はじめに
皆さんはなぜ「はじプロ」を買おうと思っただろうか。私は車が作りたかったからだ。元々「クルマノードン」なるものはあるが、私はレースゲームというよりリアルな車を作ってみたかった。
はじプロが発売されると知ってPVを見た所、その1シーンにこんなものがあった。
「なんと!戦車ではないか!それなら車も作れるに違いない!」と思い購入した。
第一章【試作と絶望】
早速フリープログラミングを開放させるため、ナビ付きレッスンをちゃちゃっと済ませ、その広い大地に降り立った。
連結も思い通りにできない中、手探りでなんとなく車っぽい形に仕上げていく。
〚円柱なのにタイヤがうまく転がらない〛
物理エンジン的に転がるシミュレートは難しいのかと思って、仕方なくタイヤはツルツルで滑らせてテクスチャで回ってるように見せ、動かせるモノで動かす戦法に出た。
これで良いだろう。割りとそれっぽく走ってるし、完成!公開してみよう!どうやらネットに作品を紹介できるサイトがあったので、投稿してみた。第二章【出会いと革命】
先のサイトを見ていた所、私の作品をアレンジして下さってる方が居た。そこからTwitterに飛んでみたら、そこには、はじプロ界隈なるものがあった。
色々な方が作品を載せたり、技術の共有をしていたりと夢のような世界が広がっていた。
そこで驚愕の事実を発見する。
〚球のタイヤは良く転がる〛
〚円柱は16角柱〛という事が判明
そりゃ転がらない訳だ。
というわけで開発は球タイヤに移行し、現実と同じくタイヤで地面を蹴って駆動する車を開発することとなった。リアルになったと同時に、車の挙動など、はじプロの物理エンジンがかなり良くできている事が分かった。
こうした球タイヤで走る車の事を、はじプロ界隈では「物理車」と呼んでいる。
第三章【大地との戦い】
はじプロはモノノードンを配置して地形を作る。その種類は直方体、円柱、球の3種類なので滑らかな地形を作るのは難しい。何も工夫しないと、こうした段差で予期せぬ挙動をしてしまう。
そこで、衝撃を吸収するための装置、サスペンションを開発することにした。 まず目をつけたのが連結のたわみ。連結面の面積が小さいほど、加わる力が大きいほど、大きくたわむようになる。それを利用して衝撃を吸収しようと試みた。これを私は「物理サスペンション」と呼んでる。 コミカルで可愛らしい動きだ。確かに衝撃は吸収できているが、その後にしばらく振動していることが分かる。それもそのはず、現実の車には搭載されている振動を減衰させる装置「ショックアブソーバー」が付いていないからだ。これだと挙動が安定しないため、全く別のアプローチで考えることにした。そして閃いた。 その名も「デジダルサスペンション」 2つの動かせるモノをスライド連結で繋ぎ、両方に位置センサーを付け、その距離が近いほど強く反発するようになっている。中間ノードンで反発力をいくらでも制御できる為、先に言ったショックアブソーバーも搭載できる。これを四輪に搭載して滑らかで高性能なサスペンションが完成した。 そして このような複雑な地形でもスムーズに走ることができる。 だがこれにもデメリットがあった。それは、「ノードン数が多い」ということだ。第四章【制限を超えて】
ノードン数が多いことは512ノードン制限の中でも痛手ではあるが、私が危惧するのは連結上限だ。
連結は、全体で32個、直列で17個、並列で8個までという制限がある。デジタルサスペンションでは複雑な機構を4つも搭載するため、すぐにこのリミットに当たってしまい装飾にあてられるノードン数が非常に少ない。先の動画でもボディには2ノードンしか使えなかったのである。
そこで目をつけたのが巷で話題の「ワープ連結」。
ワープ連結だと、別の連結グループをワープで持ってくるだけなので、「シャーシ専用グループ」と「ボディ専用グループ」に分けることができ、ボディにあてられるノードン数が一気に増えることになる。一見メリットしかないこのシステムだが大きな弱点があった。それは
〚1フレーム前の場所と角度にワープしてくる〛ということだ。
このように普通にワープ連結しただけだとズレが大きくて違和感がある。そこで思いついたのは、「1フレーム後に居るだろう場所と角度にワープを配置する」ということ。やや複雑にはなるが、そのワープ補正をやったのがこちら 見ての通りほぼ違和感なくワープが追従する。第五章【究極の物理車】
そうして全ての技術を結集したのがこれ。
ここでは紹介しきれなかった細かな技術も搭載し、はじプロ自動車開発は究極の域に達した。おわりに
はじプロで自動車を開発する中で、はじプロの仕様を理解し、困難をも乗り越えてきた。まだまだ新たな技術や革命が生まれる事を望み、開発を続けていきたい。また、今までは技術だけを追い求めて来たが、今後は皆がどうやったら楽しめるのかを考え、ちゃんとしたゲーム性のあるゲームも作っていきたいと思っている。