概要
win7、win8がプリインストールされたパソコン(以下、win7-PC、win8-PC)をlinuxとのdualbootにする際、手間取ったので、win7-PC、win8-PCを比較しながら、メモを残す。
背景
win7-PC、win8-PCは発売時期が2009〜2014年で、tmp2.0を搭載しておらず、win11へのアップグレードは無理。このため、比較的高スペックな中古パソコンが安価に販売されている。これらを入手し、win10とLinuxのdualbootにして遊ぶことにした。その際に win7-PCとwin8-PCで、手順に違いがあったことから、折角なので、メモを残す。
win7-PCとwin8-PCで、何が違うのか
dualboot周りでは、以下の4点が違う。
- BIOSの種類とパーティション構成
- win10の高速スタートアップの初期設定
- securebootの有無
- fastbootの有無
BIOSの種類とパーティション構成
win7-PCのBIOSは、レガシーBIOSである。したがって、パーティーション構成はMBRである。対して、win8-PCのBIOSは、UEFIBIOSである。したがって、パーティーション構成はGPTである。
win10のインストールメディアは、これらに影響されるか?つまり、レガシー=MBR用とUEFI=GPT用で、インストールメディアを変える必要があるか?というと、これは不要。例えば、win7-PC(レガシー=MBR)で作ったwin10インストールメディアで、win7-PCもwin8-PC(UEFI-GPT)も、問題なくインストールできた。
それでは、linuxのインストールメディアは、これらに影響されるか?レガシー=MBR用とUEFI=GPT用で、インストールメディアを変える必要があるか?というと、これは不要。不要にするために、パーティーション構成を「MBR」に、ターゲットシステムを「BIOSかUEFI」にしておく。これにより、win7-PCはレガシー=MBR、win8-PCはUEFI=GPTで、問題なくインストールできた。
win10の高速スタートアップの初期設定
win10には、OS終了時の情報をCPUやメモリに保存して、OSの起動を高速化する「高速スタートアップ」という機能があるが、マシンの性能によって、初期設定が異なる。win7-PCでは無効、win8-PCでは有効になっている。
この機能の困ったところは、有効になっていると、OSをシャットダウンして、電源を再投入した時、「F2」を押しても、BIOS画面に入れないこと。BIOS画面に入らないと、インストールメディアの順序の変更ができない。
以下の設定変更で、高速スタートアップを無効にできる。
- 「スタート」ボタンを右クリックして「電源オプション」選択
- 「電源とスリープ」画面から「電源の追加設定」をクリック
- 「電源オプション」→「電源ボタンの動作を選択する」→「システム設定」と進む
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」画面内の「高速スタートアップを有効にする(推奨)」についているチェックを外す
これで、OSをシャットダウンして、電源を再投入した時、「F2」を押せば、BIOS画面に入れる。
なお、まぎらわしいが、「高速スタートアップ」と後述の「fastboot」は別物。
securebootの有無
securebootは、UEFIbootの機能の1つで、win7-PCには、搭載されていないが、win8-PCには、搭載されている。
securebootは、素性の知れないOSをインストールさせない機能で、有効になっていると、win10はインストールできるが、linuxをインストールできない。
これは、win10のインストールメディアは、securebootに対応しているが、rufusで作成したlinuxのインストールメディアは、securebootに対応していないためである。
このため、secureboot有効のまま、linuxのインストールメディアを起動しても、liveブート(つまり、HDDやSSDに書き込まないメモリ上での起動)は可能だが、インストール(HDDやSDDへの書き込み)で、拒否されてしまう。
securebootの有効/無効は、BIOS画面で簡単に変更できる。なお、securebootの設定を変更するには、BIOS管理者のパスワードを設定しなければならない。
fastbootの有無
fastbootは、UEFIbootの機能の1つで、win7-PCには、ほとんど搭載されていないが、win8-PCには、搭載されている。
fastbootは、起動時の初期化を省略して、起動を高速化する機能で、有効になっていると、bootloaderを更新できない。このため、win10がインストールされたパソコンに、linuxをインストールできるものの、bootloaderがうまく更新されず、OS選択画面が出ない。(linuxしか起動できなくなる。)
これは、linuxがインストールする際に自動更新されたbootに関するデータが、起動時に読み込まれないためである。
fastbootの有効/無効は、BIOS画面で簡単に変更できる。なお、パソコンによっては、fastbootではなく「QuickBoot」の表示になっている。