はじめに
Power Automate for desktop (旧名称:Power Automate Desktop) が一般公開され、早1年経ちました。
せっかくの機会なので、Power Automate for desktop の誕生から、2021年の更新情報を一部ピックアップしながらとまとめてみようと思います。
Power Automate for desktop の12月末までの歴史
2020年の更新情報
【2020年 4月】UI flows の一般公開
- Microsoft 社が開発したPower Automate のRPA機能
- UI Automation の framework を利用した機能
【2020年 5月】Microsoft社によるSoftomotive社の買収とPower AutomateとWinAutomation統合
- Power Automate からWinAutomation(Power Automate for desktopの前身)を呼び出し可能に
- Power Automate のRPA機能強化(UI flows/WinAutomatioinが利用可能に)
【2020年 9月】Power Automate Desktop のプレビュー公開
- Power Automate Desktop(旧名称)がプレビュー公開
- UI flows/WinAutomation の後続製品として登場
- クラウドネイティブなRPA製品
- Power Automate の一機能
【2020年12月】Power Automate Desktop の一般公開
- Microsoft 公式ブログの記事
- WinAutomation からPower Automate Desktop への移行ツールが公開
2021年の更新情報
【2021年 3月】Power Automate Desktop がWindows 10 ユーザーへ無償公開スタート
Power Automate DesktopがWindows 10を利用しているユーザーは追加の費用無し(無償)で利用可能となりました。(※トリガー実行やスケジュール実行等は別途有償ライセンスが必要)
世界的にも話題になりました。
個人的にも衝撃を受けたことをいまだに覚えています。
ひとり1台RPAを保有することで、日々の単純作業は自動化し、より付加価値の高い業務に時間を使うことができるという流れは素晴らしいと改めて感じた瞬間でした。
【2021年 5月】On-premises data gateway 無しでデスクトップフローの利用が可能に
On-premises data gateway を利用しなくてもPower Automate for desktop単体でクラウドフローからデスクトップフローが呼び出すことができるようになりました。
On-premises data gateway の設定でハマってしまって。。。という方もよく見かけたので、セットアップが楽になるのはいいですねー!
【2021年 6月】「Desktop フローを実行」アクションが追加
個人的に2021年のアップデートNo.1の機能です。
前身であるWinAutomationでも多用していたので、このアップデートはとてもうれしかった記憶があります。
フローから別フローを呼び出すことができるようになり、以下のメリットが享受できるようになりました。
- フローを部品化、細分化可能に
- 部品化したフローを組織内で共有することによって、開発コストを下げる、品質の標準化が可能に
システムへのログイン処理や、ログアウト処理、高度な処理(スクリプト処理を含めたフローなど)を部品化して共有すると他のPower Automate for desktop利用者は呼び出すだけになるので、開発が楽になります。
【2021年 8月】「Excel」関連のアクションが追加
Excel関連のアクションが追加されました。
Excel操作の際、いくつかのアクションを組み合わせることで実現できていた処理をより少ないアクションで実現できるようになりました。
- Excel ワークシートから削除する
- Excel ワークシート内のセルを検索して置換する
- Excel ワークシートのアクティブなセルを取得する
- Excel ワークシートの列名を取得する
特定の値が格納されているセルを検索する場合、「Excelワークシート内のセルを検索して置換する」アクションを利用することでより簡単にフローが実現できるように。
【2021年10月】名称が「Power Automate for desktop」に変更/Windows 11 標準搭載
- 製品名が「Power Automate Desktop」⇒「Power Automate for desktop」に変更されました
- 「Power Automate」という名称でPower Automate for desktop がWindows 11 に標準搭載されました
Windows 11のPCであれば、Power Automate for desktop のインストールや設定は不要で、アプリケーションにMicrosoftアカウントでサインインするだけでRPA機能をすぐに利用できる。というのは衝撃でした。
より自動化、効率化が身近な存在になったなーと感じた瞬間でした。
【2021年10月】アクショングループの変更
デスクトップフローのDLPポリシーの対応に伴って、アクショングループが変更となりました。
今まで、「ウィンドウコンテンツを待機する」や「画像を待機」などのアクションは「待機」アクショングループに、「ウィンドウが次の条件を満たす場合」、「ウィンドウが次を含む場合」のアクションは、「条件」アクショングループに関連付けされていましたが、「UI オートメーション」、「ブラウザー自動化」などそれぞれのアクショングループ配下に振分されました。
【2021年12月】レコーダー機能の統合
様々なアップデートが盛り沢山な12月ですが、中でもレコーダー機能の統合はインパクトが大きかったです。(ユーザーにとってはWebの操作、デスクトップ操作でレコーダーを切り替える必要もなくなったりとメリットは大きいと思います)
Web操作、デスクトップアプリケーション操作、画像操作もレコーダー1つで記録できるようになりました。
【2021年12月】キーの送信アクションで送信先を選択可能に
自動化したい操作を全て「キーの送信」を使って実現させるというのはNGだとは思うものの、どうしてもキー送信が必要になる場面は出てきます。
その際に、今までだとどの項目に入力するかを「キーの送信」アクションを配置する前に明示的にフォーカスを当てるなど処理が必要でしたが、今回のアップデートによってキーの送信を行う先を指定できるようになったのは個人的にも嬉しいと感じました。
(フォアグラウンドウィンドウ、UI要素、インスタンス、タイトルやクラスなどを指定できます)
更新情報まとめ記事(ロボ研ブログ)
2021年 1月の更新情報まとめ
2021年 2月の更新情報まとめ
2021年 3月の更新情報まとめ
2021年 4月の更新情報まとめ
2021年 5月の更新情報まとめ
2021年 6月の更新情報まとめ
2021年 7月の更新情報まとめ
2021年 8月の更新情報まとめ
2021年 9月の更新情報まとめ
2021年10月の更新情報まとめ
2021年12月の更新情報まとめ
12月のアップデートはその他にも嬉しい機能改善も含まれていたりするので、ぜひブログの方もみてください。
まとめ
Power Automate for desktopをこの一年だけ振り返ってみても、かなりのアップデートがあったことを改めて感じました。
2021年は、Windows 10 利用者への無償公開や、Windows 11 への標準搭載など、さまざまな方がPower Automate for desktopを知るきっかけになったと思います。その他、書籍や個人ブログ、YouTubeなど様々な学習コンテンツも広がってきましたので、よりPower Automate for desktop が身近になってきたと感じています。
2022年もPower Automate/Power Automate for desktop の一ファンとして、今後のアップデート情報を楽しみにしていきたいと思います。
おしまい。