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SQL Serverのパフォーマンス改善のために、SQL文の書き方纏め

Last updated at Posted at 2024-09-30

SQL Serverのパフォーマンス改善のために、SQL文の書き方におけるよくある改善点と例を以下に示します。

1. SELECT * を避け、必要なカラムのみを選択する

  • SELECT * は全てのカラムを取得するため、余分なデータをフェッチしパフォーマンスが低下する可能性があります。必要なカラムを明示的に指定することで、ネットワーク負荷やメモリ使用量を減らします。
  • 改善前:
    SELECT * FROM Orders WHERE OrderDate = '2024-09-01';
    
  • 改善後:
    SELECT OrderID, CustomerID, OrderDate FROM Orders WHERE OrderDate = '2024-09-01';
    

2. JOINの使用に注意し、必要な場合だけJOINを行う

  • 不必要なテーブルをJOINすることで、クエリの実行時間が増加します。必要なデータのみ取得するようにJOINを制限します。
  • 改善前:
    SELECT Orders.OrderID, Customers.CustomerName
    FROM Orders
    LEFT JOIN Customers ON Orders.CustomerID = Customers.CustomerID
    WHERE Orders.OrderDate = '2024-09-01';
    
  • 改善後:
    SELECT Orders.OrderID, Customers.CustomerName
    FROM Orders
    INNER JOIN Customers ON Orders.CustomerID = Customers.CustomerID
    WHERE Orders.OrderDate = '2024-09-01';
    
  • 必要な場合は LEFT JOINRIGHT JOIN を使いますが、デフォルトで INNER JOIN の方が一般的に高速です。

3. インデックスを活用する

  • WHERE句やJOIN句に使われる列に適切なインデックスを作成することで、検索速度を大幅に向上させます。
  • 改善前:
    SELECT OrderID, OrderDate FROM Orders WHERE CustomerID = 12345;
    
  • 改善後:
    • CustomerID 列にインデックスを作成:
    CREATE INDEX idx_CustomerID ON Orders(CustomerID);
    

4. NOT IN よりも NOT EXISTS を使用する

  • NOT IN はNULL値の処理に問題があり、より効率の良い NOT EXISTS に置き換えるとパフォーマンスが改善することがあります。
  • 改善前:
    SELECT CustomerID FROM Customers WHERE CustomerID NOT IN (SELECT CustomerID FROM Orders);
    
  • 改善後:
    SELECT CustomerID FROM Customers WHERE NOT EXISTS (SELECT 1 FROM Orders WHERE Orders.CustomerID = Customers.CustomerID);
    

5. サブクエリよりもJOINを使う

  • サブクエリはネストされたクエリを繰り返し実行することがあり、パフォーマンスが低下します。JOINを使用することで、効率的にデータを結合できます。
  • 改善前:
    SELECT CustomerID, (SELECT MAX(OrderDate) FROM Orders WHERE Orders.CustomerID = Customers.CustomerID) AS LastOrderDate
    FROM Customers;
    
  • 改善後:
    SELECT Customers.CustomerID, MAX(Orders.OrderDate) AS LastOrderDate
    FROM Customers
    JOIN Orders ON Customers.CustomerID = Orders.CustomerID
    GROUP BY Customers.CustomerID;
    

6. UNION ALL を使う

  • UNION は重複を排除するため、全ての結果をソートしますが、UNION ALL はソートせず重複を許容するため、高速です。重複が許される場合は UNION ALL を使用します。
  • 改善前:
    SELECT CustomerID FROM Customers WHERE Country = 'Japan'
    UNION
    SELECT CustomerID FROM Customers WHERE Country = 'USA';
    
  • 改善後:
    SELECT CustomerID FROM Customers WHERE Country = 'Japan'
    UNION ALL
    SELECT CustomerID FROM Customers WHERE Country = 'USA';
    

7. トランザクションの範囲を小さくする

  • 大規模なトランザクションは、ロック時間を増加させ他のユーザーのパフォーマンスにも影響を与えます。トランザクションの範囲を小さくし、短時間で終了するようにします。
  • 改善前:
    BEGIN TRANSACTION
    UPDATE Orders SET Status = 'Completed' WHERE OrderID = 1;
    UPDATE Customers SET LastOrderDate = '2024-09-01' WHERE CustomerID = 12345;
    COMMIT;
    
  • 改善後:
    • トランザクションを必要最小限に分ける:
    BEGIN TRANSACTION
    UPDATE Orders SET Status = 'Completed' WHERE OrderID = 1;
    COMMIT;
    
    BEGIN TRANSACTION
    UPDATE Customers SET LastOrderDate = '2024-09-01' WHERE CustomerID = 12345;
    COMMIT;
    

8. 適切なデータ型の使用

  • 過剰に大きなデータ型を使用すると、メモリ使用量が増えパフォーマンスが悪化します。データ型は必要最小限にするべきです。
  • 改善例:
    • INT 型を使うほど大きくない数値データには TINYINTSMALLINT を使用する。
    • 固定長の文字列には CHAR を、可変長には VARCHAR を使う。

これらの改善点を実践することで、SQL Serverクエリのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。

9. 関数や式をWHERE句で使用しない

  • WHERE句で関数や式を使用すると、インデックスが利用できなくなる場合があります:
    関数や式で計算した結果で比較する場合は、サブクエリを使用するか、事前に計算結果を一時テーブルに格納するなどの工夫が必要です。

10. カーソルを避ける

  • カーソルはレコードセットを1行ずつ処理するため、パフォーマンスが低下します:
    可能な限り、セットベースの操作を使用しましょう。

11. SQL Serverの機能を活用する

  • 共通テーブル式(CTE): 複雑なクエリを分割して可読性を高め、パフォーマンスを向上させることができます。
  • ウィンドウ関数: 集計関数やランキング関数を用いて、複雑な集計処理を効率的に行うことができます。

12. 実行計画の確認

  • SQL Server Management Studio: 実行計画を確認することで、クエリのボトルネックを特定し、最適化することができます。

その他

  • インデックスの断片化: 定期的にインデックスを再構築し、断片化を解消しましょう。
  • 統計情報の更新: データベースの統計情報は、クエリの最適化に利用されます。定期的に更新することで、クエリの性能を維持しましょう。
  • パラメータ化クエリ: SQLインジェクションを防ぎ、キャッシュヒット率を高めることができます。
  • ストアドプロシージャ: 頻繁に実行されるSQL文をストアドプロシージャとして定義することで、コンパイルコストを削減し、パフォーマンスを向上させることができます。

注意:

  • 上記は一般的な改善点であり、すべてのケースに当てはまるわけではありません。
  • パフォーマンスチューニングは、データベースの構造やデータ量、ハードウェア環境など、様々な要因によって最適な方法が異なります。
  • 実行計画を分析し、状況に合わせて最適なチューニングを行うことが重要です。

SQL Serverのドキュメントやコミュニティフォーラムなどを参考に、より詳細な情報を確認することをおすすめします。

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