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高専ロボコンとATVの将来

Last updated at Posted at 2023-11-27

はじめに

高専ロボコン2023が終了しましたね。大阪公大高専の皆様おめでとうございます.
今年の高専ロボコンを観戦し,思ったことを書き綴っていこうと思います.
今年の高専ロボコンについて特に 批判をするわけではなく,私の知っている技術を皆さんに共有したい ので書いているものになります.ここを抑えて,この記事を読んでいただければと思います.

今回の高専ロボコンと通信

きっと永年の課題だとは思うのですが,WiFiやBluetoothなどによる通信で,チャンネルブッキングによる混信があったと思います.
僕がYoutubeで見ていた限りだと,和歌山や東京などはその影響なのかなと思っています.
真偽は分りませんので,あまり信用はしないでください.
きっとHoloLensやVRゴーグルなどの映像機器がかなり発達してきて,それを利用するためにWiFiなどを使っていると思います.
ですが,この通信て途切れたらまずいですよね?コントローラーも同じような通信方法であれば,もう操縦できませんよね.

思うに

WiFiの特性上,電波の混信やチャンネルダブりはよくあるので,そこを防ごうとしても 無駄に近しい ものがあると思います.
こういった混信を減らすためには電界強度・出力でごり押しするか,運営側がWiFiなど制限を設けるなど運営側の対応の二択になると思います.最も,後者の運営側の対策はかなり高難易度かつ強制力を持たせることが至難の業になると思うのでほぼ無理でしょう.会場でテザリングしてる人を退場させようとしても,電波は目に見えないですし,誰が発しているか特定するのは無理でしょう.
結局,この問題を解決するには,各高専が対応したほうが早いのでは?とな思いました.

だけども

先ほどの文で, 「高専が仕様を変えれば問題ない」 のようなことを書きましたが,だからと言って一般来場者が何もしなくていいという話にはなりませんよね.
一般来場者は「WiFiを使用するテザリングなどを控え,Bluetooth機器も可能な限り電源を落とす」という配慮は必要でしょう.互いに対応策を出し合い,それを実行することによって快適な電波環境が得られるものだと思っています.
どちらか一方の力だけでは,この問題は一生解決できないでしょう.

じゃあどうすればいいの?

「WiFi接続が安定しないから,じゃあWiFiから他のものを使おう.」
もしそうなった場合を仮定しましょう.きっと,他に何があるんだろうという風になりますよね.実際WiFiほど帯域幅を取れるモノってなかなかないです.だからこそ WiFiが便利に使われていて,離れられない関係 になっていたんじゃないかと思います.
ですが一つあるんですよね.他に使えるものが.
それが ATV という技術です.詳しく説明しましょう.

ATVってなんだ?

もはや古代の技術として扱われているATVなのですが,ATVは「アマチュア・テレビジョン(Amature TeleVision)」の省略で,その名の通りテレビのような映像を伝送できるものになります.
なんでアマチュアって名前がついているのかというと, アマチュア無線 を使用するからです.もうあまり耳にしなくなりましたね.それが古代の技術とした使われてる理由でもあったりするのですが.

なにがいいの?

WiFiなどと比べて,周波数を選ぶことができます.
WiFiなら大体2.4GHzか5GHzなのですが,ATVはアマチュア無線に割り当てられてる周波数で許可されている帯域を使うことができるため,430MHz,1200MHz,2400MHz,5600MHz,10GHzとかなりバリエーションがあります.また,帯域も広いため,他チームとの混信も余裕をもって回避することができます.
また,コントローラーなどの通信もアマチュアバンドに載せることができるので,かなり汎用性は高いと思います.

基本的にテレビ放送と同じ仕組みなので,同時に多数の人たちがその映像を見ることができます.つまり,カメラとビューワー(HoloLensなど)従来1対1でなければいけなかったものでも,ATVに切り替えることで1対多数で受信することができ,2人でコントロールしているのであればその状況を二人で共有することができます.

また,WiFiなどデジタル変調の上にパケットが乗っているモノとは違い,アナログ方式ATVを採用すれば,万が一混信しても映像すべてが映らなくなるということはないでしょう.
他にもたくさんありますが,一部抜粋して挙げてみました.

いいところばっかりなの?

いえ,そういうわけではないです.
どのソリューションにも欠点というのは存在していて,この技術においても同じです.
割と枯れ切った技術で,もはや「ロストテクノロジー」に近しくなってきているため,これといって参考になる文章などがあまりないです.きっと,昔趣味でATVをやっていた人が一番わかるんじゃない?と筆者が思うくらいには情報がないです.一応書籍なども出版されていたころがあったので,それを手に入れれたらGOODかもしれません.今も,ATVを趣味でやっている人も少なからずいるので,そこにあたってみるのもありかもしれませんね.

また,アマチュア無線なので免許がいります.そこまで難しくないですし,きっと高専ロボコンあるいはそれの類似競技に出場するくらいのバイタリティがあるのであれば余裕だと思います.「第4級アマチュア無線技士あるいはそれに相当する資格」があればATVを運用することは可能です.

またあまり関係ないようにも思いますが,電波法でアマチュア帯での通信は暗号化をかけてはいけないという法律があります.つまり,BSやCS放送などで,料金を支払うことによって暗号を解くことができるキーをゲットできるように,アマチュア帯でも自分のチームだけの暗号アルゴリズムをかけて...なんていうのはできないんです.

なんでATVを勧めるの?

私がATVの導入を勧めるのは何よりも 安定性 です.
かなり安定して通信することができ,システムを構築できれば混信などの影響もMAXで受けないのでかなり強力なツールになるんじゃないかなと思います.
WiFiやBluetoothなどという大衆化された通信より,より通信信頼性があります.
なにより,通信障害による「動かない」という事象を防いで,その悔しい気持ちをどうにか無くせないかなと思っている次第です.

さいごに

Qiitaに随時ATVの記事を更新していく(はず)なので,今回は触りだけです.
もし,高専ロボコンでATVを導入したい高専ありましたら jm8psy.qso()gmail.com に連絡してください.ATVでの送受信を経験していますので,なんでも聞いて下さい.
()は@に置換してください.

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