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【2019/2/6版】HDDの容量単価を計算してみた。お買い得はどれだ?


憧れのZFSのために

唐突ながら…Oracleに対する思いは人それぞれいろいろあるとは思うのだが、シリコンバレーの一つの巨星だったSun Microsystemsの無残な最後を思うにつけ忸怩たる思いに駆られるのだった。そのSunの最後の、偉大なるレガシーがZFSだ。計算機の構成要素の中でもファイルシステムというのはCPUやOSなんかと比較すると地味目な存在だと思うが、もちろん縁の下の力持ち的な重要要素で、ZFSが発表されたときには大興奮したことを記憶している。「これぞ21世紀のファイルシステムだ」と。

その21世紀に突入してからすでに1/5近くが過ぎていったわけだが、ここのところずっとUnix系OSからは離れた生活が続いている。ところが先日、ひょんなことからLinuxでZFSが利用可能になっていることを知った。市井の人々がZFSを利用できる時代が、ついに来たのだ。

とはいえ、デスクトップパソコンとしてのLinuxシステムにZFSを使ってもあまりメリットがないように思う。もともとZFSは豊富な計算機資源が使えることを前提にした、未来のファイルシステムなのだ。憧れのZFSが向こうからやってきてくれたのだから、迎えるこちらとしても最大限のおもてなし(資源の用意)をせねばならぬ。ZFSの先進性を全身で浴びるような。


そうだ、NASを作ろう

128bitアドレッシング、Copy on Write、RAID機能包含、遠隔スナップショットなど、やはり出自は隠せない。ZFSは大規模ストレージを構成するのがよく似合う。職場でそんなことをしていたら遊んでいるのがバレバレなので、自宅にファイルサーバー - NASを構築しようと思う。やはりディスクは10本くらいは欲しい。総容量は数十TBクラスか。今の時代平気で14TBなんていうHDDを売っている。10TB*10本=総容量100TBのNASなんてどうだろう。うん、キリも良いし縁起もよさそうだ。

そこで皮算用を始めるわけだが、WESTERNDIGITAL RED 10TBが2/6時点で41,131円。一本一本は大したことない金額でも10本となると41万円となるわけで、憧れだけで購入するにしてはこの金額、家族の信任を得られる自信は、全くない。


HDD価格のスイートスポットはどこだ?

高騰が続くメモリなんかと違って、HDDはずっと下落基調にあることに変わりはない。容量と価格が絶妙にバランスするスイートスポットがあるはずだ。

というわけで、2019/2/6日付のAmazon.co.jpでの価格を調査した。下の表はいずれもSeagateのHDDで、Barracudaはデスクトップ向けのモデル、IronWolfはNAS向けのモデルということになっている。もう一方の雄であるWESTERNDIGITALのHDDもそうなのだが、NAS用のモデルは連続運転時の耐久性に優れているという付加価値がついているため価格設定も高くなっている。

注目してほしいのはTB単価である。1本の金額をその容量(TB)で除したもので、TB単価が同じであれば購入価値も同じと考えるのだ。

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折れ線グラフを眺めてみるとデスクトップ向けのBarracudaでは4TBと6TBが最もコストパフォーマンスに優れていることがわかる。8TBも許容範囲内か。それより小容量のものは割高であり、逆に10TB超となるとポンっと価格が跳ね上がる。10TB級はまだ買い時ではなさそうだ。もちろんコストパフォーマンスよりもどうしても容量優先という人もいらっしゃるでしょうが。

NAS向けのIronWolfも4~8TBあたりが狙い目だ。6TBだけパフォーマンスが悪くなっているが、もちろん価格はコストと営業利益だけで決まるわけではなく、需要と供給も大きく販売価格に影響する。6TBがスイートスポットに入ってよく売れるため需給がひっ迫しているのではないだろうか。

一方、青とオレンジの線の乖離も非常に気になるところである。以下の表に価格差を数値化してみた。

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上の表はIronWolfのTB単価をBarracudaのTB単価で除したものである。すなわち高付加価値のIronWolfがBarracudaよりも高いか安いかを表している。

表を見るとわかる通りIronWolfはそもそもTB単価が非常に高い。ざっとBarracudaの1.5倍だ。高耐久という付加価値に対して1.5倍の価格を受容できるのか。1本1本は絶対値として大した差ではないとしても、10本まとめて購入することを考えると決して無視できない差といえそうだ。


結局、狙いどころは?

容量でいうと4TB~8TBのレンジがコストパフォーマンスに優れることは分かったのだが、問題はNAS用のHDDの高価さだ。新たにNASを構築するにあたり初期費用に占めるHDDの割合は非常に大きく、購入計画に大きな影響を与えることになる。

結局どうすることにしたかというと、4TBのBarracudaを10本購入しようと思う。40TBで83,790円となる。現在稼働中のNASのデータ容量が10TB程度なので容量的には十二分といえる。HDDなんて遅かれ早かれ確実に壊れるものなので、壊れたところからIronWolfに換えてゆけばよい。ダブルパリティ+ホットスペアでRAIDを組めば、めったなことで全損という憂き目にあうことはないだろう。Barracudaが壊れ始めるころには10TBクラスのTB単価も下がっているだろうから将来的な容量アップを狙うのもいい。10TB*10本=100TBも夢ではなさそうだ。

問題は100TBもの容量、何に使うか、ということなのだが。