こんにちは。現在Standard Cognition( https://standard.ai )というSFにある会社でSoftware Engineerをやっている原健太です(@hellokenta_ja)
いちばんやさしいグロースハックの教本
こちらの本が、グロースハックを学ぶ上でとても良いという噂を聞いたので、早速読んで、その概要をまとめてみました。
こちらの本では、AARRRモデルを拡張した、 __ARRRAモデル__というものを使用して、グロースハックを実行しています。
まずは、その一番最初の Activationから説明していきます。
Activation
この本では、 Activationを
- そもそもサービスに価値があるのか(PSF)
-
その価値をサービスの初回利用時にユーザーにしっかりと伝えられているか(ユーザオンボーディング)
という2つのフェーズに分けて説明しています。
まずPSFを検証し、サービスに価値がある事が分かったら、ユーザオンボーディングを改善していくという順番です。
PSF(Problem Solution Fit)の検証
①の、「そもそもサービスに価値があるのか」の検証。
検証方法は以下の2つ
1.MVP(Minimum Viable Product)を作って検証する方法
- MVPとはある特定の仮説を検証するために **「必要最低限の機能を盛り込んだ製品」**のこと
- 必ず何かの検証のために作られる
2.ジャベリンボードでスマートに検証する方法
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STEP1 : ブレストして、最初の仮設をセットする
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「顧客・課題・解決法」をチームでブレストして、自分たちのサービスは「誰の・どんな課題をどうやって解決する」サービスだと言えるのかを話し合う
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例えば、
- 顧客:都心の1人暮らしの大学生
- 課題:家に物を置くスペースがない
- 解決法:倉庫を低価格で借りられて24時間取りに行ける
など
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STEP2 : 最も検証すべき前提を洗い出す
- STEP1のセットは、いろいろな前提の上で成り立っている。上の例で言うと、 「1人暮らしの大学生は家に荷物をたくさんもっているだろう」 **「1人暮らしの大学生は倉庫に荷物を取りに行くことに苦痛を感じないだろう」**などの前提を想定している。
- まず列挙し、 **「不明度」**と **「インパクト」**の2軸で再優先の前提を見つける(自明なものは検証する必要がない)
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STEP3 : 検証方法と判断基準を決定する
- ヒアリングなどの検証方法
- 60%以上Yesと回答で検証成功などの判断基準
を決める
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STEP4 : オフィスの外に出て、検証学習する
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STEP5 : 学びを活かしてアイディアをアップデートする
- ヒアリングの結果、前提条件が間違っていた事が分かったなどの学びがあれば STEP1の「顧客・課題・解決法」のセットを更新する
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STEP6 : 確証を持てるまで1~5を繰り返す
こちらを行うと、以下のようになる。
ディスカッションの生産性の上げ方
- ブレストの際は、アイディアをとにかくたくさん出す。(質より量)
- 話し合いをする時は立って行う
- 時間をしっかり区切る
- イラストを描くなりして、認識のすり合わせを行う
- 意見の収束(決め方)の方法を決める
ユーザーオンボーディング
- 初回利用時にユーザに「このサービスすごく良い!」と思ってもらうようにすること
- ユーザオンボーディングが成功しているかどうかは新規ユーザの再訪率を見て判断する(サービスによってどの期間の再訪率を見るのかは違う)
- 価値提案では、「何を」「いつ」「どうやって」伝えるかを考える
- 「User Onboarding」「UX Archive」「Inspired UI」などのサイトが参考になる
- さまざまな他社事例から学ぶ
ファネル分析とパターン分析で改善箇所を見つける
ファネル分析
- ファネル分析とは
- ファネル分析によって、改善箇所を発見する
パターン分析
設定した、KGIやKPIに基いて、望ましい状態にいるユーザと望ましくない状態にいるユーザに分け、それぞれに定性・定量分析を行い、成功の共通パターンと失敗の共通パターンを見つける
- 定性的なパターン分析
- 定性的なパターン分析の一般的な方法は、ユーザインタビュー
- ユーザインタビューによって得られた学びを、 **「発生頻度」**と **「インパクト」**の2軸で整理し、対応する優先順位をつける
- ユーザインタビューの方法は、
- アプリで通知を出す
- 集めたいユーザが多く見る画面でバナーを出す。
- ユーザは「インタビュー募集」という名目じゃ集まらない。「交流会」や「ワークショップ」という名目で集める
- 定量的なパターン分析
- 成功パターンユーザーと、失敗パターンユーザの行動ログを分析する
- 行動ログを分析する事によって、先行指標を探す
- 先行指標とは例えば、SNS系のサービスで、初日に1つでも投稿しているユーザーは翌日再訪する可能性が飛躍的に高まる場合、「初日の投稿率」が、翌日再訪率の先行指標
- KGIの先行指標がKPI
良いKPIの特徴
- 行動に繋がる指標である事
- 理解しやすい事(算出しやすい、説明しやすいなど)
- 期間毎に比較ができる事
例えば、「登録初日ユーザーの投稿数」というのはあまり良いKPIじゃない。なぜなら、登録ユーザが増えれば、投稿数も増えていくから。そのため、KPIとしては、「登録初日ユーザに占める、投稿ユーザの割合」の方が良い。割合で見ることにより、異なる期間でフェアな比較ができる。
施策をブレストする
- とにかく数を出す
- 施策は、「インパクト」と「工数」という2軸で整理し、工数がなるべく小さく、インパクトが大きいものから順番に実行に移す
KPIとKGIの両方が改善しているか確認する
- 細かいKPIの数値は上昇したが、KGIは減少しているということはよくある
- その時はしっかり分析のフェーズに戻って、KPIを設定し直す
まとめ
- サービスを開発する際、
- そのサービスに価値があるのか(PSF)
- その価値を初回起動時にユーザに伝えられているのか(ユーザオンボーディング)
の2軸から Activationを高めていく。
こちらの内容は、かなり要約しているので、気になる方は、ぜひ
こちらの本を読んでみてください。
いろいろなわかりやすい事例なども載っていたりするので、とても分かりやすいですよ。
次回は、 Activationの次に行うべき、 Retensionを書こうと思います。