AWS EC2とLambdaの比較について、どのシナリオでそれぞれを利用するかを以下に示します。
AWS EC2の利用シナリオ
■長時間のプロセス:
継続的に稼働するアプリケーションや長時間実行されるバッチ処理。
・具体例: オンラインゲームのサーバー、データ分析ジョブ、長時間実行されるバックグラウンド処理など。
・理由: EC2は常時稼働できるため、長期的なタスクに適しています。サーバーの起動やシャットダウンの時間を考慮する必要がありません。
■カスタム環境が必要な場合:
特定のOSやソフトウェアスタックが必要な場合。例: 特定のライブラリやフレームワークが必要な場合。
・具体例: 特定のデータベースサーバーやアプリケーションサーバー(例: Oracle DBや特定のアプリケーションフレームワーク)。
・理由: EC2インスタンスでは、好きなOSやソフトウェアを自由にインストール・設定できるため、特定の要件に応じた環境を構築できます。
■状態管理:
セッション情報やユーザーデータを保持する必要がある場合。EC2インスタンス上でのデータベースやキャッシュの管理。
・具体例: ユーザーセッションやリアルタイムデータ処理が必要なアプリケーション(例: ECサイトのカート機能)。
・理由: EC2はステートフルなアプリケーションに適しており、セッション情報をインスタンス内に保存できます。
■高いカスタマイズ性:
ハードウェアのリソースを自由に選びたい場合や、特定の設定を行いたい場合。
・具体例: 特定のネットワーク設定やセキュリティ要件(例: カスタムVPC、セキュリティグループ)。
・理由: EC2はインフラを細かく設定できるため、特定のビジネスニーズに合わせた構成が可能です。
AWS Lambdaの利用シナリオ
■短期間の処理:
短時間で完了するタスクやイベント駆動型の処理(例: HTTPリクエストの処理やデータの変換)。
・具体例: イメージの処理、データの変換、APIリクエストの処理。
・理由: Lambdaは短時間で完了するタスクに最適で、実行後すぐに自動でリソースが解放されます。
■スケーラビリティ:
自動的にスケールアップ・スケールダウンが必要な場合。特に突発的なトラフィックに対応したいとき。
・具体例: 突発的なトラフィックに対応するWebアプリケーションのバックエンド。
・理由: Lambdaはリクエストに応じて自動でスケールし、数千のリクエストを同時に処理できます。
■コスト効率:
利用した分だけ料金が発生するため、トラフィックが不定期な場合や低頻度での実行が求められる場合。
・具体例: 定期的に実行されるバッチ処理やトリガーに基づくタスク。
・理由: Lambdaは実行時間に応じた料金体系で、使用していない時間は料金が発生しません。
■サーバーレスアーキテクチャ:
サーバー管理の手間を省きたい場合。インフラの管理をAWSに任せたいとき。
・具体例: マイクロサービスアーキテクチャの一部として利用されるサービス。
・理由: Lambdaを利用することで、インフラ管理から解放され、コードに集中できるため、開発効率が向上します。
■イベントドリブンな処理:
S3のオブジェクトアップロード、SNS通知、DynamoDBの変更など、イベントに基づいて処理を実行する必要がある場合。
・具体例: S3バケットへのファイルアップロード時に自動で画像をリサイズする処理。
・理由: Lambdaは各種AWSサービスとの連携が容易で、イベントに基づいた処理を簡単に設定できます。