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スニーカー売買市場システムの考察

Last updated at Posted at 2021-08-03

昨今、"スニーカーブーム"の一端を担っていると、個人的に感じているスニーカー売買市場システムに関して考察してみました

つい最近までは、オークションサイトや、フリマサイトで取引をすることが主流だったと思います
それが、"スニーカー売買市場システム"が登場したことにより、当システムを利用して、取引をすることが圧倒的に増え、取引自体の数も圧倒的に増えたと感じます

背景

"スニーカー売買市場システム"がここまで流行る理由は以下と考えます

  • 昨今は精巧な"偽物"や、購入者を騙すような粗悪品が増えている
    とりわけ、ネット取引
  • 売り手、買い手にとって、適正価格で取引できる
  • 取引に参加者の手間がかからない

スニーカー売買市場システムとは

株売買のシステムのアイデアを応用して、市場を用いて個人間取引を仲裁するシステムです
基本的なシステムは、

  • 売買成立は、株と同じでオークション方式
  • 個人間は匿名取引で、間を運営会社が取り持つ
  • 売買成立後、運営会社で商品が販売基準を満たしているか"鑑定"を行い、販売基準を満たした場合、"取引成立"となる
  • 市場で扱う商品は運営会社が決める
    (参加者がリクエストを出すことは可能)
  • 新品未使用の商品のみ

以下は後述でも出てくる、世界最大市場の「StockX」のサイトです
例で出したのは、直近で一般販売(DIORで抽選)されたスニーカー、DIORとAIR JORDAN 1のコラボです
国内定価は約25万円ですが、市場では、70~100万ほどで取引されています

見てもらえれば一目瞭然ですが、当然ながら、スニーカーのサイズ毎に相場が異なります
基本的に、取引が多いのは27~28cmあたりだと思います
人間の足のサイズの分布が多いところは、スニーカーの生産数も多いです
逆に端(小さい、大きい)はニーズも少ないですが、生産数も少ないので、相場が極端に高くなったりする傾向もあります

image.png

市場での取引実績も確認できます

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板情報として、市場での売り注文も確認できます

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板情報として、市場での買い注文も確認できます

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ビジネスとしては、

  • 手数料ビジネス
    取引毎に売り手、買い手から手数料を徴収することにより、売り上げとなります
    市場によって異なりますが、おおよそ以下の通りです
立場 取引成立時
売り手 売買成立金額の約0-10%
買い手 売買成立金額の約3%、もしくは固定金額

この他に、売り上げ金額の振込手数料が徴収されます

鑑定所とは

この"システム"でとても大きな役割を果たす場所です

売買成立となった後に、売り手は商品を鑑定所に送ります
運営会社は市場の販売基準を満たしているかのチェックを行います

この鑑定所で行う"鑑定"により、偽物や、商品状態が粗悪なものをNGとし、参加者にクリーンな取引を提供します

株式市場と異なる点

株売買のシステムのアイデアを応用しているとはいえ、当然ながら異なる点も多くあります
一言で言うと、良い意味でも、悪い意味でもとても"ゆるい"です

  • 市場に気軽に上場できる
    スマホ一つで、市場にユーザ情報を登録した上で、売り注文を出すだけです
  • 成行注文はない、必ず指値
  • 多少の変動はあっても、商品の市場価格は基本的に上昇し続ける
    商品の性質上、追加生産はないので、経年により、市場から商品の数が減っていくので価値は上昇していきます
    ただし、商品の性質上、加水分解や、黄ばみで売り物にならなくなる可能性があるので、注意が必要です
  • 売買注文が成立しても、必ずしも取引が成立するわけではない
    鑑定結果でNGや、売り手が商品を鑑定所に送らないこともあります
    例えば、市場相場が10万円のものを誤って1万円で売り注文があり、売買成立したとしても、おそらく売り手は商品を発送しないです。。
  • 市場は運営会社が直接提供
    基本的に市場は365日24時間開いていて、運営会社の都合で市場を停止できます
  • 市場にシビアな非機能要件は求めていない(はず)
    株式市場と違い、「1ミリ、1ナノ、1マイクロでも早く注文を出す」といった、そこまでの性能要件はない(はず)

市場

世界市場

世界最大市場は、「StockX」です
世界各地に鑑定所があり、グローバルな展開を行っています

世界各地の参加者が販売、購入ができるので、取引数が圧倒的に多いです

StockX:https://stockx.com/about/company/

国内市場

国内では、「SNKRDUNK」、「モノカブ」の2大勢力となっています

国内に鑑定所があり、国内参加者のみ取引可能です

株式会社SODA:https://soda-inc.jp/
株式会社モノカブ:https://b-rhino.com/

が、つい先日、「SNKRDUNK」を運営する、株式会社SODAが株式会社モノカブを買収したとの発表がありました

基本的な取引方法

売り手

  • 市場に売り注文を出す
  • 売買注文が成立した場合、売り手は市場で定めている鑑定所に商品を発送する
  • 鑑定所で鑑定結果でOKがでた場合のみ、"取引成立"となり、売り上げ金を受け取ることができます

買い手

  • 市場に買い注文を出す
  • 売買注文が成立した場合、商品が鑑定所で鑑定結果でOKがでた場合、鑑定所から商品が発送され、受け取る
    鑑定結果でNGとなった場合には、取引不成立となり売買成立金額は返金されます

所感

個人的に考えるこの手のシステムのメリットは以下の通りです

  • 売り手も買い手も"適正価格"で取引できる
  • "変な商品"をつかませられる可能性が圧倒的に減る
  • 売り手はオークションサイト、フリマサイトと異なり、商品画像の登録、商品説明を記載する必要がない為、手間が圧倒的に少ない
  • 個人間は匿名取引できる

で、「このアイデアを採用すれば、どのカテゴリでもできる!」と思いました

実際、StockXなどはスニーカーに限らず、ファッション系(服やアクセサリ)、フィギア、トレカ、ゲーム機など取り扱い範囲は多岐に渡っています

StockXが市場としては圧倒的に巨大ですが、日本から利用するにあたり、実態が海外にあることにより、手数料(輸入関税やシステム手数料)がとても高いのがネックです

その点、国内市場は、関税はもちろんかからないですし、手数料もStockXより抑えた形で運営されています
別の見方をすれば、市場規模が全く違うので、手数料の安さしかメリットがないのが、現状だと思います

とはいえ、「SNKRDUNK」が「モノカブ」を買収したことからも、今後、国内シェアの争いは注目です:point_up:

最後に、国内のスニーカーブームは終わった(AIR MAX 95から始まって、何回目の終焉?)と、最近言われています
ただ、個人的には昔と違って、このシステムがあることにより、多少の浮き沈みはあるにしろ、市場としては盛り上がった形で続いていく気がしています

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