 001 Device 003: ID 2341:0043 Arduino SA Uno R3 (CDC ACM)
Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub

二番目に認識されているようです。
更に確認をします。

WSL

dmesg | grep tty

レスポンス

[    9.861989] cdc_acm 1-1:1.0: ttyACM0: USB ACM device

これでWSL上でttyACM0として認識されていることがわかりました。
アクセス権限も与えておきましょう。

WSL

sudo chmod 777 /dev/ttyACM0

これでデバイスが扱えるようになりました。切断時は

WSL

usbipd wsl detach --busid 2-1

を実行してくださいね。

とにかく動かないWSL-Ubuntuをどうにかする

さて、ここまででWSL-Ubuntuが動かなくなった人には2つの救済策があります。

1. WSL-Ubuntuをリセットする
2. 別のdistributionをセットする

まず簡単な1からやってみます。
設定>アプリ>インストールされているアプリ>Ubuntu を開き、詳細オプション内のリセットを選択します。

これで修復できれば万々歳です。

それでも何かしらの不具合がある場合は2の別のdistributionをセットするをやってみましょう。

powershell

wsl --install

を実行すると、

Linux 用 Windows サブシステムは既にインストールされています。
インストールできる有効なディストリビューションの一覧を次に示します。
'wsl.exe --install <Distro>' を使用してインストールします。

NAME               FRIENDLY NAME
Ubuntu             Ubuntu
Debian             Debian GNU/Linux
kali-linux         Kali Linux Rolling
SLES-12            SUSE Linux Enterprise Server v12
SLES-15            SUSE Linux Enterprise Server v15
Ubuntu-18.04       Ubuntu 18.04 LTS
Ubuntu-20.04       Ubuntu 20.04 LTS
OracleLinux_8_5    Oracle Linux 8.5
OracleLinux_7_9    Oracle Linux 7.9

と返ってくると思います。このNAMEにあるものがインストールできるdistoributionです。wsl --installコマンドでは、デフォルトでUbuntuがインストールされます。なのでここではUbuntu-20.04をインストールしてみましょう。

powershell

wsl.exe --install Ubuntu-20.04

最初にUbuntuをインストールしたときと同様、UNIX usernameとpasswordの設定を済ませます。

powershell

wsl --list

を実行すると現在インストールされているdistoributionが表示されます。

Linux 用 Windows サブシステム ディストリビューション:
Ubuntu (既定)
docker-desktop-data
Ubuntu-20.04
docker-desktop

UbuntuとUbuntu-20.04が確認でき、現在Ubuntuが既定となっています。
ではUbuntu-20.04を既定に設定しましょう。

powershell

wsl --set-default Ubuntu-20.04

最後にwsl --listで変更を確認しましょう

Linux 用 Windows サブシステム ディストリビューション:
Ubuntu-20.04 (既定)
docker-desktop-data
docker-desktop
Ubuntu

既定のdistoributionが変わっています。これで完了です。