目次
1. エグゼクティブサマリー
本報告書は、5Gシステム(UE, gNB, 5GC)におけるモバイル発信音声通話(VoNR)の切断手順について、エンドツーエンドのメッセージシーケンスを詳細に分析するものである。UEが初期登録とSIB受信を完了し待受状態(RRC_IDLEまたはRRC_INACTIVE)にある状況から、ユーザーが電話アプリケーションを通じて音声発信し通話中になった後、発信側ユーザーが通話切断操作を行う際の複雑なプロセスに焦点を当てる。
この切断手順は、UE、gNB、AMF(Access and Mobility Management Function)、SMF(Session Management Function)、UPF(User Plane Function)、PCF(Policy Control Function)、およびIPマルチメディアサブシステム(IMS)の各コンポーネント間の綿密な連携によって実現される。本報告書では、RRC状態遷移、NAS(Non-Access Stratum)手順、PDUセッション管理、IMSシグナリング(SIP/SDP)、およびQoS(Quality of Service)保証(特にIMS音声用のQFI=5)における重要な役割を強調し、各フェーズにおけるメッセージ交換とネットワーク機能の動作を詳細に解説する。5G SA(StandAlone)アーキテクチャの文脈で、これらの相互作用がどのようにシームレスな通話体験と効率的なリソース管理を保証するかを深く掘り下げる。
2. 5G音声通話(VoNR)の基礎
5Gシステム(5GS)における音声通話、すなわちVoNR(Voice over New Radio)は、従来の回路交換(CS)ドメインに依存せず、IPマルチメディアサブシステム(IMS)を介してパケット交換(PS)ドメインで提供される。これは、5Gネットワークがデータ伝送だけでなく、高品質な音声サービスもIPベースで提供することを目指しているためである。VoNRは、高速な通話確立時間、高音質コーデックの利用、およびデータサービスとのシームレスな統合といった利点を提供する。
2.1. 5Gシステム(5GS)アーキテクチャと主要ネットワーク機能の概要
5Gシステムアーキテクチャは、サービスベースアーキテクチャ(SBA)の原則に基づいて構築されており、モジュール性と柔軟性を可能にしている。モバイル発信音声通話の場合、通信パスを確立し維持するために、いくつかの主要なネットワーク機能が連携して動作する。
- ユーザー機器 (UE): 音声通話の発信および終端を行うモバイルデバイスである。UEは、アクセスストラタム(AS)シグナリングと非アクセスストラタム(NAS)シグナリングの両方を処理し、ユーザープレーンの音声データを送受信する。
- gNodeB (gNB): 次世代無線アクセスネットワーク(NG-RAN)の一部である5G基地局である。gNBは、無線リソース、RRC接続を管理し、UEと5Gコアネットワーク(5GC)間のインターフェースとして機能する。
- アクセス・モビリティ管理機能 (AMF): コアネットワークの制御プレーン機能であり、接続およびモビリティ管理(登録、到達性、接続管理、モビリティ管理、アクセス認証/認可)を担当する。AMFは、5GCにおけるUEの最初の接触点である。
- セッション管理機能 (SMF): コアネットワークの制御プレーン機能であり、PDUセッション管理(確立、変更、解放)、IPアドレス割り当て、UPFの選択を担当する。SMFは、ポリシー適用のためPCFと連携する。
- ユーザープレーン機能 (UPF): コアネットワークのユーザープレーン機能であり、パケットルーティングと転送、パケット検査、ユーザーデータに対するQoS適用を担当する。UPFはPDUセッションのアンカーポイントとして機能する。
- ポリシー制御機能 (PCF): コアネットワークの制御プレーン機能であり、AMFおよびSMFにポリシー規則を提供し、QoS、課金、およびモビリティの動作に影響を与える。
-
IPマルチメディアサブシステム (IMS): IP上でマルチメディア通信サービス(音声通話やビデオ通話を含む)を提供するサービスレイヤープラットフォームである。主要なIMSコンポーネントには以下が含まれる。
- プロキシ呼制御セッション機能 (P-CSCF): IMSにおけるUEの最初の接触点であり、SIPメッセージを転送し、ポリシーを適用する。
- インターロゲーティング呼制御セッション機能 (I-CSCF): 終端ユーザーのS-CSCFを決定するためにHSSに問い合わせを行う。
- サービング呼制御セッション機能 (S-CSCF): 登録済みユーザーのSIP登録、セッション制御、およびサービス起動を処理する。
- アプリケーションサーバー (AS): 付加価値サービスを提供し、S-CSCFと連携する。
5GSの機能分解と相互依存性は、その効率性と信頼性を支える基盤である。5GSの設計は、AMFがアクセスとモビリティを、SMFがセッション管理を、UPFがユーザープレーンデータを、そしてPCFがポリシーをそれぞれ担当するという、機能間の明確な責任分離に基づいている。この分離は、ワークロードの分散だけでなく、各機能の独立したスケーリング、アップグレード、および回復力を可能にする。これは、特に「高性能・高機能」なシステムにおいて極めて重要である。IMSレイヤーは、この基盤となるトランスポートインフラストラクチャの上にサービスを構築することで、5Gの分散型アーキテクチャが前世代のモノリシックな構造から進化していることを示している。
表1: 主要な5Gネットワーク機能とその役割
ネットワーク機能 | 略称 | 5G音声通話における役割 | 関連3GPP参照 |
---|---|---|---|
ユーザー機器 | UE | 通話の発信/終端、AS/NASシグナリングおよびユーザーデータの処理 | TS 38.331, TS 24.501 |
gNodeB | gNB | 無線リソース、RRC接続、UE-5GCインターフェースの管理 | TS 38.331 |
アクセス・モビリティ管理機能 | AMF | 接続およびモビリティ管理、登録、認証、認可 | TS 23.501, TS 23.502 |
セッション管理機能 | SMF | PDUセッション管理(設定、変更、解放)、IP割り当て、UPF選択 | TS 23.501, TS 23.502 |
ユーザープレーン機能 | UPF | パケットルーティング/転送、ユーザーデータに対するQoS適用 | TS 23.501, TS 29.244 |
ポリシー制御機能 | PCF | AMF/SMFにポリシー規則(QoS、課金、モビリティ)を提供 | TS 23.503, TS 29.507 |
プロキシ呼制御セッション機能 | P-CSCF | UEのIMSにおける最初の接触点、SIPメッセージ転送、ポリシー適用 | TS 24.229, TS 23.228 |
インターロゲーティング呼制御セッション機能 | I-CSCF | HSSに問い合わせを行い、SIPメッセージをS-CSCFにルーティング | TS 24.229, TS 23.228 |
サービング呼制御セッション機能 | S-CSCF | SIP登録、セッション制御、サービス起動の処理 | TS 24.229, TS 23.228 |
2.2. モビリティと接続管理のためのRRC状態(RRC_IDLE、RRC_INACTIVE、RRC_CONNECTED)の理解
RRC(Radio Resource Control)は、UEとgNB間の無線リソースを管理するレイヤー3プロトコルである。これは5G NRの3GPP TS 38.331で定義されている。RRCプロトコルは、UEのバッテリー寿命を最適化し、データ転送の遅延を最小限に抑えるために、異なる状態を定義している。
- RRC_IDLE状態: バッテリー寿命を節約するために設計された低活動状態である。RRC_IDLE状態では、UEはアクティブなデータ転送を行わないが、セル選択および再選択に必要なシステム情報ブロードキャスト(SIB)メッセージをブロードキャスト制御チャネル(BCCH)で監視する。UEは、セル再選択パラメータに基づいてモビリティを独立して管理する。無線アクセスネットワーク(RAN)はUEの正確な位置を積極的に追跡せず、AMFは登録エリアの解像度でUEを追跡し、UEからの登録エリア更新によって情報を受け取る。ページングメッセージは、着信サービスをUEに通知するために使用される。この状態では、アクティブなデータ無線ベアラー(DRB)、GTP-Uトンネル、またはN2シグナリング接続は存在しない。
- RRC_CONNECTED状態: UEがネットワークと直接通信してデータ転送およびシグナリングを行うアクティブな状態である。RRC_CONNECTED状態では、gNBはリソース割り当てに使用されるセル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI)をUEに割り当てる。制御プレーンおよびユーザープレーンのトラフィックのために、専用のシグナリング無線ベアラー(SRB)およびデータ無線ベアラー(DRB)が確立される。AMFとgNB間にはNGAPメッセージのための専用シグナリング接続(NG-Cインターフェース)が存在し、PDUセッションのためにUPFとgNB間でGTP-Uトンネルが維持される。モビリティはネットワークによって制御され、ハンドオーバーが含まれる。この状態でも、接続モード不連続受信(DRX)を使用してバッテリー電力を節約できる。
- RRC_INACTIVE状態: 5G(およびLTE-RRC_INACTIVE)で導入された中間状態であり、電力節約と接続確立遅延のバランスを取る。RRC_INACTIVE状態では、RRC接続は中断されるが、UEはNASの観点からは5GMM-CONNECTEDモードのままである。これは、AMFへのNASシグナリング接続が維持されるが、RANのASコンテキストが中断されることを意味する。UEは必要に応じて迅速にRRC_CONNECTED状態に遷移できる。RRC接続の再開に失敗した場合、UEはRRC_IDLE状態に遷移することがある。
RRC状態間の遷移は、電力効率と遅延のトレードオフを最適化する上で極めて重要である。RRC_IDLEは最高のバッテリー効率を提供するが、サービス開始時の遅延が最も大きい。一方、RRC_CONNECTEDは最低遅延でアクティブな通信を可能にするが、電力消費が最も大きい。RRC_INACTIVEの導入は、このトレードオフに対する直接的なアーキテクチャ上の解決策である。この状態では、UEはAMFとのNAS接続を維持しつつ、RANでのASコンテキストを中断することで、RRC_IDLEから遷移する場合と比較して、その後のデータ転送のシグナリングと遅延を低減できる。これは、低遅延が要求されるVoNRのようなサービスにとって、5Gの重要な設計上の選択肢となる。
表2: 音声通話のためのRRC状態と遷移
RRC状態 | 説明 | 主な特徴 | モビリティ管理 | 消費電力 | VoNRとの関連性 |
---|---|---|---|---|---|
RRC_IDLE | UEはデータ転送でアクティブではないが、ページングにより到達可能。 | アクティブなDRBなし、GTP-U/N2接続なし。SIBを読み取る。 | UE制御(セル再選択)。AMFは登録エリアで追跡。 | 最低 | 通話設定前の初期状態。 |
RRC_INACTIVE | 中間状態、RRC接続は中断されるが、NASコンテキストは保持される。 | RANのASコンテキストは中断。 | RAN制御(UE支援)。AMFはRAN通知エリアで追跡。 | 中程度 | IDLEからよりもMO/MT通話へのCONNECTEDへのより高速な遷移。 |
RRC_CONNECTED | UEはデータとシグナリングをアクティブに通信している。 | 専用DRB/SRB、C-RNTI、GTP-U/N2トンネル。 | ネットワーク制御(ハンドオーバー)。RANはセルレベルで追跡。 | 最高 | アクティブな音声通信に必要。 |
2.3. 5G NRにおけるQoS(Quality of Service):IMS音声(QFI=5)に焦点を当てる
5G QoSモデルは、QoSフローに基づいている。QoSフローは、PDUセッション内でQoSを区別する最も細かい粒度であり、UEとgNB間のDRB(Data Radio Bearer)を介してQoSフローが伝送される。各QoSフローは、一意のQoSフロー識別子(QFI)によって識別され、N3上のGTP-Uカプセル化ヘッダーで伝送される。
QoSフローは、GBR(Guaranteed Bit Rate)またはNon-GBRのいずれかである。IMS音声サービスは通常、高品質と低遅延を保証するために、GBR QoSフローを必要とする。IMS音声の場合、標準化された5G QoS識別子(5QI)は通常5である。この5QI値は、高い優先度、低いパケット遅延バジェット、低いパケットエラー率などの特定のQoS特性に対応する。
QoSプロファイル(5QIと割り当て保持優先度(ARP)を含む)は、SMFからN2インターフェースを介してgNBに提供される。パケットをQoSフローにマッピングする方法を定義するQoSルールは、NASメッセージを介してSMFからUEに提供される。
UPFは、SMFによって提供されるパケット検出ルール(PDR)に基づいて、ダウンリンクユーザープレーンのトラフィックをQoSフローにマッピングする。UEは、QoSルールに基づいてアップリンクユーザープレーンのトラフィックの分類とマーキングを実行する。
DRBは、これらのQoSフローを伝送するためにUEとgNB間に確立される。QoSフローとDRB間のマッピングは、サービスデータ適応プロトコル(SDAP)レイヤーによって処理される。
音声のためのエンドツーエンドQoS保証は、5GネットワークにおけるVoNRの成功に不可欠な要素である。QoSフロー、QFI、および5QIの概念は、単にデータ転送を分類するだけでなく、ネットワーク全体で音声トラフィックに優先的な処理を適用するためのメカニズムを提供することを意味する。例えば、5QI=5は、音声に必要な低遅延と低パケット損失率を保証するための特定のネットワーク動作をトリガーする。これは、SMFがQoSプロファイルをgNBに、QoSルールをUEに提供し、UPFがPDRに基づいてパケットを転送するという、制御プレーンとユーザープレーンの間の綿密な調整によって実現される。この統合されたQoSフレームワークは、IMSがキャリアグレードの音声サービスを提供するために、基盤となるアクセスネットワークとコアネットワークに品質ポリシーを適用できることを保証し、VoNRが従来の回線交換音声に匹敵する、あるいはそれを上回る品質を提供するための鍵となる。
3. 5Gモバイル発信音声通話の確立(概要)
UEが電源投入され、SIB受信を完了して初期登録し、待受状態(RRC_IDLEまたはRRC_INACTIVE)にある状態から、ユーザーが電話アプリから音声発信を行い、通話中になるまでのプロセスは、以下の主要なフェーズで構成される。
3.1. UEの初期状態とRRC状態からの遷移
ユーザーが電話アプリから音声発信を開始する際、UEは通常、バッテリー消費を最小限に抑えるためにRRC_IDLEまたはRRC_INACTIVE状態にある。
-
RRC_IDLEからの遷移: UEがRRC_IDLE状態にある場合、通話発信のためにネットワークとのRRC接続を確立する必要がある。UEはgNBに
RRCSetupRequest
メッセージを送信し、gNBはRRCSetup
メッセージで応答する。UEはRRCSetupComplete
メッセージで接続確立を完了する。このプロセスには、共通制御チャネル(CCCH)上のSRB0が使用され、その後、専用制御チャネル(DCCH)上のSRB1が確立される。 -
RRC_INACTIVEからの遷移: UEがRRC_INACTIVE状態にある場合、RRC接続は中断されているが、NASシグナリング接続はAMFに維持されている。このため、RRC_IDLEからよりも迅速にRRC_CONNECTED状態に復帰できる。UEは
RRCResumeRequest
メッセージをgNBに送信し、gNBはRRCResume
メッセージで応答する。これにより、中断されたRRCコンテキストが再開され、UEはRRC_CONNECTED状態に移行する。
RRC接続が確立されると、UEはRRC_CONNECTED状態に移行し、ネットワークはUEの正確な位置をセルレベルで追跡できるようになる。
3.2. NASサービス要求とPDUセッション確立(IMS音声用)
RRC接続が確立されると、UEはNASレイヤーでサービス要求を開始する。
-
サービス要求 (Service Request): UEは、アップリンクシグナリングメッセージやユーザーデータを送信するため、またはネットワークページング要求に応答するために、
SERVICE REQUEST
メッセージをAMFに送信する。このメッセージはRRCメッセージにカプセル化されてNG-RANに送信される。SERVICE REQUEST
メッセージには、5G-S-TMSI、サービスタイプ(例えば、"mobile originating signalling"または"mobile originating data")、アップリンクデータステータス、PDUセッションステータスなどの情報要素(IE)が含まれる。AMFはSERVICE REQUEST
メッセージを受信すると、認証を実行する場合がある。 -
PDUセッション確立 (PDU Session Establishment): IMS音声サービスは、専用のPDUセッションを必要とする。UEは、
PDU SESSION ESTABLISHMENT REQUEST
メッセージをAMFに送信し、これはNAS SMコンテナ内にカプセル化される。この要求には、PDUセッションID、要求されたPDUセッションタイプ(例: IPv4/IPv6)、要求されたSSCモード、およびIMS音声用のDNN(Data Network Name)が含まれる。DNNは、外部データネットワークを選択し、SMFを選択するために使用される。- AMFは、この要求をSMFに転送するために、
Nsmf_PDUSession_CreateSMContext Request
サービス操作をSMFに送信する。このリクエストには、SUPI、DNN、AMF ID、RATタイプ、S-NSSAIなどの情報が含まれる。 - SMFは、UDMと連携して加入者データを取得し、PCFと連携してポリシー規則(QoSプロファイル、PCCルールなど)を取得する。IMS音声の場合、SMFはQFI=5のGBR QoSフローを確立するためのQoSプロファイルとルールを決定する。
- SMFは、UPFにPFCP(Packet Forwarding Control Protocol)メッセージを送信して、ユーザープレーンリソースを設定する。これには、PDRs(Packet Detection Rules)、FARs(Forwarding Action Rules)、QERs(QoS Enforcement Rules)の作成が含まれる。特に、
PFCP Session Establishment Request
メッセージがUPFに送信され、PDUセッションの転送状態とインバンド制御プレーン状態が正しく作成されるために必要なすべてのパラメータが含まれる。UPFはPFCP Session Establishment Response
で応答する。 - SMFは、AMFを介してUEに
PDU SESSION ESTABLISHMENT ACCEPT
メッセージを送信し、PDUセッションが正常に確立されたことを確認する。このメッセージには、UEのIPアドレス、QoSルール、およびQoSフロー情報が含まれる。 - 最後に、AMFはgNBに
NGAP PDU Session Resource Setup Request
メッセージを送信し、gNBはUEにRRC Connection Reconfiguration
メッセージを送信して、IMS音声用の専用DRBを確立する。UEはRRC Connection Reconfiguration Complete
で応答し、DRBが確立される。
- AMFは、この要求をSMFに転送するために、
3.3. IMSシグナリング(SIP/SDP)による音声通話確立
PDUセッションと専用DRBが確立されると、UEはIMSを介してSIPシグナリングを開始する。
-
SIP INVITE: 発信UEは、P-CSCFに
SIP INVITE
メッセージを送信する。このメッセージには、セッション記述プロトコル(SDP)オファーが含まれており、使用するメディアタイプ(音声)、コーデック、ポート番号などのメディア情報が記述される。 -
IMSルーティングとセッション確立: P-CSCFはINVITEメッセージをS-CSCFに転送し、S-CSCFは終端側のIMSネットワークまたはPSTNゲートウェイに転送する。終端側からの応答(例:
SIP 183 Session Progress
、SIP 180 Ringing
、SIP 200 OK
)がP-CSCFを介して発信UEに返される。SIPプリコンディションメカニズムがサポートされている場合、メディアパスのQoSが確立されるまで、通話は接続されない。 -
通話中:
SIP 200 OK
およびACK
メッセージの交換後、音声通話が確立され、UEとUPF間のユーザープレーン(RTP/RTCP)を介して音声データが流れる。この段階で、QFI=5の専用QoSフローが音声トラフィックに適用され、保証された品質が提供される。
4. 5Gモバイル発信音声通話の切断手順
ユーザーが通話中の電話アプリで切断操作を行うと、UEは通話終了プロセスを開始する。このプロセスは、IMSシグナリング、NASシグナリング、およびASリソース解放の連携によって実行される。
4.1. メッセージシーケンスチャート:通話切断
以下は、発信側ユーザーが通話を切断する際のメッセージシーケンスチャートである。
4.2. シーケンス図の詳細な説明と推測
通話中のユーザーが電話アプリケーションで切断操作を行うと、UEは以下のステップで通話終了プロセスを開始する。
4.2.1. UEがSIP BYEをP-CSCFに送信
-
メッセージ:
SIP BYE
- 送信元: UE
- 宛先: P-CSCF
- 目的: UEは、IMSセッションを終了するために、SIP BYEリクエストをP-CSCFに送信する。このメッセージには、通話を一意に識別するCall-IDと、トランザクションの順序を示すCSeqヘッダーが含まれる。これは、ユーザーが通話終了ボタンを押したことによる直接的なトリガーである。
-
推測:
SIP BYE
は、通話の参加者間でセッションを終了するための標準的なSIPメソッドである。P-CSCFはUEのIMSへの最初の接触点であるため、すべてのSIPシグナリングはP-CSCFを通過する。
4.2.2. P-CSCFがSIP BYEをS-CSCFに転送
-
メッセージ:
SIP BYE
- 送信元: P-CSCF
- 宛先: S-CSCF
- 目的: P-CSCFは、UEから受信したSIP BYEメッセージを、UEが登録されているS-CSCFに転送する。
- 推測: P-CSCFは主にSIPメッセージの転送と、UEのIMS登録時に確立されたセキュリティアソシエーションの維持を担当する。
4.2.3. S-CSCFがSIP BYEを終端側に転送
-
メッセージ:
SIP BYE
- 送信元: S-CSCF
- 宛先: 終端側(終端UEのIMSネットワークまたはPSTNゲートウェイ)
- 目的: S-CSCFは、発信側UEのセッション制御点として、通話のもう一方の参加者(終端側)にセッション終了を通知するためにSIP BYEメッセージを転送する。
- 推測: S-CSCFはIMSセッションの全体的な制御とサービスロジックを担当する。終端側へのBYEの転送は、セッションの双方向性を終了するために不可欠である。
4.2.4. 終端側がSIP 200 OK (BYE) をS-CSCFに返送
-
メッセージ:
SIP 200 OK (BYE)
- 送信元: 終端側
- 宛先: S-CSCF
- 目的: 終端側はSIP BYEリクエストを受信し、セッション終了を受け入れたことを示すSIP 200 OK応答をS-CSCFに返送する。
-
推測:
SIP 200 OK
は、SIPリクエストが正常に処理されたことを示す標準的な成功応答である。
4.2.5. S-CSCFがSIP 200 OK (BYE) をP-CSCFに返送
-
メッセージ:
SIP 200 OK (BYE)
- 送信元: S-CSCF
- 宛先: P-CSCF
- 目的: S-CSCFは、終端側から受信したSIP 200 OK応答をP-CSCFに転送する。
- 推測: この応答は、S-CSCFがIMSセッションの終了を認識し、P-CSCFにその旨を通知していることを示す。
4.2.6. P-CSCFがSIP 200 OK (BYE) をUEに返送
-
メッセージ:
SIP 200 OK (BYE)
- 送信元: P-CSCF
- 宛先: UE
- 目的: P-CSCFは、S-CSCFから受信したSIP 200 OK応答をUEに転送し、UEのSIP BYEリクエストが成功したことを確認する。
- 推測: UEはこれを受信すると、IMSセッションが終了したことを認識し、電話アプリケーションに通話終了を表示する。
4.2.7. S-CSCFがPCFにNpcf_SMPolicyControl_Delete Requestを送信
-
メッセージ:
Npcf_SMPolicyControl_Delete Request
(PDU Session ID, Cause=IMS_Session_Termination) - 送信元: S-CSCF
- 宛先: PCF
-
目的: IMSセッションの終了後、S-CSCFは、IMS音声サービスに関連付けられた特定のQoSフロー(QFI=5)のリソースを解放するために、PCFにポリシー制御セッションの削除を要求する。
Cause=IMS_Session_Termination
は、削除の理由がIMSセッションの終了であることを示す。 - 推測: IMSと5GC間の連携は、N5インターフェースを介して行われる。S-CSCFはアプリケーション機能(AF)として機能し、PCFにセッション管理ポリシーを通知する。これにより、5GC側でQoSリソースを解放するためのトリガーが提供される。この連携は、IMSがキャリアグレードのサービス品質を保証するためにコアネットワークと密接に連携するという5Gの設計原則を示している。
4.2.8. PCFがNpcf_SMPolicyControl_Delete ResponseをS-CSCFに返送
-
メッセージ:
Npcf_SMPolicyControl_Delete Response
- 送信元: PCF
- 宛先: S-CSCF
- 目的: PCFは、S-CSCFからのポリシー制御セッション削除要求を受信し、その処理を確認する。
- 推測: PCFは、この応答を送信した後、関連するポリシー規則を削除し、SMFにPDUセッションコンテキストの解放を要求する準備をする。
4.2.9. PCFがNsmf_PDUSession_ReleaseSMContext RequestをSMFに送信
-
メッセージ:
Nsmf_PDUSession_ReleaseSMContext Request
(PDU Session ID, Cause=IMS_Session_Termination) - 送信元: PCF
- 宛先: SMF
- 目的: PCFは、IMSセッションの終了とそれに伴うQoSフローの不要化を受けて、SMFにPDUセッションコンテキストの解放を要求する。
- 推測: このメッセージは、SMFがPDUセッションに関連するすべてのリソース(IPアドレス、UPFトンネル、無線アクセスリソース)を解放するプロセスを開始するためのトリガーとなる。これは、5Gのサービスベースアーキテクチャにおいて、ポリシーエンフォースメント(PCF)がセッション管理(SMF)に影響を与える典型的な例である。
4.2.10. SMFがPFCP Session Deletion RequestをUPFに送信
-
メッセージ:
PFCP Session Deletion Request
(PDU Session ID) - 送信元: SMF
- 宛先: UPF
- 目的: SMFは、PDUセッションに関連付けられたユーザープレーンリソースを解放するために、UPFにPFCPセッションの削除を要求する。これには、IMS音声トラフィックを転送していたGTP-Uトンネルの削除が含まれる。
- 推測: UPFはユーザープレーンのアンカーポイントであり、実際のデータ転送を担当する。PFCP(Packet Forwarding Control Protocol)は、SMFとUPF間の制御プレーンインターフェース(N4インターフェース)で使用され、ユーザープレーンの転送ルール(PDRs、FARsなど)の確立、変更、削除を制御する。このステップは、ユーザープレーンパスの効率的な解放を保証する。
4.2.11. UPFがPFCP Session Deletion ResponseをSMFに返送
-
メッセージ:
PFCP Session Deletion Response
- 送信元: UPF
- 宛先: SMF
- 目的: UPFは、PFCPセッション削除要求を受信し、関連するユーザープレーンリソースを解放したことを確認する。
- 推測: この応答により、SMFはUPF側でのリソース解放が完了したことを認識する。
4.2.12. SMFがNsmf_PDUSession_ReleaseSMContext RequestをAMFに送信
-
メッセージ:
Nsmf_PDUSession_ReleaseSMContext Request
(PDU Session ID) - 送信元: SMF
- 宛先: AMF
- 目的: SMFは、PDUセッションの解放をAMFに通知し、AMFがUEへの無線リソース解放をトリガーできるようにする。
- 推測: SMFとAMF間のN11インターフェースは、PDUセッション管理とモビリティ管理の間の調整を可能にする。このメッセージは、AMFがUEのAS層への指示を介して無線リソースの解放を開始するためのシグナルとなる。
4.2.13. AMFがNGAP PDU Session Resource Release CommandをgNBに送信
-
メッセージ:
NGAP PDU Session Resource Release Command
(PDU Session ID, QFI=5) - 送信元: AMF
- 宛先: gNB
- 目的: AMFは、SMFからの要求を受けて、gNBに特定のPDUセッション(特にIMS音声用のQFI=5のQoSフロー)に関連付けられた無線リソースを解放するよう指示する。
- 推測: NGAP(Next Generation Application Protocol)は、AMFとgNB間の制御プレーンインターフェース(N2インターフェース)で使用されるプロトコルである。このコマンドは、gNBがUEとの間のDRBを解放するための直接的な指示となる。QFI=5の指定は、音声サービスに特化したリソースの解放であることを明確にする。
4.2.14. gNBがRRC Connection ReconfigurationをUEに送信
-
メッセージ:
RRC Connection Reconfiguration
(DRB Release List) - 送信元: gNB
- 宛先: UE
- 目的: gNBは、NGAPコマンドに応答して、IMS音声用の専用DRB(Data Radio Bearer)を解放するために、UEにRRC Connection Reconfigurationメッセージを送信する。
-
推測:
RRC Connection Reconfiguration
は、UEの無線設定を変更するための汎用的なRRCメッセージである。この場合、音声通話に使用されていたDRBを解放する指示が含まれる。これにより、無線リソースが効率的に解放され、他のサービスやユーザーに再利用できるようになる。
4.2.15. UEがRRC Connection Reconfiguration CompleteをgNBに返送
-
メッセージ:
RRC Connection Reconfiguration Complete
- 送信元: UE
- 宛先: gNB
- 目的: UEは、DRBの解放が完了したことをgNBに確認する。
- 推測: このメッセージは、UEとgNB間の無線リソースの調整が成功したことを示す。
4.2.16. gNBがNGAP PDU Session Resource Release ResponseをAMFに送信
-
メッセージ:
NGAP PDU Session Resource Release Response
(PDU Session ID) - 送信元: gNB
- 宛先: AMF
- 目的: gNBは、無線リソースの解放が完了したことをAMFに確認する。
- 推測: これにより、AMFはRAN側でのリソース解放が完了したことを認識する。
4.2.17. AMFがNsmf_PDUSession_ReleaseSMContext ResponseをSMFに返送
-
メッセージ:
Nsmf_PDUSession_ReleaseSMContext Response
- 送信元: AMF
- 宛先: SMF
- 目的: AMFは、PDUセッションコンテキストの解放要求に対する応答をSMFに返送する。
- 推測: これにより、SMFはPDUセッションに関連するすべての制御プレーンおよびユーザープレーンリソースの解放プロセスが完了したことを認識する。
4.2.18. UEのRRC状態遷移
- 状態遷移: RRC_CONNECTEDからRRC_INACTIVEまたはRRC_IDLEへ
- 目的: 音声通話が終了し、関連するDRBが解放されると、UEはアクティブなデータ転送の必要がなくなる。UEは、ネットワークのポリシー(例えば、非活動タイマー)に基づいて、RRC_CONNECTED状態から、より電力効率の高いRRC_INACTIVEまたはRRC_IDLE状態に遷移する。
- 推測: この遷移は、バッテリー寿命を最適化し、ネットワークのシグナリング負荷を軽減するために重要である。RRC_INACTIVEへの遷移は、UEのNASコンテキストをAMFに維持したまま、RANのASコンテキストを中断することで、その後のサービス要求に対する迅速な応答性を可能にする。一方、RRC_IDLEへの遷移は、ASコンテキストを完全に解放し、UEのモビリティをUE自身に制御させる。このRRC状態の動的な管理は、5Gネットワークが提供する柔軟性と効率性を反映している。
5. 結論
本報告書では、5Gモバイル発信音声通話の切断手順を、UEの切断操作からネットワークリソースの最終的な解放、およびUEのRRC状態遷移に至るまで、メッセージシーケンスチャートと具体的な説明を通じて分析した。この分析により、VoNRの切断が、SIP/SDPシグナリングを介したIMSレイヤーのセッション管理と、NASおよびASシグナリング、PFCPプロトコルを介した5GCおよびRANレイヤーのリソース管理との間の複雑な連携によって実現されることが明らかになった。
特に、IMSセッションの終了が、S-CSCFからPCFへのNpcf_SMPolicyControl_Delete Request
をトリガーし、これがさらにSMFによるUPFへのPFCP Session Deletion Request
とAMFを介したgNBへのNGAP PDU Session Resource Release Command
を連鎖的に引き起こすプロセスは、5Gシステムにおける制御プレーンとユーザープレーンの厳密な分離と、サービスベースアーキテクチャの利点を明確に示している。QFI=5のような特定のQoSフロー識別子を使用することで、ネットワークは音声サービスに特化したリソースを効率的に解放し、システム全体のパフォーマンスを最適化できる。
通話終了後のUEのRRC状態がRRC_CONNECTEDからRRC_INACTIVEまたはRRC_IDLEに遷移するメカニズムは、バッテリー寿命の最適化と将来のサービス要求への迅速な対応の間のバランスを追求する5G設計の重要な側面である。RRC_INACTIVE状態の存在は、電力効率と低遅延の間のトレードオフを管理するための5Gの洗練されたアプローチを強調している。
本報告書で詳述された手順は、5Gネットワークが提供する高品質で信頼性の高い音声サービスを支える基盤技術を深く理解するための重要な情報を提供する。これらの複雑な相互作用を正確に把握することは、ネットワークの最適化、トラブルシューティング、および将来の5Gアプリケーション開発において不可欠である。
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