データ分析やAI活用を考える際、よく登場する「データレイク」「データウェアハウス(DWH)」「レイクハウス」。それぞれの概念の違いを理解することは、プラットフォーム選定や設計において非常に重要です。
本記事では、Databricksが提唱する「レイクハウス」の強みと、他モデルとの違いを初心者向けにわかりやすく解説します。
🔍 用語解説
用語 | 意味 | 補足 |
---|---|---|
データレイク(data lake) | 生データを大量に保存する倉庫 | 加工前の全データを保存できる |
データウェアハウス(data warehouse) | 整形されたデータを保存・分析する倉庫 | KPIやBI分析向け |
データマート(data mart) | 業務特化型のミニデータベース | 定型レポートやアプリで使う |
レイクハウス(lakehouse) | レイクとDWHのいいとこ取り | Databricksが提唱・実装 |
スキーマオンリード(schema-on-read) | データ読み取り時に構造を定義 | 柔軟だが精度には注意 |
スキーマオンライト(schema-on-write) | データ保存時に構造を定義 | 扱いやすく、精度が高い |
各モデルの概要
データレイク(Data Lake)
- 構造化/非構造化データの全てをそのまま保存
- 安価・柔軟・スキーマレス(オンリード)
- 機械学習や探索的分析に適するが、データ整合性や品質管理には課題
データウェアハウス(Data Warehouse)
- 整形済み構造化データの保存・分析に最適
- 高性能・スキーマオンライト
- BIツールとの連携が得意
データマート(Data Mart)
- 特定用途向けの軽量・高速なデータベース
- 定型レポートやアプリ向けに最適化
レイクハウス(Lakehouse)
- データレイクの柔軟性 × DWHの信頼性を融合
- ACIDトランザクション、スキーマ進化、オープンフォーマットをサポート
Lakehouseとは?
Databricksが提唱する「レイクハウス」は、従来のレイクやDWHの弱点を補う次世代の統合データアーキテクチャです。
- Delta Lake:トランザクション & スキーマ管理
- Unity Catalog:アクセス制御・ガバナンス
- Databricks SQL:BI/SQL分析
モデル比較表
項目 | データレイク | データウェアハウス | データレイクハウス |
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データ形式 | 全形式対応 | 構造化中心 | 全形式対応 |
スキーマ方式 | オンリード | オンライト | ハイブリッド |
コスト | 安価 | 中〜高 | 中程度 |
パフォーマンス | 低〜中 | 高 | 高 |
柔軟性 | 高 | 低 | 高 |
管理・ガバナンス | 弱 | 強 | 非常に強い |
代表ユースケース
モデル | ユースケース例 |
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データレイク | IoTログ蓄積/音声・画像保存/ML前処理 |
データウェアハウス | 売上集計/経営指標のKPI分析/BIレポート |
レイクハウス | リアルタイム分析+BI連携/ML×BI統合/全社横断データ基盤 |
✅ まとめ
レイクハウスは、「あらゆるデータを一箇所で、信頼性高く、柔軟に活用したい」という現代のニーズに応える最強アーキテクチャです。
Databricksを使えば、Delta Lake × Unity Catalog × Databricks SQL により、これをノーインフラで簡単に構築できます。