iOSデバイスでの位置情報の取り扱いで気を付けたい事

良くみかける説明

「iOSでCLLocationManagerを使う際に気を付ける事」等と言う記事をインターネットで良く見かけます。

大概はinfo.plistにNSLocationAlwaysUsageDescriptionとNSLocationWhenInUseUsageDescriptionを追加して、CLLocationManagerを使いたいクラスにCLLocationManagerDelegateを追加して、目的に応じて[locManager requestWhenInUseAuthorization];か[locManager requestAlwaysAuthorization];を呼び出して[locManager startUpdatingLocation];を呼び出していますが、これで本当に大丈夫でしょうか？

実はその前に調べる事が…

最も気を付けなくてはならないのは、この手前です。つまり、iOS端末の設定で位置情報サービスがそもそもオフになっていた場合です。この時は上記の手続きを行っても、そもそもサービス自体がオフになっていますのでCLAuthorizationStatus status = [CLLocationManager authorizationStatus];は常にkCLAuthorizationStatusDeniedとなります。

位置情報サービスがONかOFFか調べよう

調べ方はとても簡単で
[CLLocationManager locationServicesEnabled];
を呼び出すだけです。結果はYES/NOで返却されます。NOだった場合は、位置情報サービスが使えないと言う事になりますが、アプリの補助機能として位置情報サービスを利用しているならともかく、位置情報がメインの場合はこれを放置していては困ります。

位置情報サービスがOFFだったら、iOS端末の設定をしよう！

つまり[CLLocationManager locationServicesEnabled];がNOだった場合は設定画面を開いて、位置情報サービスをONにしてもらう事が大事です。

前提条件として、CLLocationManagerDelegateが@interfaceのdelegateとして登録されている、とします。

- (void)locationManager:(CLLocationManager *)manager
didChangeAuthorizationStatus:(CLAuthorizationStatus)status
{
    if(![CLLocationManager locationServicesEnabled])
    {
        UIAlertController *alert = [UIAlertController alertControllerWithTitle:nil
                                                    message:@"iOSの設定>プライバシー>位置情報サービスをONにしてください。"
                                             preferredStyle:UIAlertControllerStyleAlert];
        [alert addAction:[UIAlertAction actionWithTitle:@"OK"
                                                  style:UIAlertActionStyleDefault handler:^(UIAlertAction *action) {
                                                      [self openSettingLocation];
                                                  }]];

        [self presentViewController:alert animated:YES completion:nil];
    }
    else
    {
        // もし、ステータスが未定だった場合は再設定を促す
        if(status == kCLAuthorizationStatusNotDetermined)
        {
            [locManager requestWhenInUseAuthorization];
        }
        else
        {
            // 位置情報取得開始
            // startUpdatingLocationを呼んだ時の日時をメンバ変数に保存
            startUpdatingLocationAt = [NSDate date];
            [locManager startUpdatingLocation];
        }
    }
}

このdelegateメソッドであるdidChangeAuthorizationStatusは、CLLocationManagerオブジェクトにdelegateを設定した時と、CLLocationManagerの管理している認証状態が変化した時に呼び出されます。

ですから、設定を自分のアプリから開いて位置情報サービスをONに変えて「MyAppに戻る」をタップした場合は認証状態が変化したので呼び出されます。

しかし、OFFのまま戻られた場合はこのdelegateメソッドは呼び出されませんので、当該アプリで位置情報サービスを使う事ができないと言う事になります。