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Railsで多対多の関係を扱う - Part 3: Eager Loadingを避けるべき場面と最適化戦略

Last updated at Posted at 2024-04-22

前回までの記事

はじめに

前回は includesjoins の使い分けについて詳しく解説しました。今回は、Eager Loading(事前読み込み)を避けるべき場面と、データ取得戦略を最適化するためのテクニックに焦点を当てます。

Eager Loadingを避けるべき場面

Eager Loadingは多くの場合に便利でパフォーマンス向上に寄与しますが、すべてのシナリオで最適なわけではありません。以下は、Eager Loadingを避けた方が良い場面です。

  1. 大量の関連データがある場合:

    • 関連データが非常に多い場合、事前にすべてを読み込むとメモリ使用量が大幅に増加し、アプリケーションのパフォーマンスが低下する可能性があります。例えば、一つの親レコードに対して数千から数万の子レコードがあるような場合、必要なデータだけを選択的にロードする方が効率的です。
  2. 関連データがほとんど使われない場合:

    • ページや処理において関連データがほとんど使われない場合、無駄なデータ読み込みとなります。たとえば、ユーザー一覧を表示するだけで、ユーザーの詳細なプロフィール情報は不要な場合です。
  3. 特定の条件によってのみ関連データが必要な場合:

    • 関連データが特定の条件下でのみ必要とされる場合、その条件が一般的でない限り、Eager Loadingは無駄になる可能性があります。例えば、管理者だけがアクセスする詳細情報などです。

データ取得戦略の最適化

効率的なデータ取得戦略を立てるためには、以下のようなテクニックが有効です。

  1. 選択的Eager Loading (preload, eager_load):

    • includes に代わり、preloadeager_load を使用することで、より細かく制御できます。preload は関連データを別々のクエリで事前に読み込み、eager_loadLEFT OUTER JOIN を使用して単一のクエリでデータを取得します。
  2. バッチ処理:

    • 大量のレコードを処理する場合、find_eachfind_in_batches を使用して、メモリの消費を抑えながらレコードをバッチ処理することができます。
  3. クエリのリファクタリング:

    • クエリの選択肢を見直し、必要なカラムのみを選択することで、読み込むデータ量を減らし、パフォーマンスを向上させることができます。

まとめ

Eager Loadingは強力なツールですが、その使用は状況に応じて慎重に行う必要があります。適切な場面で適切なデータ読み込み戦略を選ぶことで、アプリケーションのパフォーマンスとスケーラビリティが大きく向上します。これにより、より快適で効率的なユーザーエクスペリエンスを提供できるようになります。

次回以降の記事

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