一覧
| ディレクトリ | 由来 | 分割適否 | 説明（分割適否の理由） |
|---|---|---|---|
/ |
root | ルートディレクトリ。システム全体の最上位ディレクトリ。 | |
/boot |
boot | ○ |
起動（ブート）に必要なファイル（カーネルや初期RAMディスクなど）を格納。 （起動の安定性向上のため分割） |
/home |
home | ○ | ユーザーのホームディレクトリ。 （再インストール時にデータを保持するため分割） |
/tmp |
temporary | ○ | 一時ファイルを格納。 （容量の圧迫を防ぐため分割） |
/usr |
user services and routines | ○ |
起動（ブート）不必要なファイルを格納。 アプリケーションやライブラリを格納。 （大容量になるため分割） |
/var |
variable | ○ | ログやキャッシュなどの可変データを格納。 （ログ肥大化の影響を防ぐため分割） |
/opt |
optional | △ | 追加のソフトウェア（パッケージ）を格納。 （大規模環境では分割推奨） |
/srv |
service | △ | サービスのデータを格納。 （サーバ用途では分割推奨） |
/etc |
etcetera | × | 設定ファイルを格納。 |
/bin |
binary | × |
起動（ブート）にも必要な基本コマンドを格納。 e.g. ls, cp, mv, cat
|
/sbin |
system binary | × |
起動（ブート）にも必要なシステム管理用コマンドを格納。 e.g. fsck, reboot, ifconfig
|
/dev |
device | × | デバイスファイルを格納。 デバイスへのアクセス用 |
/proc |
process | × | 仮想ファイルシステム。 デバイスの情報用 |
/lib |
library | × | システムライブラリを格納。 |
/media |
medium | × | リムーバブルメディアをマウント。 |
/mnt |
mount | × | 一時的なマウントポイント。 |
/root |
root | × |
root ユーザーのホームディレクトリ。 |
/run |
runtime | × | ランタイムデータを格納。 |
/sys |
system | × | カーネルとデバイス情報を格納。 |
詳細
/boot
| ディレクトリ | 由来 | システム | 説明 |
|---|---|---|---|
/boot/grub/menu.lst |
menu list | GRUB Legacy | GRUB Legacyの設定ファイル。起動するカーネルやオプションを定義する。 |
/boot/grub/grub.conf |
GRUB configuration | GRUB Legacy | GRUB Legacy の設定ファイル。menu.lst へのシンボリックリンクとして使用されることが多い。 |
/boot/grub/grub.cfg |
GRUB configuration | GRUB 2 |
編集不可 GRUB 2の設定ファイル。ブートエントリやカーネルのロード設定を記述。 grub-mkconfigコマンドによって自動生成され、手動編集は推奨されない。 |
/usr
| ディレクトリ | 由来 | 説明 |
|---|---|---|
/usr/bin |
binaries |
一般ユーザー向けの基本コマンド を格納。 e.g. grep, vim, wget
|
/usr/sbin |
superuser binaries |
管理者向けの管理コマンド（スーパーユーザー用のバイナリ）を格納。 e.g. fdisk, iptables, visudo
|
/usr/local/bin |
local binaries |
ユーザーが独自にインストールしたプログラム を配置するディレクトリ。 システム標準の /usr/bin より優先されることが多い。 |
/usr/local/etc |
local etc (configuration) |
ローカルにインストールしたソフトウェアの設定ファイル を配置。 システム全体の /etc とは区別される。 |
/usr/share/man |
shared manual pages |
マニュアルページ（man コマンドで閲覧可能） を格納。e.g. man ls で /usr/share/man/man1/ls.1.gz から情報を取得 |
/var
| ディレクトリ | 由来 | 説明 |
|---|---|---|
/var/log/dmesg |
diagnostic message |
カーネルの起動ログやハードウェアの診断メッセージ を記録。システム起動時のデバイス検出やドライバのロード情報などを確認できる。 e.g. dmesg, cat /var/log/dmesg
|
/etc
| ディレクトリ | 由来 | システム | 説明 |
|---|---|---|---|
/etc/default/grub |
default GRUB configuration | GRUB 2 | GRUB 2のデフォルト設定ファイル。/boot/grub/grub.cfg を生成する際のオプションを指定する。- 作成: grub-mkconfig- 反映: update-grub
|
/etc/grub.d |
GRUB scripts directory | GRUB 2 | GRUB 2 の設定スクリプトを格納するディレクトリ。/boot/grub/grub.cfg を生成する際のオプションを指定する。- 作成: grub-mkconfig- 反映: update-grub
|
/etc/inittab |
initialization table | SysVinit | システムの初期化設定ファイル。システムの起動時に実行するプロセスや設定を定義。 |
/etc/rc.sysinit |
runcom system initialization | SysVinit | システム起動時に最初に実行されるスクリプト。システムの基本的なセットアップを行う。 |
/etc/rc[0-6].d |
runcom | SysVinit | 起動プロセスの一部として実行されるスクリプト群。 システムのランレベル（動作モード）を設定する。 [0-6]のランレベルに応じてスクリプトが格納されている。 e.g. /etc/rc1.d/K01bluetooth- 1文字目: S（Start: サービスを起動）、K（Kill: サービスを停止） - 数字: 実行優先順位。若番のものが先に実行される - サービス名: 任意の名前をつける |
/etc/passwd |
password | SysVinit | システムユーザーの情報を保持するファイル。ユーザー名、パスワード（暗号化されている場合）、UID、GID などを管理。 - パーミッション: -rw-r--r--
|
/etc/systemd/system |
system daemon system-specific configuration | systemd | ユーザーがカスタムユニットファイルを配置し、システム全体で適用できるディレクトリ。/lib/systemd/system内のデフォルト設定を上書き可能。 |
/etc/modprobe.d/[*].conf |
module probe daemon | カーネルモジュールの動作を設定するための設定ファイルを格納するディレクトリ。modprobeコマンドが参照し、特定のモジュールのロード・オプションを指定できる。e.g. /etc/modprobe.d/myconfig.conf- .comfの拡張子がつく- blasklist: システム起動時にロードしたくないカーネルモジュールを指定- alias: カーネルモジュールに別名をつける- options: 各カーネルモジュールのデフォルトパラメータを指定 |
|
/etc/fstab |
file system table | システムが起動時に自動的にマウントするファイルシステムの設定を定義。デバイスのマウントポイントやオプションを管理。 | |
/etc/udev/rules.d |
udev rules directory | udev |
udev のルールファイルを格納するディレクトリ。デバイスの自動設定ルールを定義し、特定の条件でデバイスの認識や動作を変更できる。- ルール適用: udevadm control --reload-rules
|
/bin
/sbin
/dev
- デバイスファイル（実際のデバイスに対応）を格納するディレクトリ
- ハードディスクや端末、プリンターなどのデバイスにアクセスするためのファイルが置かれます
- udevという仕組みによって、デバイスファイルは自動的に作成されます
| ディレクトリ | 由来 | 説明 |
|---|---|---|
/dev/hda |
1番目のディスク | （古いIDEディスクの命名方式） |
/dev/hdb |
2番目のディスク | （古いIDEディスクの命名方式） |
/dev/hda1 |
1番目のディスクの、1番目のパーティション | （古いIDEディスクの命名方式） |
/dev/hda2 |
1番目のディスクの、2番目のパーティション | （古いIDEディスクの命名方式） |
/dev/sda |
1番目のディスク | （新しいSATA、SCSI、NVMeディスクの命名方式） |
/dev/sdb |
2番目のディスク | （新しいSATA、SCSI、NVMeディスクの命名方式） |
/dev/sda1 |
1番目のディスクの、1番目のパーティション | （新しいSATA、SCSI、NVMeディスクの命名方式） |
/proc
- カーネルやシステムの状態に関する仮想ファイルシステムが格納されます
- プロセス情報やシステムの統計情報などが含まれます
| ディレクトリ | 由来 | 説明 | コマンド |
|---|---|---|---|
/proc/cpuinfo |
cpu information | CPUの詳細情報（モデル名、コア数、クロック速度など） | cat /proc/cpuinfo |
/proc/interrupts |
irq information | 割り込み（Interrupt）の統計情報 | cat /proc/interrupts |
/proc/meminfo |
memory information | メモリの使用状況（空きメモリ、バッファ、キャッシュなど） | cat /proc/meminfo |
/proc/bus/usb |
usb devices information | 接続されているUSBデバイスの情報 | lsusb |
/proc/bus/pci |
pci devices information | 接続されているPCIデバイスの情報 | lspci |
/lib
| ディレクトリ | 由来 | システム | 説明 |
|---|---|---|---|
/lib/systemd/system |
system daemon library system configuration | systemd |
編集不可 システムが提供するデフォルトのユニットファイルを格納。ユーザーが直接編集することは推奨されず、 /etc/systemd/systemで上書きするのが一般的。 |
参考リンク
Ping-t
- 2996_/proc
- 3016_/boot/grub/menu.lst, /boot/grub/grub.conf
- 3244_/usr/sbin
- 3248_/usr/share/man
- 3342_var/log/dmesg
- 3376_/etc/modprobe.d/myconfig.conf
- 3377_/etc/modprobe.d
- 3386_/proc/interrupts
- 3388
- 3390_/proc/meminfo
- 3402_/etc/inittab
- 3409_/etc/inittab
- 3416_/tmp
- 3419_/内
- 34707_modprobe
- 35636_/var/log/dmesg
- 3585_/boot/grub/grub.cfg
- 3636_/etc/udev/rules.d
- 3655_/var
- 3658_/etc/passwd
- 3661_SysVinit, /etc/rc3.
- 3663_/boot/grub/menu.lst
- 3685_/etc/rc[0-6].d
- 3716_/etc/grub.d
- 3718_/etc/fstab
- 38069_/dev/sdb1, /dev/hdc