Proxmox Virtual Environment(以下 Proxmox VE or PVE)マシンのシェルから
apt update
apt ugrade
を実行するとFailed to fetch https://enterprise.proxmox.com/debian/pve/dists/bullseye/InRelease 401 Unauthorized
エラーが表示される。
# apt update
Get:1 http://security.debian.org bullseye-security InRelease [48.4 kB]
Get:2 http://security.debian.org bullseye-security/main amd64 Packages [193 kB]
Get:3 http://security.debian.org bullseye-security/main Translation-en [122 kB]
Get:4 http://ftp.jp.debian.org/debian bullseye InRelease [116 kB]
Get:5 http://ftp.jp.debian.org/debian bullseye-updates InRelease [44.1 kB]
Get:6 http://ftp.jp.debian.org/debian bullseye/main amd64 Packages [8,184 kB]
Get:7 http://ftp.jp.debian.org/debian bullseye/main Translation-en [6,239 kB]
Get:8 http://ftp.jp.debian.org/debian bullseye/contrib amd64 Packages [50.6 kB]
Get:9 http://ftp.jp.debian.org/debian bullseye/contrib Translation-en [46.9 kB]
Get:10 http://ftp.jp.debian.org/debian bullseye-updates/main amd64 Packages [14.6 kB]
Get:11 http://ftp.jp.debian.org/debian bullseye-updates/main Translation-en [7,929 B]
Err:12 https://enterprise.proxmox.com/debian/pve bullseye InRelease
401 Unauthorized [IP: 51.79.159.216 443]
Reading package lists... Done
E: Failed to fetch https://enterprise.proxmox.com/debian/pve/dists/bullseye/InRelease 401 Unauthorized [IP: 51.79.159.216 443]
E: The repository 'https://enterprise.proxmox.com/debian/pve bullseye InRelease' is not signed.
N: Updating from such a repository can't be done securely, and is therefore disabled by default.
N: See apt-secure(8) manpage for repository creation and user configuration details.
Proxmox VE とは
Proxmox VEとは「OS の仮想化に特化した Linux」です。
Proxmox VE(以下 PVE or Proxmox)は、恐れずに言うなら「Citrix Xen、VMware、VirtualBOX などのような仮想マシン(ハイパーバイザ)機能を抜き出して OS にしたようなもの」です。
厳密には、Linux の KVM(カーネル・ベース仮想マシン)や LXC(Linux コンテナ)を動かすためにチューニングされた Debian ベースの Linux に、Proxmox という専用管理アプリをのせたものです。
つまり、OS の仮想化に特化した Linux のディストリビューションと言えます。
エンタープライズ(企業)向けの OS であるため、安定版やサポートが必要な場合は有償となるものの、オープンソースなので自分で勉強して利用するならば、自己責任で最新版(つまり非安定版というか開発版)を無料で利用できます。
PVE はベアメタル型(Type-1)と呼ばれるタイプの仮想マシン機能を使っており、ハードウェアとハイパーバイザー(ゲスト OS)の間にホスト OS がほとんど関与しません。そのため起動後はローカルインストールと比べても高いパフォーマンスが期待できます。
もちろん仮想化を使わずにローカル・インストールするのが一番パフォーマンスはいいです。しかし、高パフォーマンスを保ちながら、複数 OS を起動し、トライ&エラーやトラブル時にも環境を即座に再構築できる(コンテナを作成できる)のが PVE を使う理由です。
Proxmox はヘッドレス(CUI)で動き、Web UI を通して管理します。仮想マシン環境(ハードウェアを仮想化する技術)なので、ISO イメージがあれば Linux に限らず Windows 11 どころか macOS すらも(Apple マシンであれば)PVE 上で動作させられるのが特徴です。
また、クラスタ機能も標準で搭載しており、PVE マシンを 3 台以上用意すれば HA(高可用性)を高めることもできます。このことから、エンタープライズ(企業)用途に多く使われている実績があります。特に標準(デフォルト)で動作するマシンも多いため、使われなくなったマシンを再活用(リソースを再活用)するのに、多いに役立ちます。
Proxmox が標準でサポートするコンテナのタイプは、KVM に加え LXC(Linux コンテナ)です。
ホストとは異なるカーネル(ホストとは違うカーネルバージョンの Linux、Windows や macOS)を使うなら KVM(MV)を利用します。ホストにはないハードウェア(例えば TPM など)も仮想化したい場合は KVM(VM)を選択します。逆に、ホストのカーネル(Linux カーネル)を使うなら LXC(CT)を使う方が容量の節約になります。
残念なことに OCI 形式のコンテナには対応していません。そのため、OCI のコンテナの代表格である Docker や Podman も Proxmox で動かしたい場合は、Ubuntu や Alpine などの VM もしくは CT を作成し、その上に Docker、docker compose
や Kubernetes などを入れて動かすことになります。
この場合、仮想マシン上で Docker を動かすことになるため、Windows や mcaOS で Docker を動かすのと同じ構図になります。とは言え、それらほどオーバーヘッドはありません。同じ Linux カーネルであるためです。
ホスト OS(Proxmox)は Debian ベースなので、ホスト上に直接 Docker をインストールすることも可能ですが、メンテナンス性や安定動作の観点から Proxmox を利用するメリットは半減します。
その数パーセントのオーバーヘッドがどうしても気になるようであれば、Proxmox を使わずに他の Linux(例えば Alpine Linux などの軽量で堅牢な Linux)を本体(ベアメタル)にインストールし、その上に Docker などを載せて Portainer などで管理した方がいいでしょう。
TL; DR (今北産業)
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apt
実行時に安定版(有償向け)のリポジトリを参照しに行くも、サブスクリプションの登録をしていないことによるエラーメッセージ -
apt
リポジトリの参照先から安定版のリポジトリを外すことでエラーを回避できる - 代わりに
pve-no-subscription
の最新リリース版のリポジトリを追加する- その代わり、GUI 画面でサブスクリプションされていない旨のワーニングが常に表示されます
TS; DR (Proxmox をインストールしたら、まずやること)
- 検証環境: Proxmox VE 8.1.3
GUI 画面から変更する場合
直接設定ファイルを変更する場合
以下は bullseye
(Debian 11)ですが、最新の Proxmox VE8.1 は bookworm
(Debian 12)に置き換えてください。
- 有償版(安定版)の無効化
- deb https://enterprise.proxmox.com/debian/pve bullseye pve-enterprise
+ #deb https://enterprise.proxmox.com/debian/pve bullseye pve-enterprise
- 無償版(最新版)の有効化
echo "deb [arch=amd64] http://download.proxmox.com/debian/pve bullseye pve-no-subscription" > /etc/apt/sources.list.d/pve-install-repo.list
wget https://enterprise.proxmox.com/debian/proxmox-release-bullseye.gpg -O /etc/apt/trusted.gpg.d/proxmox-release-bullseye.gpg
sha512sum /etc/apt/trusted.gpg.d/proxmox-release-bullseye.gpg
$ apt update && apt full-upgrade
$ reboot now
参考文献
- Install Proxmox VE | Install Proxmox VE on Debian 11 Bullseye | Wiki @ Proxmox.com
- Before I do anything on Proxmox, I do this first... | Techno Tim @ Youtube