はじめに
2024年秋の応用情報技術者試験を受験し、無事合格することができました。
学生時代に基本情報技術者試験を合格しましたが、今の会社で勉強した知識や、資格を持っていること自体が要所で活かせており、「どうせならもう一つ上も取得しおこうかな」という軽い気持ちで受験をしました。
しかし、正直かなり仕事が忙しくて、多分無理だろうなーと思いながらも勉強を続け、なんとか合格できました。
その時にやった勉強方法等を公開しようと思いますが、正直ギリギリ過ぎるので反面教師としてこの記事を役立てもらえたらなーと思います。一方で、時間が足りなかったためギリギリ合格でしたが、短時間でちゃんと結果に結びつけられたことは事実です。忙しいサラリーマンなどは特にですが、今回の勉強戦略や考え方、時間があればやりたかったことなど、これから受験する人の参考になればと思います。
※本記事の筆者は基本情報技術者試験を取得済み、かつIT企業に勤務してます。未経験の人には参考にならないかもしれませんのでご注意ください。
参考までに
受験前の保有資格
- 基本情報技術者試験 2022年4月取得
- AWS クラウドプラクティショナー 2023年11月取得
業務内容
- ITコンサルの会社で勤務 3年目
受験当時はシステム開発のテストチームを担当し、WEB画面の打鍵を行っていました。障害が発生すると開発者ツールやログでエラーを確認し、DBのテーブルや設計書と照らし合わせて原因を特定し、開発チームに報告する作業を繰り返していました。この経験から、午後試験のデータベースに関する問題には自信を持てました。
勉強時間・勉強方法
- 参考書:書籍は購入してません
- 勉強期間:1ヵ月
- 勉強時間:20時間程度
平日の朝夕の通勤時に電車内で20~30分×2の勉強+土日に3~5h×2(残業や飲み会、休日出勤で結構できないこともありました) - 勉強方法
- 午前は過去問6回分を2,3周
- 午後は7領域程度を2年分(苦手なのは4年くらい)実施
通勤1時間くらいで出社しているうえ残業が3~4時間くらいあり、10月から社内のルールが変わって社内規定の残業可能な時間が長くなるという...
土日出社も平気であるので普通に勉強時間の確保が大変でした。
勉強~合格までで感じたこと
勉強について、過去問を解きまくるのは必須ですがそれ以外で注意することは主に2つです。
- 最低限の知識を身に着ける
- 問題に解き慣れる
最低限の必要な知識は基本情報技術者試験と同じ範囲なので、この資格を取得していれば十分です。 また、教習所の試験のように独特な言い回しや長文読解が求められるため、事前に慣れておく必要があります。特に午後試験では、問題文の表現を使うなど回答のコツがあるため、模範解答を参考に自分なりの解答法を確立できると良いでしょう。
試験当日は午前・午後ともに時間が余りました。午後は気にしなくても良いですが、午前は早めに切り上げて午後試験の準備に充てると良いです。 また、午後試験では情報セキュリティ以外に4問を選んで解きますが、解答用紙に回答した問題を記載する箇所があるので書き忘れに注意してください。ちなみに私は途中退出のため試験官に手渡す時、記載漏れに気付いて慌ててチェックを付けました(笑)。
勉強の戦略
午前試験
お馴染みの過去問道場で過去問をゴリゴリ進めるのみです。
有名な話ですが、応用情報技術者試験は過去問が結構でます。割合としては5割を占めるとのことですので、とにかく過去問を解くことが重要です。下記サイトでは10年分ほど解けば問題ないとの記載もありました。
具体的にやったこと
今回私が受験した状況から10年分の過去問に目を通すということは不可能に近かったので、直近3年分を解き、答えが反射で分かったもの以外に絞って何度も繰り返し解き直しました。
この方法では過去問が40問出たとして、カバーできるのは12問程度になりますが出題された問題を確実にとりに行くことの方が重要と判断して範囲を絞って点を稼ぎ、残りは出たとこ勝負で挑みました。
平日の1日のルーティン
基本的には下記の流れで午前の対策をしました。ほぼ毎日飲み会の後とかでもやってました。
これを2か月続ければ6~8年分の過去問で対策できたと思うので、勉強の開始をできるだけ早くできると良いと思います。
朝の通勤時間:電車の中で過去問道場の問題を解き、5秒で答えが分からなければチェックを付ける
夜の通勤時間or寝る前:チェックを付けた問題を解く
午後試験
基本情報技術者試験を受験したときの経験から、午後試験の対策としては問題に慣れることが最重要だと感じてました。試験範囲は基本情報技術者試験と変わらないため、新しくインプットする情報はないと判断して問題に慣れることだけに注力しました。
具体的にやったこと
過去問道場の問題について、問題文・模範解答・解説をひたすら読んで理解する、を電車の中でしました。
土日など、時間と余裕があるときは実際に初見の問題を解いたりもしましたが、ほぼ読んでいただけです。
また、情報セキュリティ(必須問題)とあまり自信がない問題は3、4年分見て、特に重要ではないと判断したものは気が向いた時に見る程度でした。
他は特に何もしておらず、YouTubeの動画を見ることもなく、参考書すら買ってません。
問題を解く・見るときに意識していたことは下記の3つです。
-
短時間で答えにたどり着けるか
サクサク解けば時間は余るため、面倒な計算が必要な問題もゆっくり時間をかけられますが、知識問題や国語の問題に時間をかけてしまうと、時間ギリギリになり計算ミスを誘発します。時間をかけるべき問題のためにも、素早く回答できるように練習する必要があります。 -
~字以内で答えよ。について模範解答がどのように記載されているかを確認
私の周りにいる受験経験者の話やネットの記事から、国語の問題に苦手意識を持っている人が多いです(私もそんな得意ではないですが...)。しかし応用情報技術者試験では、模範解答を見る限り、問題文の内容をそのまま素直に書けばほとんど正解になります。 文章中の言い回しを真似し、単語を拾って当てはめるだけで高確率で正解できる印象です。慣れれば得点源にできるため、問題文から回答を作文する流れを意識して解きましょう。 -
各大問の難しい年、簡単な年を確認する
午後試験の大問は年によって難易度にばらつきがあります。簡単な年もあれば、難しい年もあり、せっかく勉強しても成果を出せないことがあります。そのため、難しいと感じたら他の大問を選ぶことが重要です。 複数年の過去問を解いた所感として、難しい大問がある場合、他の問題が比較的簡単になっており、全体の難易度が調整されている印象があります。試験当日は5分程度で大問全体を確認し、難易度を見極めて解く問題を判断できるよう、事前に特徴を把握しておくと良いでしょう。
私が選択した大問と根拠(参考までに)
- 情報セキュリティ
- プログラミング
- システムアーキテクチャ
- データベース
- システム監査
情報セキュリティは必須でしたが、残りの4つについては次のような流れで選択しました。
過去問を解いた感触として、プログラミングとシステム監査は簡単だったこと、また仕事でSQLを書いたり、DBの設計書を読み込んだり、ということをしていたためデータベースを含めたこの3つを固定としました。
最後の一つについては特に事前知識が無かったため出たとこ勝負でした。候補としては、システムアーキテクチャ、組み込み開発のいずれかに絞りました。
上記の大問について、難しそうなら国語の問題であるプロジェクトマネジメントとサービマネジメントあたりを解く方針でした。ネットワークなど知識が無いと解けない分野は無視しました(勉強すらしてません)。
当日、パット見たと所システムアーキテクチャ・組み込み開発どちらも難易度が低そうだと感じたため、適当に選択しました。
短時間の勉強で合格できた要因(自己分析)
午前試験
シンプルに運が良かったこと、また必要最低限の勉強ができていたことが要因と思われます。
試験対策として対策する過去問の理想は10年分(計20回分)を解いて回答を覚えておきたいですが時間が無かったため3年分(計6回分)しか解くことができませんでした。 応用情報技術者試験は5割が過去問から出題されるため、20回分きっちり解いておくことで50点、残りを6割解けたとして合計80点程度取れるようになると思います。
私の場合、過去問を初見で解いて50~55点程度取れていたため、6回分解いて10点分稼ぐことができ、合格できたと思われます。 6回は少なすぎるとは思いますが、知識や能力、職歴によっては10回分解くだけでも十分かもしれないです。
時間があればやりたかったこと
単純に過去問をあと5年分くらいは解いておきたかったです。午前試験については実力よりどれだけ時間をかけられたかにかかっているため、とにかく時間確保をすることが重要だと感じました。
午後試験
合格の要因としては、事前に必要な知識を有していたため新しく覚えることが少なかったこと、切羽詰まっていたからこそ合格に不要なことを切り捨てられたことが要因と考えています。
業務経験があったこと、基本情報技術者試験である程度の知識を身に着けていたことが大きく影響し、勉強の上で一番大変な知識を身に着ける作業が不要でした。実際、過去問の模範解答を見ただけで「あ~そういえばそうだった~」となっていたため、本を買って読んだり、ググって調べるということが不要でした。
また、もともと興味があったネットワークなど、今回の試験勉強でより知識を身に着けようと考えていました。しかしあまりにも時間が無かったため、今できることを尖らせることだけに注力するしかありませんでした。
その結果、↓こういったサイトなどを参考に、勉強する分野を取捨選択する必要がありました。
各大問について、選択した理由、選択しなかった理由、どのような対策をしたかを羅列しましたので、ご参考までに...
選択した問題
- 情報セキュリティ
基本情報技術者試験を過去に受験した際、1番苦手で重点的に勉強しました。その時の知識やら回答のノウハウが記憶に残っていたことが勝因だと思います。しかし、単語などはかなり忘れていたため、↓こういったサイトなどを探して読んだりしました。結局当日は出題されなかったですが...
- プログラミング
一応開発エンジニアとして採用されてる上、学生時代からコードは書いてたので何の問題もなく解けました。むしろ点取り問題でした。 - データベース
普段の業務でselect文や、設計書なりでテーブル定義みて分析したり、ER図見てetc...ということをやっていたため、比較的勉強コストが小さかったです。ただselect文を使うことがほとんどのため、createやdropなど普段使わない構文を重点的に勉強しました。当日はwith文を書かされる問題があり、「1年くらい前にこんなSQL実務で扱ったけど何だけ?」となって、それだけ落としました... - システムアーキテクチャ
色々な体験談を見た限り、比較的点数を取りやすそうなことが書いてありましたので候補に入れていました。3回分の過去問を読んである程度解き方の流れを把握しましたが、それ以上の対策はしてません。 - システム監査
大抵の体験記を見たところ簡単そうでしたので候補に入れていました。初見で解くと難しく感じましたが、1,2回過去問を解くと問題文を読むのに時間がかかるだけであり、回答も問題文から単語を抜き出すだけのため、慣れると早く確実に点数を稼げることに気が付きました。
選択しなかった問題
- 経営戦略、ネットワーク
経営戦略、ネットワークについては知識が無かったため最初から問題すら見てないです。 - 情報システム開発
情報システム開発は適当に見た過去問がよく分からなかったのでこれも分からないだろうと思い飛ばしてました。ただ、改めて問題を見てみると情報システムはオブジェクト指向の内容で、簡単そうだったのでシステムアーキテクチャよりは解きやすかったかもしれないです。 - 組み込みシステム開発
システムアーキテクチャが難しかった場合に解く問題と考えてました。当日はシステムアーキテクチャが難しくなかったのでスキップしました。 - プロジェクトマネジメント
プロジェクトマネジメントはあまり知見が無いため、他の大問が難しくて手に負えない場合の最後の砦という位置づけでした。他の問題が特に難しいと感じなかったため、スキップしました。 - サービスマネジメント
システムアーキテクチャとどちらが簡単そうかで迷いました。見たところ難易度的にはほぼ同じくらいでしたが、なんとなくでシステムアーキテクチャにしました。
時間があればやりたかったこと
2,3年分の過去問しか目を通せていなかったため、全体的に対策が甘かったように思います。どのような問題が出題されるのか分析するうえで、サンプルがもう少し多ければ取りこぼしも少なく、もっと余裕をもって合格ができたと思います。
また、合格には不必要な考えかもしれませんが、せっかく試験勉強をするのであれば苦手or知らない分野の問題を解いて、知識を広げる時間に費やせたら良かったと思います。正直試験が終わってしまうと勉強する気も起きなくなるので...
総括
今回の応用情報技術者試験については、時間が無さ過ぎて合格に必要なことだけを最低限やる、だけになってしまいました。正直試験対策をするうえで、一番の大変なことは時間を確保することだなーと改めて思いました。
いくら知識があっても勉強時間が確保できないと合格の確立は下がります。実際私の点数は合格点ギリギリでした。正直心臓に悪いので、可能であれば30~50h程度の勉強時間があると余裕をもって合格ができるのかなと思います。
最後に
本当は2か月くらい前から対策を始めて、確実に合格したかったのですが8月にコロナ罹患、9月に肺炎を患い、10月の試験に向けての準備が思うようにできませんでした。合格できたからよかったものの、病気や仕事を不合格の言い訳にするのもダサいので、体調を崩すということも見越して準備をできていたら良かったと思います。
あまり参考にはならない勉強法(というか勉強してない)だと思うので、こんなの見ても何の足しにもならないかもしれませんが....
何とか役立ててもらえればと思います。
今後も何かしらの試験に挑戦しようと思いますが、IPAの試験はもう取りたい資格などは特にないので、今後はクラウドの資格を少しずつ取得していこうと思います。