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事業会社に勤めつつ副業で開発するということ

Last updated at Posted at 2021-12-01

ご挨拶

ディップ株式会社で主にバックエンド(Rails等)とインフラ(AWS)の開発・保守・運用を担当している @raitehu です。
本業で1つのサービスのグロースにじっくりと腰を据えて取り組みつつ、
副業でいくつかの開発業務を担当したので実体験を元によかったこと・悪かったことお話します。

刺さったら嬉しい対象読者

  • 事業会社 or 受託開発で悩んでいる学生さん
  • 副業やってみたいけど一歩が踏み出せない現役エンジニア

副業のよかったところ

まずはよかったところからです。

開発経験が積める

事業会社で働くことのメリットの1つとして、自己紹介でも挙げたように「1つのサービスのグロース」に関われるというものがあります。
長い時間をかけて1つのサービスを育て上げていくと、表面的には分からないようなシステムの良いところ・悪いところが見えてきます。
エンジニアの力として、良いところを伸ばし・悪いところを改善するための 長期的な視点を獲得できる というのは非常に大きなメリットでしょう。

裏を返せば長い期間同じチーム・同じプロジェクトに携わることのデメリットは 開発経験が単一なものになりがち な点です。
チーム内のシニアエンジニアやテックリードが言っていることや、運用されているアーキテクチャ・ディレクトリ構成が
世間のスタンダードなのか、それともローカルルールなのかはパッと見ではわかりません。

そこで、副業として異なるチーム・異なるプロジェクトに参画し、
異なる思想を持つエンジニアと深く関わっていくことや、異なる思想で作られ運用されているシステムを開発することは
時に大変ではありますがより 広い視野を獲得できる という大きなメリットがありました。

言い換えると、「自分が持っている知識を副業で生かした上で、副業で得られた知見を本業に還元できる」ということですね。

お金がもらえる

これは言わずもがなですが、特に 個人事業主であればPCやガジェット類、書籍は経費として処理できます。
もちろん使った分は自分のお財布から出ていく事実は変わりませんが、
副業で開発して力を付けた報酬で開発環境をアップデートし、より生産性を上げていくことができるというのは良いサイクルに思えます。

本業がテレワークメインの方に限られる話ではありますが、
より快適な住環境・職場環境を手に入れることは本業にも良い影響をもたらします。

副業のつらいところ

確定申告が必要になる

年明けごろから界隈で話題になる恒例行事ですね。
会社員一本でやっているときは経理の専門家たちがよしなにしてくれていることをすべて自分でやる必要が出てきます。
また、ふるさと納税のワンストップ制度も使えなくなるのでその辺の手間は格段に増えます。
青色申告までする場合は複式簿記を付ける必要も出てきます。
複式簿記の例として、クレジットカードで支払いをした際はカードを使った時と引き落とされたときの2回帳簿を付ける必要があります。

とはいえ最近は[freee]や[やよいの青色申告]などのサービスを利用することでかなり障壁は低いですが、それでも面倒は面倒です。

オーバーワークになる

副業とはいえ仕事は仕事ですから期限を守る義務と納品物に対する責任が発生します。
クライアントに「本業が忙しくて...」という言い訳は一切通用しません。

一例として駆け出しのエンジニアが単価2,000[JPY/hour]で月に10万円稼ぐことを考えると、
100,000[JPY] / 2,000[JPY/hour] = 50時間が月の労働時間になります。
本業の方で20営業日の月に1日1時間程度残業をした場合、
20[days] * 1[hour] = 20時間が月の残業時間になります。
単純に本業 + 副業で考えると 月の時間外の労働時間は70時間 になります。

一般に過労と呼ばれるのは残業時間が以下の3つのいずれかに当てはまる場合です。

  • 45時間以上を6か月以上続ける
  • 平均80時間以上を2~6か月続ける
  • 単月100時間を1か月

cf: 過労死ラインは何時間?

10万円を稼ごうと思うだけでも過労死ラインギリギリの厳しい現実が見えてきます。

実際やってどうだったのか

デメリットの方で厳しい現実も少し書きましたが、若いうちに多くの経験を積むことや設備投資が気軽にできることのメリットがデメリットを遥かに上回っているというのが実感です。
ほぼ1年の実体験を元に書いた記事ですが、誰かの参考になれば嬉しいです。
コメント欄に質問いただければ可能な限りお返事します。

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