※以下は社内LT会にて使った資料です。「心理的安全性のつくりかた」という書籍の要点や感想などが記載されています。
心理的安全性のつくりかた
「チームの心理的安全性」とは
- チームの中の対人間関係において"リスク"をとっても大丈夫だということが共有される信念のこと
- メンバー同士が健全に意見を戦わせて、生産的で良い仕事をできるチームのこと
「非」安全性
- 良かれと思ってやることが、罰や評価の低下につながる
- 報告したら自分の仕事が増える、面倒なやつだと思われる
- 意見をいうと嫌われる、評価が下がる、空気が悪くなる
- うまくいくか詰められる
- 問題を報告すると犯人探しがはじまる
- 質問をすると「何も知らないやつ」扱いになり評価が下がる
対人関係における"リスク"
- 以下の4つのリスク
- 無知とおもわれるリスク
- 無能とおもわれるリスク
- 邪魔とおもわれるリスク
- 否定的とおもわれるリスク
心理的安全であるメリット
- 非安全なチームと比較して 高いパフォーマンスを出していた
- 原因としては、非安全なチームと比較して、チーム内の学習が促進されていた
- 離職率の低下
- 収益性向上
- アイデアの効果的な活用
- パフォーマンス、創造性の向上
- 能力があると自負した人の集まりより、心理的安全なチームの方がパフォーマンスが高い
ヌルいという意味ではない
- 心理的安全についてのよくある誤解
- 仕事の要求水準が低いことを表すわけではない
- 何もしなくて良い
- 努力しなくて良い
- 仕事の要求水準が低いことを表すわけではない
- 衝突を避けるという意味ではない
- むしろわからないこと、異論があったら積極的に発言発案する
- タスクに関しては衝突を起こしてもプラスに働く
- 目指すは心理的安全性が高く、仕事の水準も高い環境 = 学習と成長をする職場
チームとは
- 同じ目標を達成するために、互いにアイデアを出し、取り組む活動をする集まり
- リモートワークでうまくいかない組織は、"チーム"になれていなかったという課題が浮き彫りになっただけ
"学習と成長をする職場" を目指す
- 努力の源泉
- サポート
- うまくいかない場合にも罰を与えることなくアドバイスやヘルプを出す
- 意義
- やりがい、成長実感がある
- みかえり
- 成果に至らなくても、努力や行動が承認や感謝、適切な行動へのアドバイスがもらえる
- 配置
- 適した環境に置かれることで、自発的、自律的に努力ができるようになる
- サポート
日本における心理的安全性
- 文化の違いで要因が違う
- 日本における心理的安全性を感じるための4因子
- 話しやすさ
- 助け合い
- 挑戦
- 新奇歓迎
- 目立つことがリスクではない
- さまざまなものが歓迎されるか
- 同質な集団ならマネジメント側はラク
心理的安全なチームを作る
- 心理的柔軟なリーダーシップ
- チームの心理的安全性を向上させる
- チームの学習が促進される
- カルチャーを変えるには行動に注目する
- 自信があるように見えるとはなんなのか
- 背筋が伸びている
- ハキハキ喋る
- 表情が堂々としている
- 同様に心理的安全なカルチャーはそう見える行動を増やせば良い
- (個人的な考え)
- 談笑している
- 不機嫌な人がすくない
- 他人を馬鹿にしない
- (個人的な考え)
- 自信があるように見えるとはなんなのか
心理的柔軟なリーダーシップ
- 変えられないものを受け入れる
- やれることをやる
- 白黒思考を止める
- 現実への感受性が下がる
- 嫌な気持ちをコントロールするのではなく受け入れる
- コントロールしようとすると
- 不安からマイクロマネジメント、報告書の増加
- リスク検討が不十分
- 責任の追求
- 受け入れる
- 「それはちょうどよかった」と唱える
- 起きたことは変えられない
- トラブルがあるのは仕事の前提
- コントロールしようとすると
- 大切なものへ向かっていく
- 何が大切か言語化して仕事に意味付けをする
- それらをマインドフルに見分ける
- "物語の自分"(こうでありたい自分)と、観察者の自分(事実だけを捉える自分)を分離し、"物語の自分"に固執しない
- 物語の自分を損なう行動は"リスク"に当たる
- 挑戦の阻害、助け合いの阻害へ
- 物語の自分を損なう行動は"リスク"に当たる
- "物語の自分"(こうでありたい自分)と、観察者の自分(事実だけを捉える自分)を分離し、"物語の自分"に固執しない
行動分析の「きっかけ、行動、みかえり」フレームワーク
きっかけと見返りを使って、行動量を制御すると考えるフレームワーク
- きっかけ
- 行動
- みかえり
- 好子:次にその行動をする確率が増える見返り
- 嫌子:次にその行動をする確率が減る見返り
- 心理的"非"安全な組織はこれによるマネジメント
これらを使って心理的安全性を感じるための4因子を向上させる
普段の生活でのフレームワークの例
きっかけ | 行動 | みかえり |
---|---|---|
夜家にいる 食料がある ストレスがたまっている |
つい食べ過ぎる | 好子:美味しい 好子:ストレス減少 嫌子:健康に悪い ->健康を実感するのは時間経過が必要なので食べ過ぎる確率UP |
冷房が寒い | 温度を上げるボタンを押す | 嫌子:寒いまま ->ボタンを押す確率が低下する |
嫌子増加による行動の弱化は一時的なものになりがち
- 叱る/怒る
- 怒る人がいない場合は行動は元に戻る
- 怒られた側にネガティブな感情が生まれる
- 別の望ましくない行動が増えてしまう
- 叱る強さをあげないと効果が出なくなる
なぜ?どうして? は注意して使うべし
- 注意すべき理由
- なぜ?と聞かれる文脈はネガティブなものが多い
- 萎縮させがち
- 責められている、罰されている感覚を持ちやすい
- (例):コードレビューでありそうですね
- なんでこの関数を使ったんですか?
- なぜこういう書き方なんですか?
- なんかそういうデータあるんですか?
- それって明らかにあなたの感想ですよね?
-
写像ってなんすか?- この辺りは責めていないことを示すような表現にすれば良いかも
きっかけ作りを重視する
- アドビの例
- アイデア実現のために自由に使って良いという名目で、従業員に10万円の残高のカードを渡している
- (Relicの書籍購入制度はこれに該当するかもしれません)
- ルールもきっかけ
- ただし、守ってもらえるかはリーダー、マネージャーの影響力・信頼性などによる
- 「チームメートと30分話そう」みたいなルールは注意
- ルールを守って誉められるor怒られないためだけに、みかえりを求める人が出る場合がある
心理的安全な組織に変革した例
- 主任3名の間での心理的安全性に難があった
- 課題
- 主任のうち1名が専門家思考
- 教えを請われたら「ちゃんと自分で勉強すべき」と考える癖があった
- 自身が他者に教えを請うのも苦手
- こうしなくはいけないという制約が自他を縛っている状態
- 主任のうち1名が専門家思考
- 対処
- Cさんの恐れをヒアリング
- 間違ったことを言うことが怖い
- 質問をする、知らないということが怖い
- Cさんに組織のあり方を説明
- 全員がCさんを目指すより、得意不得意を認めて助け合う方ことが重要
- 間違っても良いことを説明
- 伝え方の説明
- 感謝
- Cさんの恐れをヒアリング
- 結果
- 連携が取れるようになり、苦手を補う関係に
- 主任の残業が25%減少
- チーム全体で月140hの残業が33hへ削減
- 課題
考察
普段の発話に気をつけた方がいいかも
- 強い言葉を使いがちな人は"リスク"を上昇させると思う
- ただ、"物語の自分"がそういう本音を言う自分みたいなキャラだと、当人としても言動を変えることに"リスク"を感じてしまうかも
- 「悪口言わない奴は信用できないんだよねー」って人もいるから難しいですよね
みかえりにもっと注目するべきかも
- 日本の道徳だとみかえりを要求すること自体がさもしいという扱いな気がします
- ただ、人間誰しも無意識で見返りを要求しているはず
- 適切なみかえりを考えた方がいいかも
- 感謝を伝える
- 認める
- 刺激を受けたことを伝える
- 良い点を見つけて伝える
- 承認欲求を肯定的に捉える
- 日本だと承認欲求を俯瞰で見ている"物語の自分"を持っているひとは多そう
- 多分、感謝を伝える文化がないところもありそう(偏見)
- 感謝なんて表層的なもので、そんなことしてる暇あったら実験しろ&論文読め
- 感謝の言葉で動かされるなんて薄い人間だ(自分はそんな薄い人間ではないんだぞという"物語の自分"を持っている人いそう...)
ガチガチに意識するのも息苦しくなりそう
- この辺りはあくまで参考程度にするぐらいで良いと思う
"物語の自分"を脅かさないのも大切かも
- 心理的柔軟なリーダーシップでは必要だが、全ての人が身につけるのは難しそう
- "物語の自分"が強い人は少なくないと思うので、その人がどんな自分でありたいかを尊重してあげないと"リスク"が上がりそう
- 4因子の中の 新奇歓迎 に該当するかもですね
採用が大切な気がする
- 以下の4つを馬鹿にするタイプの人は心理的安全な組織にするための障害になりそう
- 話しやすさ
- 助け合い
- 挑戦
- 新奇歓迎
- SNSでそういうのわかっちゃいそうですね...笑