はじめに
MarkLogicを利用していると、データベースに格納したデータをSQLで参照したい場合があります。
今回はMarkLogic9の新機能であるTDEを使ってみたので紹介します。
TDEとは
TDE(Template Driven Extraction)とは、MarkLogicに格納されている非構造化データに対してRDBのような表形式のビューに変換することで、RDBのように検索することができる機能です。
テンプレートと呼ばれる表形式のビューに変換するルールをXML形式またはJSON形式で作成します。
テンプレートを作成し、スキーマデータベースへテンプレートを挿入することでビューが作成され、行やトリプルが生成できます。
1つのスキーマに対して一意のビューを作成できます。また、スキーマが異なる場合、同名のビューをそれぞれのスキーマに作成することができます。
TDEについて詳しい内容は以下の公式ドキュメント参照ください。
・https://docs.marklogic.com/guide/app-dev/TDE
・http://jp.marklogic.com/wp-content/uploads/2017/05/MarkLogic-Whitepaper-Whats-New-in-MarkLogic-9_ja_JP.pdf
TDEの使用例
テンプレートの使用例について説明します。
デフォルトでは、テンプレート1つに対して1つのビューが作成されます。
例えば、テンプレートを次のように定義します。
・対象ノードの値を指定した列に設定します。
・テンプレートで定義したノードがドキュメントに存在しない場合、そのドキュメントのビューを作成しません。
以下のドキュメントに対してテンプレートを適用します。
<ROOT>
<ID>0001</ID>
<NAME>TANAKA</NAME>
<AGE>20</AGE>
</ROOT>
テンプレートは以下のように記載します。
<template xmlns="http://marklogic.com/xdmp/tde">
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード -->
<context>/ROOT</context>
<rows>
<row>
<!-- スキーマ名 -->
<schema-name>TEST_Schema</schema-name>
<!-- ビュー名 -->
<view-name>TEST_View</view-name>
<columns>
<!-- ID -->
<column>
<name>ID_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>ID</val>
<invalid-values>ignore</invalid-values>
</column>
<!-- 名前 -->
<column>
<name>NAME_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>NAME</val>
<invalid-values>ignore</invalid-values>
</column>
<!-- 年齢 -->
<column>
<name>AGE_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>AGE</val>
<invalid-values>ignore</invalid-values>
</column>
</columns>
</row>
</rows>
</template>
作成されるビューは以下の通りです。
ID_I | NAME_I | AGE_I |
---|---|---|
0001 | TANAKA | 20 |
また、テンプレートの設定により、複数のテンプレートから1つのビューを作成することもできます。
上記の図ではテンプレートを次のように定義しています。
・複数のテンプレートで1つのビューを作成できるようにします。
・対象ノードの値を指定した列に設定します。
・テンプレートが適用されたドキュメントで定義されていない列についてはNullが設定されます。
テンプレートAとテンプレートBはそれぞれ以下のように記載します。
<template xmlns="http://marklogic.com/xdmp/tde">
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード -->
<context>/ROOT</context>
<!-- テンプレートを適用するディレクトリ(documentA.xmlの格納ディレクトリを指定) -->
<directories>
<directory>/CompanyA/</directory>
</directories>
<rows>
<row>
<!-- スキーマ名 -->
<schema-name>TEST_Schema</schema-name>
<!-- ビュー名 -->
<view-name>TEST_View</view-name>
<!-- 複数のテンプレートを1つのビューにするためsparseを設定 -->
<view-layout>sparse</view-layout>
<columns>
<!-- ID -->
<column>
<name>ID_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>ID</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 名前 -->
<column>
<name>NAME_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>NAME</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
</columns>
</row>
</rows>
</template>
<template xmlns="http://marklogic.com/xdmp/tde">
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード -->
<context>/ROOT</context>
<!-- テンプレートを適用するディレクトリ(documentB.xmlの格納ディレクトリを指定) -->
<directories>
<directory>/CompanyB/</directory>
</directories>
<rows>
<row>
<!-- スキーマ名 -->
<schema-name>TEST_Schema</schema-name>
<!-- ビュー名 -->
<view-name>TEST_View</view-name>
<!-- 複数のテンプレートを1つのビューにするためsparseを設定 -->
<view-layout>sparse</view-layout>
<columns>
<!-- ID -->
<column>
<name>ID_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>ID</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 名前 -->
<column>
<name>NAME_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>NAME</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 性別 -->
<column>
<name>SEX_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>SEX</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
</columns>
</row>
</rows>
</template>
実施内容
2つのテンプレートを使用して1つのビューを作成します。
実施内容は以下の通りです。
1.ドキュメント(パターン1)のテンプレートを作成
1-1.テンプレートの作成
1-2.テンプレートを検証
1-3.テンプレートを適用
2.ドキュメント(パターン2)のテンプレートを作成
2-1.テンプレートの作成
2-2.テンプレートを検証
2-3.テンプレートを適用
3.SQLでビューを確認
実施環境は以下の通りです。
対象MarkLogicバージョン | 対象OS・バージョン |
---|---|
9.0-3.1 | Windows7 |
事前準備
実施に必要なデータベースの作成とドキュメントの追加を行います。
TDEのテンプレートはスキーマデータベースに格納されるため、スキーマデータベースも作成します。
データベース作成
MarkLogicの管理画面よりデータベースを作成します
データベース名とフォレスト名は以下で作成します。
データベース名 | フォレスト名 |
---|---|
TDE_Database | TDE_DBForest |
1.「Configure」→「Databases」に遷移
2.「Create」タブをクリック
3.「triple index」がtrueに設定されていることを確認
4.「database name」に「TDE_Database」を入力し「OK」ボタンをクリック
5.「Database->Forests」のリンクをクリック
6.「Create a Forest」のリンクをクリック
7.「forest name」に「TDE_DBForest」と入力し「OK」ボタンをクリック
8.「Summary」タブをクリック
9.作成した「TDE_DBForest」フォレストのDatabaseを「TDE_Database」に設定し「OK」ボタンをクリック
スキーマデータベース作成
MarkLogicの管理画面よりスキーマデータベースを作成します
データベース名とフォレスト名は以下で作成します。
スキーマデータベース名 | フォレスト名 |
---|---|
TDE_SchemaDatabase | TDE_SDBForest |
1.「Configure」→「Databases」に遷移
2.「Create」タブをクリック
3.「database name」に「TDE_SchemaDatabase 」を入力し「OK」ボタンをクリック
4.「Database->Forests」のリンクをクリック
5.「Create a Forest」のリンクをクリック
6.「forest name」に「TDE_SDBForest 」と入力し「OK」ボタンをクリック
7.「Summary」タブをクリック
8.作成した「TDE_SDBForest 」フォレストのDatabaseを「TDE_SchemaDatabase 」に設定し「OK」ボタンをクリック
9.「Configure」→「Databases」→「TDE_Database」に遷移
10.「schema database」で「TDE_SchemaDatabase 」を選択し「OK」ボタンをクリック
ドキュメント(パターン1)
以下のXMLドキュメントをデータベースに追加します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<root>
<!-- ID -->
<ID>0001</ID>
<!-- 名前(姓) -->
<LAST_NAME>田中</LAST_NAME>
<!-- 名前(名) -->
<FIRST_NAME>太郎</FIRST_NAME>
<!-- 年齢 -->
<AGE>20</AGE>
<!-- 住所 -->
<ADDRESS>東京都台東区上野 ABCアパート</ADDRESS>
</root>
クエリコンソール画面から以下のXQueryを実行します。
xquery version "1.0-ml";
let $xmlData :=
<root>
<!-- ID -->
<ID>0001</ID>
<!-- 名前(姓) -->
<LAST_NAME>田中</LAST_NAME>
<!-- 名前(名) -->
<FIRST_NAME>太郎</FIRST_NAME>
<!-- 年齢 -->
<AGE>20</AGE>
<!-- 住所 -->
<ADDRESS>東京都台東区上野 ABCアパート</ADDRESS>
</root>
let $uri := "/CompanyA/document_A.xml"
return xdmp:document-insert($uri, $xmlData)
ドキュメント(パターン2)
以下のXMLドキュメントをデータベースに追加します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<root>
<!-- 住所 -->
<ADDRESS>千葉県佐倉市</ADDRESS>
<items>
<!-- データ1 -->
<item>
<!-- ID -->
<ID>0004</ID>
<!-- 名前 -->
<NAME>千葉次郎</NAME>
<!-- 性別 -->
<SEX>男</SEX>
<!-- アパート名 -->
<APARTMENT_NAME>DEFアパート</APARTMENT_NAME>
</item>
<!-- データ2 -->
<item>
<!-- ID -->
<ID>0007</ID>
<!-- 名前 -->
<NAME>臼井花子</NAME>
<!-- 性別 -->
<SEX>女</SEX>
<!-- アパート名 -->
<APARTMENT_NAME>GHIアパート</APARTMENT_NAME>
</item>
</items>
</root>
クエリコンソール画面から以下のXQueryを実行します。
xquery version "1.0-ml";
let $xmlData :=
<root>
<!-- 住所 -->
<ADDRESS>千葉県佐倉市</ADDRESS>
<items>
<!-- データ1 -->
<item>
<!-- ID -->
<ID>0004</ID>
<!-- 名前 -->
<NAME>千葉次郎</NAME>
<!-- 性別 -->
<SEX>男</SEX>
<!-- アパート名 -->
<APARTMENT_NAME>DEFアパート</APARTMENT_NAME>
</item>
<!-- データ2 -->
<item>
<!-- ID -->
<ID>0007</ID>
<!-- 名前 -->
<NAME>臼井花子</NAME>
<!-- 性別 -->
<SEX>女</SEX>
<!-- アパート名 -->
<APARTMENT_NAME>GHIアパート</APARTMENT_NAME>
</item>
</items>
</root>
let $uri := "/CompanyB/document_B.xml"
return xdmp:document-insert($uri, $xmlData)
作成したいビュー
今回、TDEを利用して作成したいビューは以下の通りです。
スキーマ名 | ビュー名 |
---|---|
IntegratedInfo | PersonalInfo |
作成するビューの項目は以下の通りです。
項目名 | 説明 |
---|---|
NAME_I | 名前(姓+名)を設定します。 |
AGE_I | 年齢を設定します。 |
ADDRESS_I | 住所を設定します。アパート名がある場合は結合します。 |
SEX_I | 性別を設定します。 |
実施手順
追加した2つのドキュメントは構造体が異なるため、テンプレートを2つ作成し1つのビューを作成します。
本手順はクエリコンソール画面上で行っています。
1.ドキュメント(パターン1)のテンプレートを作成
ドキュメント(パターン1)のテンプレートを作成します。
1-1.テンプレートの作成
作成するビューの項目を確認すると、名前が姓と名で結合されているため、LAST_NAMEタグとFIRST_NAMEタグを結合して1つの項目にします。
不足している項目はドキュメント(パターン2)のテンプレートを作成することで追加されるため無視します。
テンプレートは以下のようになります。
<template xmlns="http://marklogic.com/xdmp/tde">
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード -->
<context>/root</context>
<!-- テンプレートを適用するディレクトリ -->
<directories>
<directory>/CompanyA/</directory>
</directories>
<rows>
<row>
<!-- スキーマ名 -->
<schema-name>IntegratedInfo</schema-name>
<!-- ビュー名 -->
<view-name>PersonalInfo</view-name>
<!-- 複数のテンプレートを1つのビューにするためsparseを設定 -->
<view-layout>sparse</view-layout>
<columns>
<!-- 名前 -->
<column>
<name>NAME_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>fn:concat(LAST_NAME, FIRST_NAME)</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 年齢 -->
<column>
<name>AGE_I</name>
<scalar-type>integer</scalar-type>
<val>AGE</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 住所 -->
<column>
<name>ADDRESS_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>ADDRESS</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
</columns>
</row>
</rows>
</template>
1-2.テンプレートを検証
tde:validate関数を利用して作成したテンプレートが正しい内容であるか確認します。
XQueryで以下のクエリを実行します。
xquery version "1.0-ml";
(: テンプレート :)
let $template_pattern1 :=
<template xmlns="http://marklogic.com/xdmp/tde">
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード -->
<context>/root</context>
<!-- テンプレートを適用するディレクトリ -->
<directories>
<directory>/CompanyA/</directory>
</directories>
<rows>
<row>
<!-- スキーマ名 -->
<schema-name>IntegratedInfo</schema-name>
<!-- ビュー名 -->
<view-name>PersonalInfo</view-name>
<!-- 複数のテンプレートを1つのビューにするためsparseを設定 -->
<view-layout>sparse</view-layout>
<columns>
<!-- 名前 -->
<column>
<name>NAME_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>fn:concat(LAST_NAME, FIRST_NAME)</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 年齢 -->
<column>
<name>AGE_I</name>
<scalar-type>integer</scalar-type>
<val>AGE</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 住所 -->
<column>
<name>ADDRESS_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>ADDRESS</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
</columns>
</row>
</rows>
</template>
(: テンプレートの検証 :)
return tde:validate($template_pattern1)
実行結果よりmap:valueタグの値がtrueであることを確認します。
tde:node-data-extract関数を利用し、指定したドキュメントのリストから行データの抽出結果を確認します。
xquery version "1.0-ml";
(: テンプレート :)
let $template_pattern1 :=
<template xmlns="http://marklogic.com/xdmp/tde">
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード -->
<context>/root</context>
<!-- テンプレートを適用するディレクトリ -->
<directories>
<directory>/CompanyA/</directory>
</directories>
<rows>
<row>
<!-- スキーマ名 -->
<schema-name>IntegratedInfo</schema-name>
<!-- ビュー名 -->
<view-name>PersonalInfo</view-name>
<!-- 複数のテンプレートを1つのビューにするためsparseを設定 -->
<view-layout>sparse</view-layout>
<columns>
<!-- 名前 -->
<column>
<name>NAME_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>fn:concat(LAST_NAME, FIRST_NAME)</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 年齢 -->
<column>
<name>AGE_I</name>
<scalar-type>integer</scalar-type>
<val>AGE</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 住所 -->
<column>
<name>ADDRESS_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>ADDRESS</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
</columns>
</row>
</rows>
</template>
(: テンプレート確認用データ :)
let $docs :=
(
fn:doc("/CompanyA/document_A.xml"),
fn:doc("/CompanyB/document_B.xml")
)
return tde:node-data-extract($docs, $template_pattern1)
上記のクエリを実行すると以下の結果となります。
「/CompanyA」配下のドキュメントにテンプレートが適用され、「/CompanyB」の配下のドキュメントにテンプレートが適用されていないことがわかります。
1-3.テンプレートを適用
作成したテンプレートをtde:template-insert関数を利用してデータベースに適用します。
テンプレートはスキーマデータベースに格納されますが、tde:template-insert関数はスキーマデータベースをアタッチしているデータベースに対して実行する必要があるので注意が必要です。
以下のクエリを実行します。
xquery version "1.0-ml";
import module "http://marklogic.com/xdmp/tde" at "/MarkLogic/tde.xqy";
(: テンプレート :)
let $template_pattern1 :=
<template xmlns="http://marklogic.com/xdmp/tde">
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード -->
<context>/root</context>
<!-- テンプレートを適用するディレクトリ -->
<directories>
<directory>/CompanyA/</directory>
</directories>
<rows>
<row>
<!-- スキーマ名 -->
<schema-name>IntegratedInfo</schema-name>
<!-- ビュー名 -->
<view-name>PersonalInfo</view-name>
<!-- 複数のテンプレートを1つのビューにするためsparseを設定 -->
<view-layout>sparse</view-layout>
<columns>
<!-- 名前 -->
<column>
<name>NAME_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>fn:concat(LAST_NAME, FIRST_NAME)</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 年齢 -->
<column>
<name>AGE_I</name>
<scalar-type>integer</scalar-type>
<val>AGE</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 住所 -->
<column>
<name>ADDRESS_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>ADDRESS</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
</columns>
</row>
</rows>
</template>
(: ビューを生成する :)
return tde:template-insert("/tde_統合_パターン1.xml", $template_pattern1)
スキーマデータベースにテンプレートが格納されていることを確認します(Databaseでスキーマデータベースを選択し「Explore」ボタンをクリックする)。
2.ドキュメント(パターン2)のテンプレートを作成
ドキュメント(パターン2)のテンプレートを作成します。
2-1.テンプレートの作成
ドキュメント(パターン2)は1ドキュメントの中に複数データ設定されています。
そのため、templetesタグを利用して1データを1レコードとなるようテンプレートを作成します。
また、住所を変数で定義して利用してみます。
テンプレートは以下のようになります。
<template xmlns="http://marklogic.com/xdmp/tde">
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード -->
<context>/root</context>
<!-- 変数を定義 -->
<vars>
<!-- 住所を格納する変数を定義 -->
<var>
<name>var_address</name>
<val>./ADDRESS</val>
</var>
</vars>
<!-- テンプレートを適用するディレクトリ -->
<directories>
<directory>/CompanyB/</directory>
</directories>
<templates>
<template>
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード(/root以降のパスを指定) -->
<context>items/item</context>
<rows>
<row>
<!-- スキーマ名 -->
<schema-name>IntegratedInfo</schema-name>
<!-- ビュー名 -->
<view-name>PersonalInfo</view-name>
<!-- 複数のテンプレートを1つのビューにするためsparseを設定 -->
<view-layout>sparse</view-layout>
<columns>
<!-- 名前 -->
<column>
<name>NAME_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>NAME</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 性別 -->
<column>
<name>SEX_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>SEX</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 住所 -->
<column>
<name>ADDRESS_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<!-- 変数を使い住所とアパート名を結合する -->
<val>fn:concat($var_address, " ", APARTMENT_NAME)</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
</columns>
</row>
</rows>
</template>
</templates>
</template>
2-2.テンプレートを検証
tde:validate関数を利用して作成したテンプレートが正しい内容であるか確認します。
XQueryで以下のクエリを実行します
xquery version "1.0-ml";
let $template_pattern2 :=
<template xmlns="http://marklogic.com/xdmp/tde">
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード -->
<context>/root</context>
<!-- 変数を定義 -->
<vars>
<!-- 住所を格納する変数を定義 -->
<var>
<name>var_address</name>
<val>./ADDRESS</val>
</var>
</vars>
<!-- テンプレートを適用するディレクトリ -->
<directories>
<directory>/CompanyB/</directory>
</directories>
<templates>
<template>
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード(/root以降のパスを指定) -->
<context>items/item</context>
<rows>
<row>
<!-- スキーマ名 -->
<schema-name>IntegratedInfo</schema-name>
<!-- ビュー名 -->
<view-name>PersonalInfo</view-name>
<!-- 複数のテンプレートを1つのビューにするためsparseを設定 -->
<view-layout>sparse</view-layout>
<columns>
<!-- 名前 -->
<column>
<name>NAME_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>NAME</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 性別 -->
<column>
<name>SEX_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>SEX</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 住所 -->
<column>
<name>ADDRESS_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<!-- 変数を使い住所とアパート名を結合する -->
<val>fn:concat($var_address, " ", APARTMENT_NAME)</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
</columns>
</row>
</rows>
</template>
</templates>
</template>
(: テンプレートの検証 :)
return tde:validate($template_pattern2)
実行結果よりmap:valueタグの値がtrueであることを確認します。
tde:node-data-extract関数を利用し、指定したドキュメントのリストから行データの抽出結果を確認します。
xquery version "1.0-ml";
let $template_pattern2 :=
<template xmlns="http://marklogic.com/xdmp/tde">
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード -->
<context>/root</context>
<!-- 変数を定義 -->
<vars>
<!-- 住所を格納する変数を定義 -->
<var>
<name>var_address</name>
<val>./ADDRESS</val>
</var>
</vars>
<!-- テンプレートを適用するディレクトリ -->
<directories>
<directory>/CompanyB/</directory>
</directories>
<templates>
<template>
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード(/root以降のパスを指定) -->
<context>items/item</context>
<rows>
<row>
<!-- スキーマ名 -->
<schema-name>IntegratedInfo</schema-name>
<!-- ビュー名 -->
<view-name>PersonalInfo</view-name>
<!-- 複数のテンプレートを1つのビューにするためsparseを設定 -->
<view-layout>sparse</view-layout>
<columns>
<!-- 名前 -->
<column>
<name>NAME_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>NAME</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 性別 -->
<column>
<name>SEX_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>SEX</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 住所 -->
<column>
<name>ADDRESS_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<!-- 変数を使い住所とアパート名を結合する -->
<val>fn:concat($var_address, " ", APARTMENT_NAME)</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
</columns>
</row>
</rows>
</template>
</templates>
</template>
(: テンプレート確認用データ :)
let $docs :=
(
fn:doc("/CompanyA/document_A.xml"),
fn:doc("/CompanyB/document_B.xml")
)
return tde:node-data-extract($docs, $template_pattern2)
上記のクエリを実行すると以下の結果となります。
「/CompanyB」配下のドキュメントにテンプレートが適用され、「/CompanyA」の配下のドキュメントにテンプレートが適用されていないことがわかります。
2-3.テンプレートを適用
作成したテンプレートをtde:template-insert関数を利用してデータベースに適用します。
ドキュメント(パターン1)の時と同様、tde:template-insert関数はスキーマデータベースをアタッチしているデータベースに対して実行する必要があるので注意が必要です。
以下のクエリを実行します。
xquery version "1.0-ml";
import module "http://marklogic.com/xdmp/tde" at "/MarkLogic/tde.xqy";
let $template_pattern2 :=
<template xmlns="http://marklogic.com/xdmp/tde">
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード -->
<context>/root</context>
<!-- 変数を定義 -->
<vars>
<!-- 住所を格納する変数を定義 -->
<var>
<name>var_address</name>
<val>./ADDRESS</val>
</var>
</vars>
<!-- テンプレートを適用するディレクトリ -->
<directories>
<directory>/CompanyB/</directory>
</directories>
<templates>
<template>
<!-- テンプレートのアクティブ化とデータ抽出に使用される参照ノード(/root以降のパスを指定) -->
<context>items/item</context>
<rows>
<row>
<!-- スキーマ名 -->
<schema-name>IntegratedInfo</schema-name>
<!-- ビュー名 -->
<view-name>PersonalInfo</view-name>
<!-- 複数のテンプレートを1つのビューにするためsparseを設定 -->
<view-layout>sparse</view-layout>
<columns>
<!-- 名前 -->
<column>
<name>NAME_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>NAME</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 性別 -->
<column>
<name>SEX_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<val>SEX</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
<!-- 住所 -->
<column>
<name>ADDRESS_I</name>
<scalar-type>string</scalar-type>
<!-- 変数を使い住所とアパート名を結合する -->
<val>fn:concat($var_address, " ", APARTMENT_NAME)</val>
<nullable>true</nullable>
</column>
</columns>
</row>
</rows>
</template>
</templates>
</template>
(: ビューを生成する :)
return tde:template-insert("/tde_統合_パターン2.xml", $template_pattern2)
スキーマデータベースにテンプレートが格納されていることを確認します(Databaseでスキーマデータベースを選択し「Explore」ボタンをクリックする)。
3.SQLでビューを確認
作成されたビューを確認します。
クエリコンソール上で以下を実行します。
select * from PersonalInfo
SQLを実行するとビューの内容が表示されます。
PersonalInfoビューにドキュメント(パターン1)とドキュメント(パターン2)の内容がテンプレートで定義した内容で追加されていることを確認します。
以上でビューの作成が完了です。
おわりに
TDEを利用することでデータ統合が容易に行えます。
また、作成されたビューは、MarkLogicが提供しているオプティックAPIと呼ばれるJavaScript、XQuery、Java、REST APIで利用できるクエリインターフェースからも実行可能です。
非構造化データをRDBのように利用できるようになるのはとても便利ですね。
\def\textsmall#1{%
{\rm\scriptsize #1}
}
免責事項
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