Railsにおけるコントローラーロジックでの条件分岐とデータ取得の落とし穴

導入

Railsアプリケーションにおいて、コントローラー内でデータを条件に応じて取得しセットする際、予期しないバグやデータの不整合が発生することがあります。今回は、特に action_name を基に条件分岐を行い、会社のデータをセットするケースに焦点を当て、その問題点と解決策を紹介します。

問題の説明

以下のようなコントローラーメソッド set_company があります。このメソッドは、アクション名に応じて会社の情報を @company 変数にセットする目的で用意されています。

def set_company
  @company = case action_name
             when 'new'
               Company.find(params[:company_id]) if current_customer
               current_company if current_company
             when 'create'
               Company.find(reservation_params[:company_id])
             when 'edit', 'update', 'destroy'
               @reservation.company
             end
end

new アクションの際に、期待していた @company が nil になる問題が発生していました。

原因の分析

問題の原因は、new アクションのケースで、Company.find(params[:company_id]) の後に current_company の評価が行われており、Rubyの case 文の特性上、最後に評価された式の結果が @company にセットされるためです。もし current_company が nil または false を返す場合、@company も nil となります。

解決策

この問題を解決するためには、条件分岐を明確にし、確実に params[:company_id] が存在し、かつ current_customer が真の場合のみ Company.find(params[:company_id]) を評価するように修正します。

def set_company
  @company = case action_name
             when 'new'
               if current_customer && params[:company_id].present?
                 Company.find(params[:company_id])
               else
                 current_company
               end
             when 'create'
               Company.find(reservation_params[:company_id])
             when 'edit', 'update', 'destroy'
               @reservation.company
             end
end

結論

この修正により、@company が正しくセットされるようになり、new アクションでの期待される動作が保証されます。Railsにおいては、コントローラー内でのデータフローを管理する際には、特に複数の条件が絡む場合には慎重にロジックを設計する必要があります。