Railsアプリケーション開発中にはしばしばUnpermitted parameters
の警告に遭遇します。この警告は、ストロングパラメータによって許可されていないパラメータがリクエストに含まれていることを意味します。この記事では、この警告をどのように扱えばよいのか、そしていつ無視しても安全なのかについて説明します。
Unpermitted parameters
とは?
Railsでは、コントローラに送られてくるパラメータを管理するためにストロングパラメータが導入されています。これにより、不正なパラメータによるマスアサインメント脆弱性を防ぐことができます。Unpermitted parameters
の警告は、ストロングパラメータによって明示的に許可されていないパラメータがリクエストに含まれている場合に出されます。
警告が出る原因
- フロントエンドから予期しないパラメータが送信されている。
- コントローラのストロングパラメータの設定が不足している、または誤っている。
警告を解消する方法
-
パラメータを正しく許可する: 必要なパラメータが警告として出ている場合は、ストロングパラメータの設定を見直して、適切に許可するようにしましょう。
-
不要なパラメータを削除する: フロントエンドから送信されるが、実際には使用しないパラメータがある場合は、フロントエンドのコードを修正して送信しないようにしましょう。
警告を無視してもよい場合
- データの保存や更新処理に影響を与えない追加のパラメータが含まれている場合。
- アプリケーションのセキュリティポリシーに基づき、特定のパラメータを意図的に無視する場合。
Unpermitted parameters
を無視しても良い例
以下のupdate
アクションでは、スタッフが提供するサービスの情報(service_ids
、service_fees
、service_durations
)を更新しています。
def update
if current_staff || (current_company && @staff.company_id == current_company.id)
params[:staff][:service_ids].each do |service_id|
service = Service.find(service_id)
fee = params[:staff][:service_fees][service_id].presence || service.default_fee
duration = params[:staff][:service_durations][service_id].presence || service.default_duration
@staff.update_or_create_available_service(service_id: service_id, fee: fee, duration: duration)
end
if @staff.update(staff_params)
redirect_to staff_path(@staff), notice: 'スタッフの情報が正常に更新されました。'
else
render :edit
end
else
redirect_to root_path, alert: 'アクセス権限がありません。'
end
end
class Staff < ApplicationRecord
# AvailableServiceの更新または作成
def update_or_create_available_service(service_id:, fee:, duration:)
available_service = self.available_services.find_or_initialize_by(service_id: service_id)
available_service.fee = fee
available_service.duration = duration
available_service.save
end
end
このケースでは、service_fees
とservice_durations
はStaff
モデルの直接の属性ではありません。これらは、AvailableService
モデルを介して関連するサービスの料金や期間を更新するために使用されます。そのため、これらのパラメータはStaff
モデルの更新処理には直接関与しません。
この場合、Unpermitted parameters
の警告が表示されるかもしれませんが、それはstaff_params
メソッドでこれらのパラメータが許可されていないためです。しかし、実際にはこれらのパラメータが適切に処理され、関連するAvailableService
レコードが更新されています。
警告を無視する理由
この例では、service_fees
とservice_durations
パラメータは特定のビジネスロジックに基づいて処理されており、これらの値がStaff
モデルに無関係であるため、Unpermitted parameters
の警告を無視しても問題ありません。重要なのは、アプリケーションのセキュリティを損なわず、意図した通りにデータが処理されているかどうかです。
このようなケースでは、警告を無視する前に、以下の点を確認してください。
- 警告されているパラメータが意図した処理に正しく使用されているか。
- これらのパラメータがアプリケーションのセキュリティに影響を与えないか。
ベストプラクティス
- セキュリティを優先する: 不要なパラメータが含まれている場合でも、それによってアプリケーションのセキュリティに問題が生じないように注意しましょう。
-
警告の原因を理解する:
Unpermitted parameters
の警告が出る原因を理解し、必要に応じてアプリケーションのコードを修正することが重要です。 - ドキュメントを参照する:RailsガイドやAPIドキュメントを参照して、ストロングパラメータの正しい使い方を確認しましょう。
結論
Unpermitted parameters
の警告は開発中に有用な情報を提供しますが、すべての警告が直ちに対処すべき問題を示しているわけではありません。警告の内容を理解し、アプリケーションのコンテキストに基づいて適切に判断することが重要です。