SnowflakeのNetwork Rulesを使ってNetwork Policyを整理してみた。
2023年9月中旬のSnowflakeの7.33リリースでNetwork Rulesがパブリックプレビューされました!実は私が密かにずっと待っていた機能です。
今回は、Network Rulesを使ってNetwork Policyを整理する方法について紹介したいと思います。
Network Rulesとは?
複数の拠点やサービスからのSnowflakeへのアクセスがあるため、Snowflakeアカウントのネットワークポリシーが以下のように大量のIPアドレスの羅列になってしまっている人達って結構いませんか?
AA.BB.CC.DD/32, EE.FF.GG.HH/30, II.JJ.KK.LL/29, MM.NN.OO.PP/32, QQ.RR.SS.TT/32,
UU.VV.WW.XX/32, YY.ZZ.AA.BB/30, CC.DD.EE.FF/32, GG.HH.II.JJ/32, KK.LL.MM.NN/32,
OO.PP.QQ.RR/29, SS.TT.UU.VV/32, WW.XX.YY.ZZ/32, AA.BB.CC.DD/30, EE.FF.GG.HH/29,
II.JJ.KK.LL/32, MM.NN.OO.PP/32, QQ.RR.SS.TT/30, UU.VV.WW.XX/29, YY.ZZ.AA.BB/32,
CC.DD.EE.FF/32, GG.HH.II.JJ/32, KK.LL.MM.NN/32, OO.PP.QQ.RR/30, SS.TT.UU.VV/29
それで別のExcelシートでそれぞれのIPアドレスと拠点やサービスの対応を管理したり、コメント欄に全部羅列したり・・・。
社内システム&社内セキュリティ&開発用AWS&オンプレ拠点A&オンプレ拠点B&Databricks&IDMC (2023/4/2更新 井上)
そういう場合にNetwork Rulesを使えば、拠点やサービス毎にIPアドレスグループを管理することができるようになります!
設定方法
環境作成からネットワークポリシー設定までのクエリを説明していきます。
1.環境作成
Network policyはアカウントオブジェクトである一方で、Network Rulesはスキーマオブジェクトです。なので、Network Rulesを作成するデータベースおよびスキーマを作成する必要があります。ついでに、専用ロールも作っておきます。
--Network Rules設定用のロールを作成
USE ROLE securityadmin;
CREATE ROLE network_admin;
--Network Rules設定用のデータベースを作成
USE ROLE syadmin;
CREATE DATABASE securitydb;
--Network Rules設定用のスキーマを作成
USE DATABASE securitydb;
CREATE SCHEMA securitydb.networkrules;
--ロールに権限を付与
USE ROLE securityadmin;
GRANT USAGE ON DATABASE securitydb TO ROLE network_admin;
GRANT USAGE ON SCHEMA securitydb.networkrules TO ROLE network_admin;
GRANT CREATE NETWORK RULE ON SCHEMA securitydb.networkrules TO ROLE network_admin;
GRANT ROLE network_admin TO ROLE securityadmin;
--ロールの切替
USE ROLE network_admin;
2.Network Rulesの作成
Network Rulesを作成します。今回は特定のIPアドレスからSnowflakeへの接続要件があるものと考え、そのようにオプションを指定します。
実際には外部からSnowflakeへの通信/Snowflakeから外部への通信/内部ステージへの通信を制御したり、IPアドレスではなくVPCエンドポイント名を指定する等の細かな設定を行うことができるので、是非ドキュメントを確認してみてください。
CREATE OR REPLACE NETWORK RULE internal_system
MODE = INGRESS
TYPE = IPV4
VALUE_LIST = ('AA.BB.CC.DD/32, EE.FF.GG.HH/30, II.JJ.KK.LL/29, MM.NN.OO.PP/32');
CREATE OR REPLACE NETWORK RULE internal_security
MODE = INGRESS
TYPE = IPV4
VALUE_LIST = ('QQ.RR.SS.TT/32, UU.VV.WW.XX/32, YY.ZZ.AA.BB/30, CC.DD.EE.FF/32, GG.HH.II.JJ/32');
3.Network Policyの設定
こちらを参考に、Network Rulesを利用したNetwork Policyを作成します。現時点では、GUIで設定できないため、クエリを実行する必要があります。
USE ROLE accountadmin;
CREATE OR REPLACE NETWORK POLICY allowlist ALLOWED_NETWORK_RULE_LIST = ( 'internal_system', 'internal_security' );
4.Network Policyの有効化
Network Policyの有効化はGUIでも実行できるので、GUIから設定していきます。Snowsight上の管理者-セキュリティ-ネットワークポリシーを開くと、先ほど作成したNetwork Policyが記載されています。現状だと、実際に設定されているリストは表示されないようです。
通常時と同じようにネットワークポリシーをアクティブ化すると、
無事、ネットワークポリシーをアクティブ化できました。
外部からアクセスすると、想定通りネットワークが遮断されていることを確認できます。
5.Network Policyの設定内容を確認
1. Network Policyに設定されているNetwork Rulesを確認する
以下のクエリで確認できます。
desc network policy allowlist;
2. Network Rulesに設定されているIPアドレスを確認する。
以下のクエリで確認できます。
desc network rule internal_security;
6.Network Policyの設定内容を変更
Network Policyに紐付けられているNetwork RulesをCREATE OR REPLACEしようとすると、
CREATE OR REPLACE NETWORK RULE internal_system
MODE = INGRESS
TYPE = IPV4
VALUE_LIST = ('AA.BB.CC.DD/32, EE.FF.GG.HH/30, II.JJ.KK.LL/29, MM.NN.OO.PP/32');
エラーが発生して、設定内容を変更できません。
そんなときは、ALTERして値を変更しましょう。
ALTER NETWORK RULE internal_system SET VALUES_LIST = ('AA.BB.CC.DD/32, EE.FF.GG.HH/30, II.JJ.KK.LL/29, MM.NN.OO.QQ/32');
まとめ
今回は、Network Rulesを使ってNetwork Policyを整理してみました。
これまで複数の拠点やサービスからの通信要件をひとまとめにしていましたが、今後は管理しやすくなりますね。
Snowflakeは、日々の機能リリースの中でこういった便利機能を出してくれるのでとても嬉しいです。
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