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はじめに
キャリアと健康はトレードオフではありません。

キャリアの中に健康が包含されています。

以下の記事に書いた通り、「目に優しい」を追求するために身体全体の健康も追求する必要があります。

同様に、キャリアを追求するためには心身の健康は欠かせないと筆者は考えています。

 今回の記事ではクリエイティブ系に携わる人こそ健康に気をつけるべきという思いから、健康日本21にも(というより国際的にも)使用されている健康に関する指標について解説し、どのように健康を追求するべきなのかを考えていきます。また、その上で目指すキャリアも考えます。

以前から指摘されている背景は以下にプルダウン記載しています。適宜参考にしてください。

不健康な人が増えている

生活習慣病の増加

肥満人口の増加

精神疾患の発症率増加

健康と仕事は直結する → つまり、キャリアにもつながる

運動が仕事にもたらす驚きの効果

運動不足と仕事の関係性

運動習慣で人生がガラッと変わる!?

運動は脳の最適化

運動は「脳を最適化」する

スポーツ脳科学

脳の健康を促進

WHOの健康の定義

病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること

原文 Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

WHO憲章

肉体、精神、社会これら3要素が満たされて初めて健康であると言える。ということです。
Health.png

では、どれから満たしていくのが考えやすいでしょうか。
可視化しやすいのは肉体的健康ですから、ここでは肉体的健康から考えていきましょう。

キャリアのぶち上げが先か、健康が先か

人によると思いますが、先にキャリアを追うことを筆者はお勧めしません。

先に健康があって、その先にキャリアのぶち上げはあると思います。

キャリアのぶち上げによって健康になるというのは一世代前の考え方でしょう。

 「24時間働けますか?」そんなCMが昔ありましたね。筆者がまだ生まれてない時ですが。
無理です。身体を壊します。精神的に病みます。いくら楽しくても限界はあります。自己成長と満足感に浸るのもいいですが、そんなに働いたら+-0どころか-です。

 厚労省によると労働時間と健康リスクについて、時間外・休日労働時間が45時間を超えると徐々に健康リスクが高まるとされています。また、年360時間超えの残業も行けないので45時間を12ヶ月ってわけにもいきません。

 楽しければ熱意あれば死なないというような意見も散見されますが違います。若い人ほど陥りがちですが、過労や疲労は気づかないうちに溜まっています。自分に厳しいのは甘えです。休憩しましょう。

自分の身体活動を可視化しよう

 肉体的健康ということで良く用いられてる指標です。国際的にも有名なのでこれを機に覚えましょう。

METs

 身体活動の強さを表す指標です。安静時を基準としてどれくらいの強さのある活動であるかを数字で表しています。例えば、安静に座ってる状態を1メッツとして、歩行運動が3メッツです。METs表に詳しく載っています。

※ デザイナーさんがよく使うFits'sの法則とは違います。ここ間違いやすいので注意です。METsです。

Ex

 エクササイズという指標です。ある身体活動をどのくらいの時間でおこなったかを表します。
単位は[METs・時]です。以下(筆者の)簡単のためにMETsをMetsと表記します。
例えば、歩行運動を3時間したとき、

Ex\_walk [Mets ・h] = 3 [Mets] \times 3[h] = 9[Mets・h]

これは、安静時の状態を9時間した時と一致します。

どれくらい運動すればいいの

 厚労省によると「生活習慣病の予防には3メッツ以上で23メッツ・時/週の活動量が必要である」と基準を出しています。

\begin{align}
Ex = \sum_i\{(運動の種類)_i[Mets] \times (その運動時間)_i[hour] \times (その日数)_i\} &\geqq 23 \\
Mets &\geqq 3
\end{align}

{運動の種類, その運動時間, その日数}の組み合わせ問題ですね〜。

 時間がある人は試しに自身の1週間でどれくらい運動しているかをMETs表を用いて計測してみてください。おそらくほとんどの人がこの基準に届いていないのではないでしょうか。

※筆者の場合

欠かせない生活活動
通勤:4[METs]の運動「自転車に乗る」、往復30分(0.5 [hour])、4[平均出社日数]

Ex_1 = 4 \times 0.5 \times 4 = 8.0 [METs・時/週]

意識的な運動
散歩:3[METs]、30分(0.5[hour])、3[平均散歩日数]

Ex_2 = 3 \times 0.5 \times 4 = 6.0 [METs・時/週]

ラジオ体操(第一): 4[METs]、3分(0.05[hour])、 7[日]

Ex_3 = 4 \times 0.05 \times 7 = 1.4 [METs・時/週]

全身を使ったテレビゲーム:3.8[METs], 40分(2/3 [hour]), 3[日]

Ex_4 = 3.8 \times \frac{2}{3} \times 3 = 7.6 [METs・時/週]

合計

Ex = \sum_i{Ex_i} = 23 [METs・時/週]

※ ダラダラ通勤してる人は3[METs]に届いてないと思うので計上しないでくださいね。

 サッと運動不足か確認したい人は厚労省のアクティブガイドの2ページ目を参考にしてみてください。1分以内で終わります。結果が4以外の人は足りてない可能性があります。

 やばかった人は、このままではまずいと認識してください。病気になるリスクが増えます。病気になればキャリアどころではないので急いで健康を手に入れましょう。

生活習慣病を甘くみてはいけない

 運動不足による死亡率への影響からも分かる通り、生活習慣病による死亡者はあなたが思っているより多いです。また、それに係る医療費は、厚労省によると、国民医療費の3割を占め、金額にして10兆円規模だそうです。運動不足は自分の人生にかなりのリスクを伴ってるだけでなく、他人にも迷惑をかけているかもしれないということを認識した方がいいかもしれません。

 WHOが死因トップ10に挙げているものもほとんどが生活習慣病と言われている病気です。
病気になって死んでしまえばキャリアどころじゃありません。運動と食事で予防できるとしているので、この記事では運動を頑張ることに焦点を当ているので参考にしてください。

運動習慣を改善しよう

 厚労省のアクティブガイドの通り、身の回りの行動からプラス10で考えて行動することが重要です。今日は違う道で帰ってみよう。遠回りして出勤/通学しよう。エレベータではなく階段を使おう。そういった日常行動における些細な変化をしていくことが改善の第一歩です。

 次第に、遠回りする時間があるならジムに行こう、家でfitness系の動画を見たり、fitnessゲームで実践しようというふうに行動変容を起こすことができます。

行動変容を起こすために

 行動変容ステージモデルから行動変容を起こすことを考える記事が多いので、本記事でもこれに倣います。人が行動(生活習慣)を変える場合に通ると呼ばれるステージ(期)です。この辺りはグラデーションですので、前後のステージも適宜参考にしてください。

無関心期

 「6ヶ月以内に行動を変えようと思っていない」人が対象です。

1. 意識の高揚

身体活動のメリットを知る

2. 感情的経験

このままでは「まずい」と思う

3. 環境の再評価

周りへの影響を考える

  1. 身体活動のメリットについて考えてみましょう。
     最近は暑くて汗かきますよね。どんな汗ですか。ベトベトしてませんか。運動を続けるとサラサラで気持ちのいい、臭わない汗が流せるようになります。洗濯物に臭いが残らないようになります。素晴らしくないですか。はい、関心を持てましたね〜。
    他にも多くのメリットがあります。最初に提示したプルダウン背景の記事も参考にしてみてください。

  2. このままでは「まずい」と思ってみましょう。
     やばい、健康診断の結果が悪かった。Eとかある。再診だ。まずい。と思えてる人なら大丈夫です。本当にやばいのは、結果の理由を「お酒飲んだからw」とか、「タバコ吸ってるからw」とか転嫁して現実逃避する人ですね。結果として出てるのでどんな理由であろうと行動変容に値すると思います。ちなみに筆者はオールAです。

  3. 周りへの影響を考えてみましょう。
     運動不足によって、フットワークが重くなった。友達の誘いを面倒だと思い断るようになった。友達から誘われることが減っていった。友達がいつの間にかいなくなった。とかですかね。他にも多様なシーンを想定できます。

関心期

「6ヶ月以内に行動を変えようと思っている」人が対象。

1. 自己の再評価

身体活動が不足している自分をネガティブに、身体活動を行っている自分をポジティブにイメージする

  1. 自分を客観的に見るのもあり。
     関心あるけど行動を起こせていないのであれば、身体活動を続けた後の自分を想像してみましょう。仕事で疲れなくなる。気分がポジティブになる。プライベートがより楽しくなる。しかし、現状のままだと、もっと楽しいことがあるかもしれないのに何もできない。それどころか周りに置いていかれる。仕事ができなくなる。プライベートも追えなくなる。
準備期

「1ヶ月以内に行動を変えようと思っている」人が対象。

1. 自己の解放

身体活動をうまく行えるという自信を持ち、身体活動を始めることを周りの人に宣言する

2. 自己評価の振り返り

自身の健康状態や生活習慣を客観的に評価し、現状の問題点や改善すべき点を把握

3. 目標設定

健康への取り組みに関する目標を設定

  1. 身体活動を始めるアピール
     関心を持って準備を始める段階では、とりあえず発信することが大事です。これ始めてみたんだよね〜って友達にメッセージ投げつけるでもいいですし、会社内に健康に関する窓口があればそこにアピールして被験者になるとかでもいいと思います。それによって、実行にある種の強制力がはたらくのでいつまでも準備から抜け出せないという現象を防げます。

  2. 現状の評価についての妥当性
     身体的な活動量の不足や不健康な食習慣に気付いたりできますね。何[METs・時/週]足りてないかとか具体的な数値などを用いて自己評価についての解像度を上げます。うわ全然ダメだ。これぐらい上げないといけないとか、そういうのです。

  3. 目標を設定することで再度自分を再評価
     具体的かつ達成可能な目標を設定することで、意欲を高め、行動への準備を整えることができます。プラス10で考えましょう。1週間で1[METs・時/週]上げてみる。とかですね。それによって自分がどのような状態になれるのかポジティブに想像しましょう。明日はきっといい日になる。

実行期・維持期

「行動を変えて6ヶ月未満・6ヶ月以上である」人が対象。
他にもやれることを考えてみましょう。

1. 行動置換

不健康な行動を健康的な行動に置き換える

2. 援助関係

身体活動を続ける上で、周りからのサポートを活用する

3. 強化マネジメント

身体活動を続けていることに対して「ほうび」を与える

4. 刺激の統制

身体活動に取り組みやすい環境づくりをする

  1. 不健康な行動を健康的な行動に置き換える
     これは、ストレス解消をお酒ではなく運動をする。タバコではなく、アロマ、線香を炊く。食べ過ぎるのではなく、食事という空間そのものを楽しむようにする。考えられることは多くあります。

  2. 身体活動を続ける上で、周りからのサポートを活用する。
     福利厚生を利用しましょう。サウナ行くとか、スポーツクラブを利用するとか、会社が社員の健康のために出してくれていることはあると思います。健保のやつも覗いてみると色々あって面白いですよ。
    友達とジムに行くとかでもいいでしょう。

  3. 身体活動を続けていることに対して「ほうび」を与える
    内的な褒美であれば、自己達成感や満足感を感じている自分に注目してみましょう。また、以前よりも快適な身体感覚を得ていることに気づきましょう。外的な褒美であれば、今週は前週より1METs・時多く活動したとかであれば好きなお菓子を買うとか、そういう物質的な褒美ですね。

  4. 身体活動に取り組みやすい環境づくりをする
     電車を使っているとかであれば、一駅前で降りて一駅分歩く、自転車を漕ぐとかですね。また、自宅や職場に運動するためのスペースを設けるのもいいです。スケジュールも見直してフレックスタイム制であれば、昼寝後に軽く運動するとかもありです。また、褒美やインセンティブを設定してそれのために活動する指針を立てるのもいいです。

 筆者は、以上の行動変容について取り組んで約6ヶ月ぐらいで23[METs・時/週]を獲得しました。以前は10[METs・時/週]もいってなかったです。家でダラダラ寝転がって漫画アニメゲームしてました。今もしてますが。当時は運動もしておらず頻繁に医者にかかったりしてました。

健康を手に入れる

 肉体的健康を手にした筆者は、次に精神的健康を手に入れようと取り組みました。しかし、肉体的健康を手に入れるのと同時に精神的健康も得ていることに気づきました。

肉体的健康とは

肉体的健康とは、身体の健康状態や機能が良好であることを指します。具体的な要素には、病気や障害のない状態であること、身体的な能力やパフォーマンスの維持・向上、適切な栄養を摂取し体重の管理、適度な運動や身体活動の実践などが含まれます。

精神的健康とは

精神的健康とは、心理的な健康状態や精神的なウェルビーングに関連します。感情のバランスや認知的な機能、ストレスの適切な管理、自己肯定感や自己効力感の持つことなどが含まれます。また、心理的な健康には、メンタルヘルスの問題へのアクセスや支援の受け入れ、精神的な成長や自己実現の追求も関連します。

 行動変容ステージモデルに則って、自分が運動により「どう感じているか」を客観視するという癖(自己観察の癖)がついて、マインドフルネスも身につきました。

行動変容ステージモデルは肉体的健康、だけでなく、精神的健康も身につく。

 筆者は社会的健康もある程度手にしていることに「気づき」ました。

社会的健康とは

社会的健康とは、個人が社会的なつながりを持ち、関与し、支え合いながら健康な関係を築いていくことを指します。社会的な健康には、家族や友人との良好な関係、社会的なサポートネットワークの存在、コミュニティへの参加や貢献、人権の尊重などが含まれます。また、キャリアの発展や職場での満足感も社会的な健康に関連する要素です。

行動変容をするにあたって、支えてくれた家族や友人、大学の教員や学生たちとの関係とも良好であることに気づきました。集中力も上がり、成績も上がりました。自分に自信が少しだけつきました。

行動変容ステージモデルは肉体的健康、だけでなく、精神的健康も、社会的健康も身につく。

精神的健康や社会的健康の指標について

 これらは主観的な要素が強いため、簡単な紹介となりますが、個人の主観的な評価や感じ方が重要な情報となります。

これらの健康は「自分がどう感じているか」を自己観察して、「気づく」ことが大切です。

 あ、でも変な方向に気づかないでくださいね。スピリチュアルとか筆者は知りません。ここで気づく主体はあくまで自分でありその他、他者や電磁波などではありません。

キャリアがぶち上がる

  • 適切な肉体的健康を維持
    -- 集中力の向上、成果の向上
  • 精神的な健康
    -- ストレスの管理や自己肯定感の向上
    --- 仕事の生産性向上
  • 社会的な健康
    -- 職場や組織内での関係構築や協力、チームワークの向上

結果としてキャリアの発展

 これは筆者の学生時代にも当てはまる話です。

[以前の筆者]

  • 成績不振
    -- 脳死でストレス限界まで追い込んでよく心身を壊す

[以後の筆者]

  • 集中力の向上、ストレスの管理がある程度可能に
    -- 成績向上 大学1,2年の段階でインターンに相当する経験などの挑戦を継続
    -- いい企業にも内定承諾期間、無期限で就職

キャリアがぶち上がりました。

終わりに

 これからも健康を維持していくことによって、キャリアをぶち上げていけるのではないかと考えています。自分に厳しいのは甘えです。適度に休憩を挟んで健康を維持していきたいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
いい健康ライフを。

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