##1.はじめに
現在の業務に携わるにあたり、ITILの知識を求められましたが、私自身5、6年前にITILファンデーションV3の勉強をして合格した以来、ほとんど触れていませんでした。
その当時、私は居酒屋の店長からIT業界に飛び込んで間もない時期で、未経験の私からすると用語や意味を理解するのに必死でした。
今回改めて学び直してみると、サービスマネジメントの手法のため、IT業だけではなくサービス業を含むあらゆる業務に適用でき、当時の私にも教えてあげたかったと思う内容も多かったです。
そこで今回は「へぇ~!」「なるほど!」と思った内容についてまとめていきたいと思います。
##2.ITILとは
まず、そもそもITILとは何なのか、記述していきます。
ITIL(Information Technology Infrastructure Library)とは、ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティス(成功事例) をまとめた書籍群(ウィキペディア参照)です。
ざっくりまとめると、IT(情報技術)をビジネスに活かすための世界中のノウハウをまとめたものです。
どのような観点で、具体的にはどのようなことをすればいいのか、世界中の成功事例をもとに共通の事柄を抽出し、まとめたものです。
##3.ITIL導入の利点
はじめに、「ITILはIT業だけではなく、サービス業を含むあらゆる業務に適用できる」と記述しましたが、「顧客目線」「ビジネス的な観点」から、以下のような利点があります。
〇顧客満足度の向上とリピート客の増加
〇売上向上と利益拡大
〇組織力の強化
〇マネージャの育成
##4.当時の私が「なるほど」と思いそうなこと
####①サービスの本来の意味
一般的に、「お得なことをしてあげること」がサービスと捉えられがちですが、受け手(顧客)が"お得"と思わなければそれはサービスではありません。
受け手(顧客)にとって「本当に価値があること」を提供するのがサービスと言えます。
####②サービスの明瞭な説明が鍵
様々なサービスを提供していても、それらを受け手(顧客)に理解してもらわなければ良いサービスとは言えません。
そこでサービス・カタログを作成し、提供している内容について理解してもらうことが鍵となります。
####③今後の戦略を事前に内部で共有する
今後どのようなサービスを提供していくかといった戦略を内部で共有するため、サービス・ポートフォリオを使用します。関係者が理解し、適切な準備を進めるために用いられます。
####④ITIL特有の読みにくい日本語はわざと?
翻訳者の経験をもとに訳すと、微妙なニュアンスの違いが生まれる可能性があるため、「あえて直訳する」ルールが設定されているそうです。
例えば、『インシデント』という言葉一つとっても、運用の経験がある方と開発の経験がある方では、微妙にニュアンスが違ってくると思います。
##5.ITIL3⇒ITIL4へ
私が学習した当時はITIL3でしたが、IT技術の進化に伴い、新たな成功事例も世界中で生まれてきたことにより、ITILもバージョンアップしていたようです。
詳細については書ききれないのでまたの機会にでもまとめたいと思いますが、今回はITIL3から追加された成功事例を記述しておきます。
####①リーン(Lean)
「贅肉の取れた」「無駄のない」という意味の英単語。
顧客に価値を提供するために、過程のムダを徹底的に減らし、継続的に組織を改善し続けるための手法。
####②アジャイル(Agile)
「俊敏な」「素早い」という意味の英単語。
アジャイルソフトウェア開発とは、迅速かつ適応的にソフトウェア開発を行う開発手法の総称。
####③DevOps
「Development(開発)」と「Operations(運用)」を結合した造語。
ITの開発チームと運用チームが協働し、顧客に価値を迅速に届けることを目指す考え方と手法を指す。
##6.最後に
今回は、ほんの一部ですがITILについてまとめてみました。
今でも分からない用語は調べて自分なりに解釈できるようにしていますが、当時未経験だったに私にとっては、用語の意味を理解するのに苦労しました。
今回参考にした書籍は、初心者の方向けに嚙み砕いて説明されており、ITILの勉強のはじめの一歩として読みやすいと思います。
ITILを学ぶと、実業務を俯瞰的に見たときに業務全体が見渡せるようになると思います。
ITILは比較的取得しやすい資格だと思いますので、ぜひおススメします。
##7.参考文献
・『ITIL はじめの一歩 スッキリわかるITILの基本と業務改善のしくみ』
著 最上 千佳子
・『Wikipedia』