本記事でできること
想定シーン
ロボットをビジュアルフィードバック制御する
カメラを使ったロボットアームの制御方法を、ビジュアルフィードバック制御といいます。ここでは、ビジュアルフィードバック制御を使った自動化システムを開発する際に必要となる画像認識プログラムをまとめています。
カラー画像をグレースケール画像に変換する
カメラ画像を使用した画像処理・画像認識では、 カラー画像(3チャンネル画像)とグレースケール画像(1チャンネル画像)を扱うことが多くあります。本記事では、グレースケールに変換するプログラムを掲載します。また、グレースケール画像への変換の機会が多いため、できるだけ処理を減らしたいと考えます。そこで、変換処理の前に、与えられた画像がグレースケール(画像チャンネル数が1)かどうかを判定し、変換しなくても良い場合には、そのまま画像を返却するようにしています。
実行環境
- OS:Ubuntu 22.04 LTS
- 言語:C++
- クルーボ:v5.1.0
クルーボについて
ロボットアプリケーション開発には、株式会社チトセロボティクスのロボット制御ソフトウェア「クルーボ」を使用します。本記事のプログラムは、クルーボがインストールされた制御コンピュータ上で動作します。
- クルーボの製品サイト:https://chitose-robotics.com/product
プログラム抜粋
cv::Mat convert_grayscale(const cv::Mat& image) {
const int grayscale_channel_num = 1;
if (image.channels() == grayscale_channel_num) {
return image.clone();
}
cv::Mat gray_image;
cvtColor(image, gray_image, cv::COLOR_BGR2GRAY);
return gray_image;
}
全体プログラム
#include <iostream>
#include <opencv2/opencv.hpp>
cv::Mat load_image(const std::string file_path) {
cv::Mat loaded_image = cv::imread(file_path, 1);
if (loaded_image.empty()) {
throw std::runtime_error("画像を正常に読み込めませんでした。");
}
return loaded_image;
}
cv::Mat convert_grayscale(const cv::Mat& image) {
const int grayscale_channel_num = 1;
if (image.channels() == grayscale_channel_num) {
return image.clone();
}
cv::Mat gray_image;
cvtColor(image, gray_image, cv::COLOR_BGR2GRAY);
return gray_image;
}
int main(void) {
std::string file_path = "../data/fuji.jpg";
const cv::Mat loaded_image = load_image(file_path);
const cv::Mat grayscale_image = convert_grayscale(loaded_image);
cv::imshow("loaded_image", loaded_image);
cv::imshow("grayscale_image", grayscale_image);
cv::waitKey(0);
}
おわりに
人手作業をロボットアームで自動化するために、カメラを使ったロボット制御=ビジュアルフィードバック制御が大切です。
ロボット制御用の画像認識でも中身のひとつひとつはシンプルなので、要素に分解して解説していきたいと思います。